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五十嵐毅プロの一打

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2011-06-07(火) 11:12:48 | 馬場 裕一 (ばば ひろかず)
●東3局●東家●8巡目
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守備型のプロ雀士、と問われたとき、麻雀ファンの間ですぐ頭に浮かぶのが“イガリン”
こと五十嵐毅さんでしょう。

テレビ対局や著書などには、必ずと言っていいほど「至高の守備派」というキャッチフレーズが付いて回ります。

では、実際のところ、五十嵐さんの雀風はどうなのか。

僕の見る限り、守備力はさすがに高いですが、決して「至高」と呼ばれるほど守っているようには思えません。

むしろ秘かに「ホントは攻撃型じゃないの?」とまで疑っております(笑)

ただ五十嵐さんは、その風貌と人柄。そして丹念な打ち筋から、すごく「固い人」という印象を周囲に与えることが多く、それがそのまま「守備派」のイメージにつながってしまったのではないか、というのが僕の推察です。

ちなみに人柄というか性格も全然「固い人」じゃありませんよ~。

ただ、麻雀の打ち筋は非常に丹念です。

一例を紹介しましょう。

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南3局の北家です。

ご覧のようにピンフ含みのイーシャンテン。

そこへ6巡目に 五筒 を引いてきました。

この時点で五十嵐さんはマイナス9000点のラス目。

しかし小場の展開だったので、トップとの点差は12000点という状況。

五十嵐さんはノータイムで 九筒 を1枚外しました。

ピンズをリャンカン形に受けて、タンピンイーペーコーの可能性まで追ったのです。

まあ、セオリーといえばセオリーの一打ですね。

すると次巡のツモが 九竹 。

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ここで五十嵐さんはタンヤオを捨てる打 六竹 。

ドラが 九万 ということもあり、789の三色を狙いにいったのです。

これも、セオリーといえばセオリーの一打。

しかし14巡目に引いてきた牌が 六万 でした。

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こういう安目というか挫折の牌を引いてくるところが、五十嵐さんらしいといえば確かにそうかもしれません。

さて、あなたならここから何を切りますか?

ラス目であるので、789の三色にこだわり 五筒 を切るか 六万 をツモ切る人も少なくないと思います。

しかし五十嵐さんは裏目の 六万 を引いたことで三色を断念、 九筒 を切ってイーペーコーのみのテンパイにとりヤミテンに構えました。

これも、ある意味セオリーに則った選択といえるでしょう。

すると次巡南家からリーチがかかりました。

一発で五十嵐さんがつかんだのが超危険牌のドラ近 七万 。

「至高の守備派」としてはオリに回るのかなあ~、と思っていたら、五十嵐さんは迷わず 七万 を横に曲げて追っかけリーチ。

共通安全牌に困った東家から 六筒 が出てきてロン。

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何と裏ドラが 五筒 で満貫のアガリ。

五十嵐さんは一躍2着に浮上、トップとの点差を3000点にまで縮めたのでした(この後オーラスもアガっさて見事な逆転トップ!)。

五十嵐さんがいかに丹念な打ち手であり、同時にちょっと攻撃型であることがわかってもらえたのではないでしょうか。

せっかくですので、もう一例。

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東3局の東家です。

ご覧のように一気通貫のイーシャンテン。

丹念な五十嵐さんは123の三色の可能性も見て 二筒 を残しておりました。

そこへ8巡目に引いてきた牌が 五竹 。

本来ならツモ切ってもおかしくない牌でしょう。

しかし五十嵐さんは少考した後打 二筒 。

三色の可能性を捨て、あえて 五竹 を残したのです。

なぜか。

ひとつにドラが 七竹 であること。

次にマンズが配牌からこのままの形であること。

以上の理由から五十嵐さんは、今引いてきた 五竹 を軸にソーズを延ばそうと考えたのです。

すると次巡のツモが 三竹 。

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この手牌だけで判断するなら 五竹 を切る人のほうが多いでしょう

けれど五十嵐さんは一気通貫を見切って打 九万 。

そして次に 六竹 を引いてきます。

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難しい牌姿になりました。

ピンフ狙いなら 三竹 切りがセオリーの一打か。

五十嵐さんも悩んだようですが、最終的には食い仕掛けまで考慮して打 一竹 。

結果はすぐにドラの 七竹 を引いてタンヤオドラ1カン 七万 待ちのテンパイ。

五十嵐さんはヤミテンに構えて出アガリしたのでした。

手順も点数も地味ではありますが、五十嵐さんらしいアガリだなあ、と僕は思っております。