zeRoの麻雀ひとり旅 | 雀荘特集

有名天鳳プレイヤーzeRoさんが各地の雀荘を実践行脚!

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zeRoの麻雀ひとり旅

第七回:大阪府大阪市北区 雀トップ 梅田店

 私は生まれも育ちも名古屋だが、名古屋でドラ5の手をアガると必ず「ドラゴンズ!」っていうオッサンがいる。いや、私じゃないぞ。
 しかしその中日ドラゴンズも低迷中。

 ……それは私の麻雀も同様である。

 関西サンマ3連敗中――
 タオ牌牌俺の雀荘いただき7……と、それぞれほとんどトップが取れずに負けてきた。

「サンマは四人打ちのいいトレーニングになる」
「サンマは実力が出やすい」

 などと言い続けてきたが、これだけ負けが込んでくると、その言葉の信ぴょう性にも大きく関わってくるではないか。これはよろしくない流れだ。

 一番の問題は自分を信じきれなくなること。

 「麻雀は短期的に結果の出ないゲーム」だと頭ではわかっていても、こうも負けが続くとひょっとして大きな間違いをしているんじゃないか? と疑心暗鬼になってくる。
 そんな状態では踏み込むべきところで踏み込めなくなり、逆に余計なところで放銃したりする。悪循環である。
 もちろん自分自身も全然完璧じゃないし、ミスも多い。関西サンマの押し引きバランスもまだ模索段階だ。

 もう一度戦いにいこう。
 自信を取り戻すため、そして新たな知見を得るために。

 この日、関西サンマへのリベンジを胸に誓ったzeRoが訪れたのは、関西サンマの聖地・梅田にある「雀トップ」だ。

 梅田駅構内の一角に、「泉の広場」と呼ばれる、地下に噴水(!)のある場所がある。

 噴水から発せられているマイナスイオンを吸収しながら十三番出口から地上に出ると……

 すぐに「雀トップ」の看板が目に入った。
 時刻は昼、道行くビジネスマン達の喧騒から逃れるようにビルに入り、八階まで上がる。
エレベーターの扉が開くとそこには

 お店のシンボルが迎えてくれた。
 中に入るとかなり広い。画像に収まり切らないが、全部で十六卓ある。

奥に見えるのは、クリーンルームと呼ばれるタバコを吸わない貸卓のための部屋だとか。
待合席も広く、ゆったりくつろげる。

「はい、いらっしゃい!」

 今日はベテランの店員さんしかいないようだが、その年齢を感じさせないくらい元気で、とてもハキハキしている。
 そんなベテラン店員さんのひとりからルール説明を受ける。

 基本はオーソドックスな関西サンマだが、いくつか雀トップならではのローカルルールがある。

「雀トップ」には「ドラゴン牌」なる牌が入っており、

 これは華牌と同じ扱いなのだが、ひとつだけ赤い牌が入っており、その一枚は祝儀対象となる。タオ牌牌や俺の雀荘で経験してきたお馴染みのパターンだ。
 ただ、その赤牌はデザイン自体が他のドラゴン牌と同じであり、ちょっと見にくいな……と感じた。特に色弱の方は苦労しそうなので、なんらかの対策はしてほしいところ。

 そしてこのドラゴン牌、ひとりで4枚集めると、なんと新しくドラが2枚めくれるルールなのである。
 こういうインフレイベント的なルールが私は大好きだ。

それともうひとつ、いままで足を運んだいずれのサンマ雀荘も、基本的には「まるっこ」というルールを採用していた。これは和了時の点数に関するルールで、簡単にいえば出和了と自摸和了の点数が変わらないというものだ。
しかし、雀トップでは、「ツモり損1000点加符」というルールを採用していて、
例えば、四人打ち麻雀で子のマンガンツモは2000-4000であるが、そこに1000点ずつ足して3000-5000になるという計算方法である。跳満なら3000-6000は4000-7000、倍満なら5000-9000というふうになる。
そう、その名の示す通り、ツモアガリは損なのである。
低打点域ならばその差はわずかであるが、高打点域になると顕著になる。親の倍満ツモ9000オールとなって、出アガリと6000点も変わってくるのである。

 長々とルールについて説明したが、これらが実戦においてどのように影響してくるのかは、実際に闘牌を見てもらった方が早いだろう。

「よろしくおねがいします!」

 いつものように元気に挨拶をする。
 仕事休みにきているようなサラリーマンと、初老の紳士が座っていた。

 さて東発、親であるサラリーマンからリーチが入っているところで私はこんな手。

【東一局 南家 0本場】

 華 ドラ

 チートイのイーシャンテンだが、浮いている4牌はどれも通ってない。
 現物は4枚あり、オリることはできそうだ。

 さて、あなたならどうするか?

 私は水が上から下に流れるよう、ごく自然に安牌のを河に置いた。

 このような場面で、例の「ツモり損1000点加符」のルールが押し引き判断に作用してくる。
 ただでさえ親のリーチにはオリ気味に打つべきところ、ますますオリ有利になるのだ。
たとえ親の倍満をツモられたとしても9000オールならまだまだジャブをもらったようなものだ。
しかし18000を直撃されたらもう膝はガクガクである。

「ツモり損」のルールは、ツモが損なわけではない。
「ロンの価値が高い」のである。

 テンパイ受け入れの狭いチートイで通ってない牌を切り、テンパイして、さらに通ってない牌を切り、そしてアガリ切る。この4段階抽選を受ける価値はない。
 攻撃を受けている状態でのテンパイとイーシャンは、天と地の差。特にツモリ損ならなおのことである。
 たとえ、サンマでは通りやすいでもこの時点で止めるべきなのだ。

「ツモ リーヅモ4丁 6000オール」

 サラリーマンのアガリで幕開けした。

 次局一本場は初老の下家が安手であがり、迎えた私の親番でこんな手が舞い降りた。

 ツモ ドラ

 打
チートイとメンツ手の天秤だ。先にを打ったことにより将来的に待ちが強くなる。

 すると

 ツモ ドラ

 さきほど我慢したチートイがここで蘇ったか。予定通りリーチ!
 と、いきたいがすっとをタテに置いた。
 やはりキモは「ツモり損」である。そもそもダマの18000で十分だ。
 その手をリーチしてツモったところで9000オールなのである。危険をおかす価値はない。

 ダマで潜航していると、3巡くらいしたところでサラリーマンがツモ。
 タンヤオドラ5の待ちだった。
 おそらく私がリーチを打っていたら、サラリーマンは追っかけていただろう。
 このように、本手はダマに構え、直撃を狙いつつ相手のリーチに対し悠然とツモ切りリーチを打つシーンは本当に多い。大物手の直撃は決定打となるからだ。
 はいい待ちだが所詮はタンキ待ち。めくりあいになると分が悪い。
 「ツモリ損」は我慢の連続である。

 さて時は流れ、オーラスを迎えてこのような点棒状況になっていた。

サラリーマン:54000
zeRo:28000
初老(親):23000

 トップのサラリーマンはかなり遠い。
 自分の手はトップどころか

 華 ツモ ドラ

 まくりようのない凡手でテンパってしまった。
 これをそのままリーチする。

 ドラがたくさんあったり、ホンイツやチンイツになりそうな手だったりすれば、トップを意識するが、無理なら自然に打つまでだ。素点も大事である。
 この手だって、一発や裏ドラのオプションによってはハネマンになってクビを守れる。(クビを守る=40000点以上になり沈みウマから逃れること)

 ほら、一発はなかったが、ドラゴン牌(華)を持ってきた。
 リンシャンから持ってきたのがまたドラゴン牌。そしてさらにリンシャンからドラゴン。

 するとサラリーマンが苦笑しながらドラを2枚めくった。

 そう、「ドラゴン牌をひとりで4枚集めると……」というルールの適用である。

そんなこんなで私の手はこうなった。

 華華華華 ドラ

 すぐにをツモ。
 リーヅモドラ8…さらに裏が1枚乗って三倍満。7000・13000。高いナナトーサンだ(笑)
 これによりトップ目のサラリーマンを1000点かわした。
 トップである。

 なお、祝儀のやりとりなどにはこの点棒のようなゲームチップを使う。

 個人的にこの棒のようなチップは扱いづらい。しかし、昔からの伝統なのだろう、ここ梅田界隈ではこれが主流だ。

 この日、私はこれまでの鬱憤をはらすかのように吹いた。
 たしか7戦して5トップだったと思う。
 そのせいではないが、卓が割れてしまった。

「メンバーツー入りになりますがよろしいですか?」

 うーん、それではあまり旅打ちっぽくないなぁ…と考えていると

「難波の店舗にはお客さんがたくさんいるんですけどね…」

と教えてもらった。

 よし、いくか。
 戦いは、難波へと続く…

まとめ

 「雀トップ」は一言で言うと、「安心して関西サンマを打てるお店」だ。
 広くて清潔な店内。何よりも店員さんが元気で気持ちがいい。
 壁には、

 マナーに関しての注意書きがびっしり。
 実際お客さんのマナーは非常に良かった。
 サービスも充実していて、特にこの

 新規のお客様に配られる一日無料券はお得だろう。

評価

刺激度 ★★★☆~★★★★
清潔感 ★★★★★
サービス★★★☆
店員さんの元気!★★★★★

(なお「刺激度」は動くお楽しみチップを元に 新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートルールを★…として表現)

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第十二回:大阪府大阪市中央区 ニュー雀トップ 千日前店

人気麻雀マンガ「天牌」や「むこうぶち」などの作中に、しばしば高級料亭を思わせるような雀荘が描かれることがあるが、実際そんなお店はあるのだろうか?

あった!
前回訪れた「梅田店」の後に向かった雀荘がここ「雀トップ千日前店」である。
なんでも二十年の歴史を誇る老舗で、店の随所からその歴史を感じることができる。

なんば・日本橋の駅で降りて徒歩5分圏内。

千日前の繁華街を入ったところで、すぐみつかった。

夕方前で人はまばらだが、もう少し時間が経つと人でごった返すだろう。
大阪や東京の繁華街は、名古屋のそれより一回り大きいエネルギーを感じるのは私だけだろうか。
歩いている人の人数も違うが、何より人々の歩く姿や顔つき、ひっきりなしに聞こえてくる話し声……が、パワーに満ち溢れているのだ。

さて、そんなパワー溢れる場所にある雀荘である。
仰々しい扉をくぐると、あまりのゴージャスさに驚いてしまった。

待ち席がいくつもあり、その中の1つには

水槽がある。さらに……

カウンターもある。ここなら落ち着いてご飯を食べることができそうだ。
そして店内は

サラリーマンや年配の方を中心にとても賑わっていた。
平均の年齢層は結構高め……か?

「早速いけますよ!」

梅田店で打ってきたことを告げたので、いきなりの卓入りとなった。
ルールは両店で共通しているのである。

特徴をまとめると

  • 完先1ハンの関西サンマ
  • ツモリ損、1000点加符
  • 一発と裏ドラにラッキーポイント
  • ドラゴン牌(華牌)4枚あり、1つが赤くてその牌を抜いてアガるとラッキーポイント
  • ドラゴン牌を1人で4枚抜くと、ドラが2枚追加でめくれる

ざっくりとだが、こんなところだろうか。

麻雀卓がおいてある部分は一段高くなっており、

「ここからバトルステージですよ」

と言われているようで、いやが上にも緊張感が高まっていく。

卓には社長さんぽい老人と、素性不明の中年男性が待っていた。
卓上に散らばっている点棒を集めながら、新しく入ってくる自分の姿を一瞥するような視線を感じた。

「よろしくおねがいします!」

臆せず元気よく挨拶する。

さて、私はこれまでに多くのお店で打ってきたが、初めて行く雀荘で心がけていることがある。それは

「過度に喋らない」

である。

ルールに慣れるまでは先ほどした挨拶やルールへの質問など、必要最低限のこと以外は口を閉ざすのが吉だ。
いくら「おひとり様歓迎」……といっても、よそ者であることには間違いない。
新参者がいきなりベラベラと話しだしたら、この人は真剣に麻雀を打つ気があるのか?と、疑われてしまうだろう。
特に今回の私のように、卓内で一番若いのであれば、なおさら大人しくしておくのがよい。

難しいことは何にもない。
放銃したら「ハイ」と言って手を伏せ、アガったら申告する。そして、わからないことがあったら遠慮なく聞く。
ごくごく普通に打っていればよいのだ。

「〇〇待ちでした」とか「こっちだったら通っていたのかー」とか「こういう読みでこれを切った」などは、基本控えた方がよい、ということ。
(聞かれたらもちろん答える)

それでは実戦である。開局のこと。

 ツモ ドラ

サンマは、四人打ちと比較して、チートイになることが多い。
使っている牌の種類が少ないので当たり前の話だが、それでも頻度としては激増で、体感メンゼンでの三割くらいがチートイじゃないか? とも思えるくらいである。

この手牌も好形が多かったらメンツ手でいいのだが、ピンズとソウズにそれぞれネックがあり、チートイのイーシャンテンは維持しておきたい。
がいいだろう。

すぐにをポン、を切り、こんな形でアガれた。

  ロン 華

華もきたので満貫である。

このように仕掛けてから赤や華がくることは非常に多い。打点は二の次で速度に特化させ手数を増やし、打点は勝手についてくる……というスタイルが関西サンマの基本である。

次局、

 ツモ ドラ

速度を重視するとして、ここから何を切るか。
これもメンツ手とチートイの両天秤で打……

とはならない。
ここは自然に打とする。
の方が受け入れは二枚多い。
しかしこれが罠である。増える受け入れはチートイであり、タンキ待ちである。
その一方で打とした時のツモはリャンメン待ちである。
瞬間の受け入れは打の方が多いが、アガリまでの受け入れは逆転する。の危険度を含めて、打がよいだろう。

すぐにをポンしてまたしてもマンガンのアガり。

こうして最初の半荘は細かいアガリを重ねてトップになった。

梅田店と同じく、棒のようなゲームチップを使って清算する。
店員さんが清算方法を教えてくれる。

清算の時に限らず、店員さんは必ず各卓のそばで見守っていて、一局ごとに空き家(誰も座っていない席)の牌山を前に出したり、やりとりのサポートをしてくれた。

これはかなり安心感がある。

次の半荘、私は仕掛けていた。

  華 ツモ ドラ

テンパイなのでこんなツモ切る一手だが、問題は社長さんからのリーチの一発目であることだ。社長さんの捨て牌はソウズがと通っており、ピンズは切られていない。
オリるなら現物はある状況だ。自分の手が「中ドラ2」の4000点ということもありオリた方が良さそうにも感じる。

さて、あなたならこのを切るか?

私は真っ直ぐを切った。
リーチに対する押し引き判断要素はたくさんあるが、その要素の中でも一番大きいのは「好形でテンパイしているかどうか」だ。
イーシャンテンとテンパイは天と地ほどの差がある。またテンパイでも愚形ではめくりあいに勝てず、ツモリ損のこのルールだとよほど打点がない限り損だろう。
逆に好形テンパイなら安くても押していける。

この手もすぐにアガることができた。

その後もトップを重ね、社長さんがラス半をかけ、やめていった。
卓を離れる際、

「兄ちゃん、強いねぇ」

と笑顔で言ってくれた。
これまで互いに必要最低限のことしかやりとりしてなかっただけに、びっくりした。

認められた……とまでは思わないが、ひとりの麻雀打ちとして認識されたことが嬉しかった。

やはり余計なことを話さなくて良かった。
特に関西では勝負に厳しいイメージがあり、自分もその独特の雰囲気は好きだ。
何かを喋るから三味線やマナー違反になるのであり、何も話さなければ問題は起きない。

話すのは場に慣れてから、空気が読めるようになってからでいいと思う。

社長さんの代わりにメンバーが入ったが、私の勢いは止まらなかった。
十回くらい打っただろうか、半分以上私のトップで、気持ち良くラス半をかけた。

さきほどの梅田店に続いての快勝である。
完全復活!
と言いたいところだが、私自身は何も変わっていない。

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」

というのは野村元監督の言葉だが、半荘十回程度では基本的に勝ちも負けも偶然の中の出来事である。
結果に一喜一憂してはいけない。

といいつつ、いつも飲まないお酒をコンビニで買い、ひとりで晩酌したzeRoさんであった(笑)

まとめ

店内の作りだけでなく、メンバーさんの対応ややりとりにも二十年の歴史を感じた。
また、ゴージャスな高級感がありながらも大衆麻雀店のようでもある……という不思議な店である。
麻雀は真剣に打てるし、店内は明るく、そして店員さんも常に見守っていてくれるので安心して麻雀に没頭することができる。

ミナミで二十年間やってきた歴史を体感したいなら是非!

【評価】

刺激度 ★★★★
清潔感 ★★★★
サービス★★★☆
安心感!★★★★★
(なお「刺激度」は動くお楽しみゲームチップを元に、新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートルールを★…として表現)

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第九回:福岡県福岡県久留米市「チャン太 久留米店」

五月某日――
初夏を感じる暑さの中、zeRoは福岡へ向かう機内にいた。
これまで麻雀ばかりしてきたからか、飛行機に乗るのはとても久しぶりである。

よくこんな「人を乗せた鉄の塊」を飛ばし、さらにそれをビジネスにしようと考えたよな……などと人類の英知に対して余計な事を考えているうちには福岡に着いていた。
名古屋から約1時間のことだ。人類の英知はホントに凄い。

目的はもちろん麻雀だ。
土地 が変われば麻雀も変わる。本州との違いをお届けできれば……と思っている。

今回訪れたのは久留米市にある「チャン太 久留米店」だ。

右にパチンコ屋が写っているが「チャン太久留米店」に限らず、パチンコ屋の隣にある雀荘が、この辺りでは多かった。 相乗効果を狙ってのことか、それとも遊ぶところはひとまとめにするのが福岡流なのか。

外から見るとプレハブ小屋のように見えるが、階段を登り、中に入るとかなり広く印象が変わった。

奥の扉の向こうには個室もある。

「いらっしゃいませ」

スラリとした秘書のような素敵な女性が声をかけてくれた。
この方にルール説明を受けたのだが、尽くしてくれる雰囲気が出ていて、秘書感がますます高まってくるではないか。

なんのレポートかわからなくなってきたので話を戻すと「チャン太」はルールやマナーがしっかりしているし、サービスも充実している印象だ。

HPを見ればその様子がわかる。

店内にはびっしりとマナーに関する貼り紙があり、

かといってギスギスした場かと言うとそうではなく、店員さんは楽しそうな雰囲気 を出しているし、お客様同士も和気あいあいと話しながら麻雀を打っている。

「楽しい」と「厳しい」は相反するようで、実は表裏一体の要素。
楽しむためには最低限のルールを守らないと楽しめないのだ。
知らない人同士が卓を囲むフリー雀荘はなおさらそうで、楽しむためにマナーを覚えましょう……ということなのだろう。

サービスもたくさんあったが、一番驚いたのがこれだ。

28歳以下の方は場代が半額らしい。
若い血を入れたいのだろう。
しかし、ここまで思い切ったサービスは名古屋では見なかったと思う。

28か……。
一瞬、なんとか誤魔化せないだろうか? と思ったがスマホに反射する自身 の顔をみて諦めた(笑)
(それにサービスを受けるにはおそらく身分証明が必要だろう)

さて、平日の昼すぎということもあってお客さんはまばら。
ヨンマだとスリー入りになるということもあり、まずはお客さんのいるサンマを希望した。
サンマほど地域の特色がでるものはない。
チャン太のサンマをざっくり解説すると

5の他に3や7にも色牌が入っている。
何故だろうと考えたその時
なるほど!閃いたぞ!
チャンタだ「チャン太」!
5だけに赤が入っているとどうしてもチャンタは苦労の割に見返りの低い不遇の役となってしまう。
ところが3や7に赤が入っていると「メンチャンピン赤赤!」と言う呪文を唱える事もできるってわけだ!

あとはツモリ損。1000点加符すらない純粋なツモリ損。
子で満貫をツモったら2000・4000で6000の収入にしかならない。要所でダマの選択が大事になってくるだろう。

最後に北の扱い。
北は抜きドラだが、オタ風として手の内に使える。
私は北抜きのルールの中では手の内で使えるこのルールが大好きだ。
チートイ北タンキに構え他の人が抜くのを待ったりすることができるなど、戦略性を感じる。

早速どうするのか問いかけるような配牌がやってきた。

(赤) ドラ

普通にから切り出すのもいいが、私は試しに……とを抜いた。

「ペー」

を抜く際はこう発声するのがルール。

(2枚だから「ぺーぺー」と言うべきなのか?)

などと思いながらリンシャンから持ってきた牌は

(赤) 抜きドラ ドラ

さっきとは見違える手になった。
が役牌なら他人が抜いた牌もポンできるのでそのまま抜かない方がいいと思うのだが、所詮はオタ風。先ほどのようなタンヤオの見える手ならなおさらを抜いて変化を求めた方が良いと思ういい。

その後

(赤) 抜きドラ ドラ

テンパイしたものの、すでに11巡目と時間がかかった。
自分の捨て牌が派手になってしまったのと、他家がを数枚切っている事もあり、ダマに構えた。

ここからアガリ確率を削って倍満を目指すより、確実にハネマンを拾うのが「ツモリ損」の基本だ。
この後に赤牌やドラなどを入れ替えたり北を抜いたりで、さらに高くなったりする事もある。

すると次巡、そんなを切っている親からリーチがかかった。

(赤) 抜きドラ ドラ

追っかけるかどうかの判断。
は不要なはずなので高打点出アガリのチャンスとも言える。
しかし、やはり正着はダマ続行だろう。

現状打点は十分であり、現物待ちでもう1人から出るかもしれないのにその可能性を削るのは愚の骨頂だ。また牌を入れ替える事により放銃回避できるかもしれない。
とにかくハネマン以上の手はアガリ率最大に構えておくのが吉である。
出ていく牌が目立たないならなおさらだ。

もくろみ通り脇からを拾って、ハネマンをゲットした。
そんなこんなでサンマを楽しんでいると、4人打ちのお客さんが揃ったということで移動となった。

さて、ヨンマのルールを解説していきたいところだが、みなさんは初めてのお店に行った時、ルールを全部頭に入れるだろうか?

いくつもお店を回っている私から言わせると

「国士のアンカンは当たれるか――」

などは一切覚える必要がない。

いや、しっかり全部覚えられるならいいが、1年に1度あるかどうかすらわからないレア現象に頭のリソースは割かず、ゲームに大きく関わり、そして「出現頻度の高い重要な項目」だけを覚える方が、効率がいいのだ。

その重要な項目とは

  • 祝儀チップの対象、枚数
  • アガリ連荘かテンパイ連荘か
  • 途中流局があるか
  • ウマ

極論するとこの4つだけを把握しておけば事足りる。

オーラスの2着ヤメができるかどうかなんて、その時に聞けばよいではないか。

そんな感じで「チャン太」のルールを見ると…

赤3に金1の鳴き祝儀。そしてマンズに2枚入っていることはしっかり覚えておこう。

  • テンパイ連チャン
  • 途中流局なし
  • ウマ10000点20000点

そして重要なのは「条件付き東南戦」だということ。
東4局終了時点で32000点以上持っている人がいるとそこでゲーム終了。
いわゆる「新宿ルール 」というやつだ。

西家で迎えた手牌。

(赤)

南家から打たれたを鳴くかどうか?

「ポン」

新宿ルール の役牌は基本ポンだ。
よほど面前リーチが見込めるくらいの速度がない限り鳴いた方が良い。
鳴き祝儀ならなおさらだろう。

ただここまでバラバラだと、2つ目の仕掛けは形が整うまで控える。

(赤) 

ここで南家に打たれたをスルー。
カンチャンを2つ残したまま手を短くすると、アガリが見込めない上に危険だけが広がる。

これを鳴くことは、知らない女に「一目惚れした!」と言われ、いきなりホテルに行くようなモノだ。
きっとクローゼットに怖いお兄さんが隠れている。

(赤) 

ここまで進んだが、他家にアガリを拾われた。

そんなこんなで時は進み、東4局となっていた。

東家 40000
南家 18000
西家 16000
北家 26000 ←自分

 ドラ

役牌は基本ポン、と言ったばかりだが、私はこのを鳴かなかった。
トップ目の親がをポンしており、ここに満貫を振り込むとたちまちラス目になってしまう。その一方で鳴いて上がってもトップになれない。

門前で親に放銃しないように手を進め、ハネマンリーチが見込めない限りオリる……という戦略がベターだろう。

そして

 ドラ

ここまで手が進んだが親にあがられて終局となった。

このように終盤はいろんな条件が発生する。
南入りの条件なども絡むと、より戦略的になるだろう。
新宿ルール というと一見インフレルールのように感じるかもしれないが「条件に合わせた立ち回りをする」ことが大切であり、それは赤ナシの競技麻雀にも通じる部分がある。

密度が濃くなって、ある意味それは麻雀の醍醐味とも言えるだろう。

結果、サンマで少しマイナスした分をヨンマで大きく取り戻し、プラスで終えた私は待ち席で気分よくご飯を注文した。

待ち席の横には大きなモニターがあって、飽きさせない。

この時は音楽チャンネルが流れていたが、時には麻雀番組も流しているのだろう。

そしていよいよご飯が到着した。

ご飯の上にじゃがいもとほうれん草、そしてマヨネーズをぶっかけたチャン太名物「ポパイ丼」だ。

カロリーの味しかしないが、カロリーは裏切らない(名言)

とても美味しい上、満足感があった。

まとめ

「チャンタ久留米店」はマナーとサービスが共にしっかりしていて、店員さんも感じよく(特に秘書)店内も広いので、とても安心して麻雀に没頭できる場所だった。

また、新規のお客様には、フリー・セットを問わず手厚いサービスがある。

 フリーならば最大で8500円相当のプレゼント。
 セットならば最大で40000円相当のプレゼント。
 ともに初回来店から来れば来るほどサービスの内容が良くなっていき、ポイントカードのポイントを貯めると、「ゲーム代無料」「卓代無料」などの激熱サービスの恩恵が受けられて、実にお得だ。
 久留米に立ち寄る際には、ぜひともチャン太に足を運んでみてほしい。

評価

刺激度 ★★★☆
清潔感 ★★★★☆
サービス★★★★★
秘書の色気★★★★★

(なお「刺激度」は動くお楽しみチップを元に 新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートールを★…として表現

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第十一回:福岡県福岡県福岡市南区「チャン太 大橋店」

いわゆる「バブル」と言われた二十年前。
学生時代のzeRoが足しげく通った名古屋の雀荘は、地下に存在した。

ポケベルが全盛で、携帯電話が普及しだした昭和の時代だ。
地下ということで電波が入り辛かったのが致命的だし、狭くて暗い階段を下っていくのは怪しさ満点。お店のイメージとしてはマイナスの側面が大きかったと思う。

それでも私は、365日中350日はそのお店で麻雀を打ち込んだし、後にメンバーとなることで仕事や接客を学んだ。

イメージの悪い「地下」も、私としては隠れ家的な雰囲気で好きだった。
あそこにいけば誰かいる。あそこにいけば楽しく麻雀ができる。
麻雀も恋愛も仕事も常識も、すべてそこで覚えた。

――その地下にある雀荘は、私の青春そのものだった。

という背景があり、私にとって「地下」にあるお店は、ワクワク感が5割増しになる。
そう、本日紹介する「チャン太大橋店」は「地下」にあったのだ。

西鉄大橋駅から降りて徒歩1分。
麻雀と書かれた派手な看板があり、すぐにみつかった。

ここも隣にパチンコ屋がある…・・・という福岡雀荘の謎の伝統を守っている。

青春の中の狭くて暗い階段と違い、おしゃれな洋食屋さんにつながっていそうな、明るくてとても入りやすい階段だ。
思い出を噛みしめるように一歩ずつ降りていくと入り口についた。
店内もかなり明るそうだ。

「いらっしゃいませー!」

平日の昼間だというのに、すでに5、6卓立っていて、とても活気がある。

待ち席も広くて、人をダメにしそうな大きなソファーがある。
そしてこれも福岡の伝統か? 大きなモニターがあった。

また、久留米店同様28歳以下が半額と言う「ありえないサービス」をやっている。
ちょっと前ならギリギリ誤魔化せたと思うが、やはり40となった今ブラフをかますのはさすがに苦しいか。
(だからおそらく身分証明いるって)

そしてそして、この「わせりん」君↓にルール説明をしてもらった。

彼は天鳳プレイヤーであり、私と同じで十段を経験しており、とても強い。
それでいて店の中ではムードメーカー的な存在なのか、常に喋っている。
そんな彼の存在のおかげで、完全アウェイの私もかなりリラックスできたと思う。

「久留米店」同様、ここも「マナーに厳しいからこそ楽しく打てる麻雀」がコンセプトになっている。

特に目を引くのは一番下に書いてある

「七・当店は日本一お客様をお待たせしない麻雀店を目指します」

とあることだろう。

フリーに来るお客様は基本的に今すぐ麻雀を打ちたい人が多い。
十分な人数のスタッフで構え、その要望に応える事はシンプルながら重要なことだろう。

さて、ルール説明を受けて、「大橋店」には3つのルールがある事がわかった。
「サンマ」「ヨンマ」は「久留米店」とほぼ同じルールを採用していると思うのだが、ひときわ異彩を放っているのが「大橋店」独自の「RUSH」なるルール。

通常の麻雀とはかなり違うということで尻込みしていたが、わせりん君のススメと、せっかく福岡まで来たということもあり「RUSH」を打つ事にした。

結果的にこれが鬼のように面白かった!

鬼って面白いのか?
自分のあまりの語彙力のなさに辟易としてしまったが、そんなことよりも、今回この「RUSH」の面白さだけはどうしても伝えたいので、わかりやすいようにざっくりと解説していこう。

まず「RUSH」「一局勝負 のサンマ」である。
3人で60分を1クールとし、ひらすらサンマを打つ。
この「60分間の共有」が妙に卓内3人の連帯感を生むのだ。
いや、通常の半荘でも同じことなのだが、時間で区切られると一緒にカラオケボックスに入ったような、そんな謎の感覚を覚えた。

「今から『RUSH』を始めまーす!」

わせりん君の掛け声と共に50分のタイマーが押される。
アガった人が親になるのだが、この50分のタイマーが鳴った後に親が移動したらそこで終了となる。

メンツはわせりん君と常連らしき若者。
始めてであることを告げ、いろいろ教えてくださいと頭を下げる。

最初の親は私だ。
何もわからないまま、手なりで進めていくと、すぐにテンパイした。

(赤) 抜きドラ ドラ

まず、メンゼンでテンパイしたらリーチをかけないとあがれない、というルールだ。
迷わずリーチを打つが、リーチにも3種類ある。

通常のリーチと倍の供託を払うオープンリーチ、ここまではなんとなくわかるが、特殊なのが供託のいらないサービスリーチというやつだ。

サービスリーチでアガると、一発や本場、裏ドラは放棄となる。
どういう時に使うかというと、1人が「流し」など役満(大物手)気配の時に「お安くしとくよ!」という意志とともにサービスリーチを打って差し込んでもらうのだ。

さて、を切って通常のリーチを打ったら、あっさりと若者からが出た。

「RUSH」では通常のハン数による計算とは違い、独自の計算方法を使う。

これを初日で全部網羅するのは不可能だと思うが、リーチ・ピンフなどの頻出する通常の1ハン役はほとんど「2点」だ。

「リーチ・ピンフ・二色・RUSH……」

牌を2枚ずつ集めながら数える。
あとはドラの4枚を足す。
ここまでで12点だ。

そして熱いのがここから。
裏ドラをめくる。
が乗った。

裏ドラが乗ると5点付加され、さらに隣をめくっていく、いわゆる「アリス方式」だ。
アリスはマンガなどで見たことあるが、実際にフリーでやっているのははじめてみた。

次はがめくれて、抜いている北がダブルで乗った。
や赤牌が乗ると10点加点される、つまり2枚を抜いている今回は20点、加算される。

こうやって途切れるまでめくり続け、結局4枚連続で乗った。
12点に35点が加算され47点のアガリになった。

「早速『RUSH』の醍醐味を味わいましたね」

若者が笑顔で47点分のゲームチップを支払いながら言った。
この若者の打ち方が凄かった。

リーチに対してほとんどオリる事なく突っ込んでくるし、追っかけは全部オープンしてきた。
極端だなぁ……と感じたが、これが「RUSH」の1つの答えだとも思った。

なにせツモられても同額を払うのだ。
さきほどの手、ロンアガリだったので47点にしかならなかったが、ツモっていたら2人からもらえていたという事。
また、親だからといって基本的には得点が優遇される事はない。

それならば多少不利な手であっても、押し得となるのは自明の理。
オープンリーチに関しても、供託は倍払うことになるが、アガった時に5点となる上(通常のリーチは2点)ツモ上がり率が高くなる。

ここまででかなり通常の麻雀と違うことがわかったと思うが、難しいだろうか?

人は知らないモノに対して、腰が引けるものだ。
難解な得点表を見たり、今までの常識が通じない麻雀だと思うと、どうしても避けたくなる心理が働く。

しかし、一回でいい。
騙されたと思ってこの「RUSH」を体験してほしい。

通常の麻雀は競技と言うか、なるべく放銃しないよう我慢すべき場面がどうしても多くなるが、「RUSH」はガンガン前に出てアガっただの打っただのワイワイみんなで楽しむ麻雀である。刺激的な一方、あまり腕の差は出づらいと言え「娯楽の原点」がそこにあるように感じた。

また数え方にもコツがあって、「リーチツモ⇒役⇒ドラ⇒裏ドラ⇒アリス」など、数える順番や数えるために集める牌の場所(手牌やアリスとして使いそうなところは残す)など、それらを覚えて流れるように数える事ができると、一種の様式美のような美しさを感じるのだ。
私もその様式美を60分ではモノに出来なかったが、初めての旨を告げればスタッフさんが優しく教えてくれる。

さて、展開の方はというと、ビギナーズラックの私がツイていて、たくさんアガることができた。
若者もカンチャンでもなんでもオープンで追っかけてきて、もちろん返り討ちに合う事もあり何度も放銃していたが、時には奇跡的な太いアガリをモノにしてプラス圏だった。
2人に離される形だったのがわせりん君だ。

しかし後半に入ってわせりん君が親で連チャンしだした。
さきほど、基本的に親に優遇措置はない、と言ったが、少しだけある。
3本場から親だけ積み棒による加点が倍になるのだ。
3本場なら6点、5本場なら10点。
はじめは大したことないな…と思っていたが、これがボディーブローのように効いてくる。特にツモアガリは大きい。

8点のロンアガリからはじまり
16点オール
18点のロン
26点オール
40点オール

アガリを重ね連チャンしていくわせりん君。

これが「RUSH」と呼ばれるゆえん。
積み棒ブーストにより、確変に入ったようにゲームチップをかき集める。
ひとりへこみだったわせりん君は親の5連荘であっという間にプラスに戻してしまった。

そこでタイマーが鳴って試合終了。

私は結果的に少しマイナスになってしまったが、若者も優しく「RUSH」を教えてくれたし、時には一緒にわせりん君をからかったりして、非常に楽しい時間を過ごすことができた。

私は麻雀が好きだ。
これまで20年間ずっとそうだったように、これからもそれは変わらないだろう。

しかしあの青春を過ごした地下の雀荘で、貪るように打った麻雀の面白さはまた別物。
もう二度とあの時の魅力は戻ってこないのかもしれない。
そう思っていた。

しかし、奇しくも同じ地下にあるこの「チャン太大橋店」で、「麻雀の面白さの原点」を垣間見たような気がする。
それくらい衝撃的な魅力を持った「RUSH」の体験であった。

本当にもう一回福岡にいって打ちたいくらい面白かった。
是非本州でも流行って欲しい。

まとめ

全編「RUSH」の紹介となってしまったが(笑)「チャン太大橋店」は「久留米店」同様、サービスと接客がしっかりしていて、活気のあるお店だった。

久留米店同様、次回以降キャッシュバックをゲットできるカードをもらったし、

やっぱり個室もあった。
HPをみてもらうとわかるが、各種イベントを常に行っており、文句のつけようのない雀荘と言えるだろう。

また、久留米店同様、ご新規サービスにかなりの力を入れているようで、

フリー・セット、ともに、新規客には、キャッシュバックを含めて破格のサービスが用意されている。
フリーは最大で8500円相当のプレゼント、セットは最大で40000円相当のプレゼントに加え、ポイントカードのポイントを貯めることで、ゲーム代・卓代無料の激熱サービスまで付いてくる。

チャン太大橋店は、「麻雀の楽しさの原点をみた」、そんなお店だった。

評価

刺激度 ★★★~★★★★
清潔感 ★★★★★
サービス★★★★
わせりん君の騒がしさ★★★★★
RUSHの魅力★★★★★★★★★★★

(なお「刺激度」は動くお楽しみチップを元に 新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートルールを★…として表現

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第十二回:福岡県大野城市「フォーラム」

私は焦っていた。

天鳳に没頭し、ブログを始めた事により、ゲスト依頼などたくさんの仕事が増えた。
昨年(2017年)には麻雀の戦術本を出すこともできた。そしてすぐに増刷されるほどに売れたのだ。

早いものであれからもうすぐ1年が経とうとしている。
あの時は連日忙しく、必要とされている実感を覚え、とても充実していたように思う。

しかしあれがピークだったようだ。
あと3トップというところまで迫った天鳳位を獲り逃し、ずるずると八段まで降段しその後は長く低迷。プロアマリーグなどの大会に積極的に参加するも結果を出せず、いつからか華々しい舞台から遠ざかっているように感じた。

今ですら齢40を数え、若者からすると距離を置かれる年齢だ。
柔らかく言うといいオッサンである。
それがあと10年経つと50になる。記憶力や瞬発力は大きく衰えてくるだろう。
私には時間がない。実働的にはあと数年。この麻雀界に何を残せるだろうか。

――そんな思いを抱えながらも、この日は「フォーラム」という雀荘を探していた。

おかしい。
JR春日駅より徒歩15分とのことで、その住所に着いたハズなのだが

パチンコ屋しか見当たらない。
何度地図アプリで確認してもこの場所のはずなのだが、周辺をぐるぐる回ってもみつからない。
ん、HPをよくみると「5F」と書いてあるな。もしやと思ってパチンコ屋の中のエレベーターに入ってみる。

あった(笑)
5階で降りると、すぐ隣が入り口だった。
もう少し、外部から存在がわかるようにするとよいと思うのだが。。

気を取り直して入ってみると、

平日にも関わらず縦長の店内にフリーが2卓、セットが1卓たっており、活気を感じる。

「いらっしゃいませー!」

元気のよい女性スタッフが迎えてくれた。初めての旨を告げると、待ち席に案内される。

待ち席では、福岡で定番となった大型モニターから日本プロ麻雀連盟のタイトル戦がライブで流れていた。

何やらこの雀荘は、私のイケメン仲間である滝沢和典プロがプロデュースする店らしい。

……ごめん、イケメンでも仲間でもないわ(笑)
20年前は同じ期待の新人だったはずなのだが、彼はスターダムの道を登りつめ、一方で私はドロップアウトした。あの時のことを自分は今でも鮮明に思い出せるが、滝沢プロが私を覚えているかはかなり怪しいところだ。

多くの大物ゲストが定期的に来店しているようで、所せましとサインが並べてあった。

さて、一通りルール説明を受けたが、オーソドックスなアリアリルールの4人打ちのようだ。
これなら初めてでも戸惑うことなく打てるだろう。

「zeRoさんが来るという事で楽しみにしていました!」

待ち席のお客さんに話しかけられる。
何やら天鳳をやっているということで、天鳳トークに花を咲かす。

そのお客さんと今来たお客さん2人で卓を立てる運びとなった。

「よろしくお願いします!」

元気な挨拶とは裏腹に、手が入らない。
まさに地蔵。先手を取る事ができず、1半荘目はぶら下がりの3着となった。

「フォーラム」では、ゲームが始まる前にこのようなボックスに各自ゲーム代(350円)を入れる仕組みだ。

トップ者がまとめて支払うシステムが全盛の時代で、私はこうやって各々から徴収する昔ながらのシステムを推す。

理由としては、全員分まとめて払うとえらい高いように感じてしまうのが大きい。
また無料ゲーム券や半額ゲーム券などのサービスも、その場で得を実感できるのが良いと感じる。そうそう、フォーラムでは11枚つづりのゲーム券を常時販売しており、これを使う事によって1ゲームオトクに遊べる。新規の方や女性の方はさらに安くこのゲーム券を購入できるようだ。

また、新規様にもれなくゲーム券がもらえるほか、ポイントカードも発行していて、サービスはとても充実している印象だ。

さて、気を取り直して2半荘目に入ったが、なかなか配牌もツモも呼応してくれない。
この、努力がすぐに結果に直結するわけでもなく思うようにいかない麻雀というゲームにおいて、自分はこれから何を残せるのだろうか。

再び心に闇が訪れていた、そんな矢先だった。

ツモられ貧乏で迎えた南1局の事。
私はがむしゃらにホンイツ仕掛けをしていた。

  ドラ

見切り発車で仕掛けてみたはいいものの、字牌は重ねる前に他家からだだ切られ、マンズも同様に被せられていた。

(少しでもいいところを見せたいけど、テンパイすら厳しそうだな……)

そう半ば諦めかけた時だった。上家からが打たれた。
すぐにツモ山に手を伸ばしたが、

(あれ、これって)

体が反応するように声が出ていた。

「チー」

  

何もなかったはずの空間からメンツを作る鳴き。
通常の発想の外にあるこのチーは、ボーっとしているだけではできないし、知識と経験がないと反応できない。

――何かが、代わった気がした。

丁寧に3枚切れているを切る。
次巡、他もほとんど出枯れていた字牌だが、その中の1枚を重ねる事に成功した。

   ツモ

次にを仕入れ、横に曲がっていた対面のを捉える事ができた。

   ロン

間一髪、ギリギリの満貫。
そしてこれがきっかけとなったのか、次局。

四暗刻のツモアガリ。
特に華麗な手筋があったわけでもない。手なりの四暗刻だった。

あれだけ欲しかった結果は、わけのわからないところに潜んでいるものだ。
あのカンチャンで鳴いたもそうだが、心から欲しかったモノは想定外のところにあり、普段はなかなか気付けないのであろう。
結果を出せず、焦っていた自分だが、麻雀の性質上、欲しい時に欲しいモノが手に入るわけではなく、ただひたすら正着打を打とうと努力を続けることによって、ときおり神様がご褒美をくれる……そんなものなのかもしれない。

その後
311121
3連勝もし、終わってみれば大きく勝って「フォーラム」での実戦を終了した。

遠く離れた地で

「一緒に打てて嬉しい」

と言ってくれる人がいるだけで、どれくらい幸せだろうか。
福岡にきてそれを実感した。

華々しく活躍する滝沢プロと違い、一度は諦め「ZERO」からやり直したこの麻雀道。
焦ることなく、やれることからやっていこうではないか。

何かふっきれたような、そんな麻雀だった。

まとめ

「フォーラム」は特徴あるルールや、目をひくようなシステムがあるわけではない。
しかし、低料金でテンパイ連チャンの麻雀がゆったりと遊べること、サービスやゲストイベントが充実していること、スタッフさんが丁寧で明るいことから、とても安心して麻雀を楽しめるお店のように感じた。

パチンコ屋の上にあるのはみつかりにくいが、パチンコ屋の駐車場は使っていいそうなので、車で来るお客さんにとっては非常に便利であろう。
私も地元名古屋では基本的に車で行動しているので、そのへんの気持ちはとてもわかるのだ。

さすが私のイケメン仲間である滝沢プロがプロデュースする店である。

評価

刺激度 ★★★
清潔感 ★★★★
サービス★★★★
イケメン仲間による安心感★★★★★

(なお「刺激度」は動くお楽しみチップを元に 新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートルールを★…として表現

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第十三回:北九州市小倉駅前「M-7(エムセブン)」

リーチ麻雀M-7レポート

福岡に来てよかった。
ゲスト来店(旅打ちはゲストとは少し違うのだが)自体が珍しいこともあり、多くの人が会いに来てくれたし、遠方の麻雀文化に触れる事により麻雀の原点を感じる事ができた。

そんな大団円を迎えようとしている福岡紀行の最後に訪れたのは……

北九州市は小倉である!

振り向くと小倉の街並みがあり、すぐそこには、

下町の情緒を感じさせるような、商店街があった。
小倉駅から徒歩数分といったところだろうか。

目的のお店、M-7はあった。
早速入店しようとした矢先、我が目を疑ってしまった。

35歳以下半額!? さらに女性無料!?
「チャン太」の28歳以下半額でも「ありえないサービス」と表現したのに、その遥か上をいく35歳である。
目一杯広げてくれたレンジにも自分は入らないが(笑)そんなことよりも衝撃が大きかった。

階段を登ると明るい店内が見えてきた。

入ると平日の昼間だというのに、既に複数の卓が立っており、とても賑わっていた。

煤けた壁色、そしてその壁に張られている役満の貼り紙、チョッキをきたベテラン店員さん。決して綺麗とは言えないが、掃除などは行き届いているようで、 それでいて古き良き昭和の雀荘を感じさせるには十分だった。

そういえば、先日亡くなられた小島武夫プロも福岡出身だっけ。
小島プロも、このような活気のあるお店で麻雀を覚えてきたのだろうか。

「いらっしゃい!」

そんなノスタルジックな気分になっていると、威勢のよい店員さんに声を掛けられ、ルール説明の運びとなった。

ルールは普通のアリアリルールのヨンマ。
ウマがちょっと特殊で、

  • 同じ2着でも3万点あるとプラス500pt、ないとマイナス500pt
  • 同様に、3万点ある3着は0、ないとマイナス1000pt
  • ラスは一律マイナス1500pt

と、順位ウマと沈みウマがミックスしたシステムになっていた。
3人沈めてトップをとると大きくなるという沈みウマの醍醐味をそのままに、順位ウマの競技性もあるという絶妙なウマ設定だと思う。

あとはテンパイ連チャン、途中流局アリ、形テンなし……くらいを覚えておけば困る事はなさそう。

最後に「M-7」の目玉となるのがこれである。

の赤が1枚ずつ、そしての金が1枚 ……の計3枚が入っている。
赤はリーチアガリした時にボーナスでゲームチップが300ptもらえ、金は仕掛けても500ptもらえるという特別な牌だ。

福岡では7に特殊牌が入ることは多々あったし、色によって条件が変わるのも珍しくない。
しかし面白いのがここからだ。
ルール表の最後にこう書かれていた。

「この3枚を全部使ってリーチをかけてツモアガった場合は役満になります」

や、役満!? 
2度見してしまった。
正直最初の印象はバランスを壊しすぎではないかと感じていた。
しかし打った後の感想は180°変わっていた。

早速そんな実戦をみていこう。

案内されて座った卓は、両脇に打ち慣れた若い方、対面が商店街の人だろうか私より一回りも上といった常連さんだった。

西家でもらった配牌がこれだ。

 ドラ

さて、何を切るか。
他の店ならいざ知らず、ここ「M-7」では確固たる正解がある。

そうなのだ、赤や金が7という事があり、2と8には明確な優劣が存在する。
ましてや金の存在するペンはそうそう嫌う事はできない。

白をポンした私の2000点のアガリで開幕した。

東2局、親の若者のリーチに対し、対面の常連さんがベチベチと独特な音をさせながら無筋を押していく。
今でこそ戦術本が氾濫し、押し引きに関しても多くのデータが公開されているが、昔はこの常連さんのようにひたすら打つ事によって自分の体でどこまで押していいのかを感じるしかなかった。

体で覚えた事は一生モノだし、何より無機質に並んでいる数字よりもよほど信頼できる。

あれだけ無筋を押していたようにみえた常連さんは、さすがにこれは…・…といった表情で現物を抜いた。
直後に親がツモ、4000オール。

「やっぱこれあたりかー」

常連さんが止めた牌をみせる。

こういう感覚派の打ち手は決して上手いわけではない。
でもこれまでに培ってきた経験からギリギリまで押してくるので、打っていてかなり強く感じるのだ。

――それにしても、このお店のお客さんは楽しそうに打つナ。
この対面さんと両脇の若者、親子くらい年齢は離れているだろうというのに、そういう隔たりを感じさせないような空気があった。
放銃してもアガっても「M-7」は笑顔で溢れかえっていたのだ。
小難しい事を考えていた自分が恥ずかしいくらいだ。

さて、ジリ貧で迎えた南場の親もマンガンを被り、オーラスを迎えて14000点持ちのラス目になっていた。トップは上家の若者で40000点以上持っている。

諦観の面持ちでむかえた配牌がこれだった

 ドラ

……きた!
そうなのだ。このルールで打っていると、赤が2枚きただけで役満がチラつき、ドキドキすることができる。
赤入りの麻雀を打っている皆さんならわかると思うが、赤2枚なら結構な頻度でくる。
その度にドキドキできるのだ。

門前で仕上げないといけないため、と切り飛ばす。

 ドラ

こんなをずっと引っ張っているあたりいびつな牌進行だが(笑)次のツモに心臓が高鳴った。

喉から手が出るほどほしかったである。

なお、最後にをツモってアガリとなっても役満になるルール(最終的に赤赤金になればよい)だったので受けができればよいと思っていた。
それなのに先に金そのものが到着するとは。よし、形はできた。

が1枚見えていたので、を切った。

 ドラ

うおおお! この景色を見よ! 目の前にある材料だけで興奮は高まっていく。
こんなダンラスでもこれだけ盛り上がれるのだから、このルールすげーよ!

しかしここからが長かった。
なかなかテンパイができぬまま、有効牌はバタバタ切られ、そしてトップの若者は役牌をポンし、対面の常連さんからリーチがかかる。

無理かな……と思ったところへ、スッとタテに抜ける盲牌。

 ツモドラ

キタ――(゚∀゚)――!!

は既に2枚打たれているが構わない。
を切って元気よくリーチ宣言した。

が、そのに常連さんからお声がかかった。
メンタンピンドラ1の満貫への放銃。
6000点持ちのラスになり、マイナス2400ptに1500ptの順位ウマを加え3900ptの支払いとなった。

赤が2枚くることなど、半荘に1度はあるだろう。
その度に役満がチラつくのだが、そこからが意外と厳しい。

「3つ使って門前でテンパイしてリーチを打つ」⇒「ツモ上がり」

というさらに複数の条件を満たさないといけないからだ。
ドキドキする頻度の割に、意外と条件が厳しいのだ。
何個も役満を入れるとインフレ化してしまうが、こうやって1つ目玉的な特殊役を入れるだけで、よいスパイスとなって非常に面白いな……と感じた。

さて2半荘目の親番でのこと。

 ツモ ドラ

これが5巡目。
ツモってきたは不要なのだが、問題は対面がリーチをかけていてその一発であることである。

しかし私はあまり深く考えずにを切った。

5巡目のリーチなんてまだまだ通ってないところだらけで何が当たるかわかったものではない。
それならば自分の都合でまっすぐ打つべき。そう打つ事で相手のアガリを最大限阻止できるし、ひいては放銃率も下がるはずなのだ。

次に安目となるがを持ってきてリーチ。
一発でをツモってハネマンの600ptオールとなった。

 ツモ ドラ

このハネマンが効いてトップ。
その後も一進一退あったが、定期的に大きいトップをとり、15半荘ほど打ち終わった頃には大きくプラスになっていた。

結局15半荘も打ったのに、例の役満は一度も出なかった。
自身で3回ほどテンパイしたのだが、やはりなかなかハードルが高い。
出る時は簡単に出るのだとか。

お客さんは入れ替わり何度も変わったが、全員気さくに話しかけてくれ、とても楽しい時間を過ごせた。
福岡の雀荘はどこも特色があって面白く、いい思い出になった。
気持ち良く名古屋に帰る事ができたzeRoさんなのでした。
(今日のわんこ風)

まとめ

「リーチ麻雀M-7」は大手チェーン店のように特別マナーに厳しいわけではない。お客さんの中には、強めの牌の扱いをする人もいた。 お店も古いし、広いわけでもない。

しかしそこにはずーっと麻雀を愛しているお客さんがいて、世話をやいてくれる明るい店員さんがいて、和気あいあいとした会話があり、そしてちょっとだけ刺激的な役満がある、そんな古き良き雀荘だった。
私は本当に昭和の時代にタイムスリップしたような感覚になった。

特に35歳以下の方は半額という破格の料金で麻雀が打てるので、小倉にお越しの際は是非立ち寄ってみてほしいと思う。

評価

刺激度 ★★★★
清潔感 ★★★
サービス★★★(35歳以下は★★★★★)
幻のオールスター役満!★★★★★
満ち溢れる麻雀愛★★★★★★★

(なお「刺激度」は動くお楽しみチップを元に 新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートルールを★…として表現

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第十回:福岡県福岡県久留米市「ドリーム」

突然だが、各地を旅しているzeRoが旅をする上でこれだけは手放せない、というアイテムがある。それは、

アイマスクである。
zeRoはインターネットカフェやカプセルホテルを利用する事が多いが、アイマスクを装着する事によって、熟睡度が違う。
何もないとなんだかんだで光が入ってくるからだ。
しかし、これさえあれば電車の中だろうと一瞬で夢の世界。

あまり使った事がないという方は騙されたと思って是非試してみて欲しい。

さて福岡ではビジネスホテルを予約している。
そのホテルへのチェックインを済ませたzeRoは、腹ごなしに福岡名物のとんこつらーめんを食していた。

ギトギトのこってり味ではなく、あっさりとしたタイプで食べやすい。
ご飯が欲しいところだが絶賛ダイエット中なので我慢することにしよう。

店を後にしたzeRoが、どっぷりとした腹をさすりながらむかったのが今回紹介する「アミューズメント麻雀ドリーム」(以下ドリーム)である。

マスターに車で迎えにきてもらったのだが、道中お店や麻雀のよもやま話、そしてここでは書けない業界の話などをたくさんさせてもらった。年齢は私より少し上なのに麻雀にとても熱く、そしてお店を大事にしているのが伝わってきた。自分も頑張らないとな……と思わせる方だった。

そんな「ドリーム」に着いた。
やはりというか、パチンコ屋が隣にあった。
入ると……、

たしかに大手チェーン店と比較するとこじんまりとしているかもしれない、しかし「ドリーム」は活気に満ち溢れていた。

所狭しと並べられたPOP

大きなソファーの脇にはたくさんの本とテレビがあり、家にいるかのようにくつろげる。

さて、そんな「ドリーム」での麻雀だが、ヨンマ・サンマともに多彩なルールが用意されている中、東南の四人打ちを打つ事になった。
この時は来店する旨を告げていたので、対局を楽しみにしていたファンが待っていてくれたのだ。

名古屋から遠く離れた場所でこのように温かく迎え入れられるとは、なんてありがたいのだろう。天鳳に、そして麻雀に感謝しながらの対局となった。

恒例、「簡易ルールチェック」をしていこう。

  • 5に1枚ずつ赤アリ、鳴き祝儀2000点相当
  • テンパイ連チャン
  • 途中流局ナシ
  • ウマは10000点20000点

とてもオーソドックスなルールで安心した。
三人打ちを打つとどうしても地域色がでて、それはそれでとても面白いのだが、ルールにアジャストするころには帰る時間になったりする(笑)
この日も4時間くらいしか打てなかったので、ファンに対して麻雀の腕を見せるにはベストなルールだと安心したのである。

1半荘目を3着で終えた2半荘目。
東場の親番で次のような手を迎えていた。

3巡目

 ドラ

ターツ選択での場面である。
どれを選ぶかは場の状況次第といったところだが、私は悠然とを落としていった。
3巡目ならこの一手である。
タンヤオに向かうことにより、打点面だけでなく仕掛けも効く。
アガリトップの局面でもこう打った方がいいだろう。

 ツモ

メンタンピン一発ツモドラ1。
リーのみの手が6000オールとなるのだからたまらない。

これをトップでまとめた。

対面はサラリーマン風の方だった。
牌を触らなくなってかなりの時が経つが、同僚に誘われて打った「ドリーム」での麻雀がとても面白かったらしく、それ以来は定期的に顔を出しているらしい。
何が起きてもニコニコしていてこちらまで穏やかな気持ちになる。

三回戦目、そんな対面さんからの親リーチを受けた私の手牌。

 ツモ ドラ

リーチ者の捨て牌はこれだ。


手牌の形は絶好だが、入り目次第では安すぎて、親リーの一発に赤を切るのはちょっときつい。
どうしたのものかと悩んでいると、本当に麻雀を楽しんでいる対面さんのニコニコとした顔が視界に入った。

(慌てる事はないか……)

私は静かにを河に置いた。
勝負を一旦保留しておいて、次に危険牌を持ってきたら再度西を切って迂回、リャンメンを引いてテンパイしたらそこで勝負にいくかを考えればいい。
勝負に行ける高いルートだけを残して一旦勝負を保留。これがベターな選択だろう。

次にツモってきたのは
これでリスクを負わずに回る事ができた。

そして次巡。

を3つ並べた私が満を持して追っかける。
共通の安牌に窮したのか、上家の若者から親の現物のが放たれる。

 ロン

一発で満貫を召し取った。
精神状態によっては、えいやっとを勝負していたかもしれない。
もっと余裕を持って楽しみなよ、と対面さんの笑顔に何かを学んだ一局だった。

結果的にこの半荘もトップで終え、その後も調子良く4連勝した。
終わりに2着3着とまとめ、大きく勝って実戦を終えた。

まとめ

「ドリーム」はマスターの人柄が伝わってくるような、熱くて優しいアットホームな雀荘だった。
そして一番のセールスポイントは、久留米で一番安い! と豪語するゲーム料金だろう。
1卓1400円……と言うと、最初はそれほどでもないように感じたが、何しろテンパイ連チャンである。時には1半荘1時間を超えるだってあるだろう。
結果的に安い料金でゆっくりと麻雀を楽しむ事ができる。
また貸し卓も1時間800円とありえないくらい安い。

 また、今回は「東南戦四人打ち」を実践したが、そのほかにも、歌舞伎町ルールの「新宿ルール」、九州ならではの「リャンシバサンマ」、鳳凰杯ルールの「大阪サンマ」さらには裏メニュー的なモノもあるらしく、その日の気分によっていろんなルールが打てるのが面白い。次回来た時は、九州独特のサンマを打ってみたいと思った。

成績管理も行っていて、月間や通算でのランキングもHPから見る事ができる。

そして低料金でありながら、各種サービスもある。この時もらったのが行くたびにキャッシュバックがもらえる新規カードだ。

ただでさえ安いので、こんなに出していいのかと心配になるほどだ。

決して広いわけでも、刺激的なルールを採用しているわけでもない。
しかし、店内はマスターの麻雀愛に満ちあふれる 温かい雀荘だった。
久留米にお越しの際は是非のぞいてみてほしい。

【評価】

刺激度 ★★★
清潔感 ★★★
サービス★★★★
料金の安さ★★★★★
マスターの面白さ★★★★★

(なお「刺激度」は動くお楽しみチップを元に 新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートルールを★…として表現

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第七回:大阪府大阪市 いただきセブン

 本日のレポートは阪急三国駅にある「いただき7」さんというサンマ専門店。

 駅を降りてすぐ、ということでそれらしき建物を探していた。

 するとあった!

 ピンクの看板に、ハーフ専門……しろうと……。
 ここ麻雀屋だよな?(笑)モヤモヤしてくる思いを振り切るように店内に入る。

 私はかつて、パチンコとスロットで生活していた。
 パチンコもスロットも、出す意思のあるホール探しが全てである。
 パチンコは釘をみればおおよその店のやる気を把握する事ができるが、スロットの設定は目に見えないので、ぱっと見わからない。
 しかし一日に何十店舗と移動し、名古屋中のホールを回るうちに、ふいに「喰えるホール」というのがわかってくるのだ。

 こればっかりは感覚的なモノであり説明しようがないが、それでも無理やり言葉にするとしたら、匂い……
 そう、優良ホールは「喰える匂い」がするのだ。

「いらっしゃいませー!」

 なぜそんな昔の話をしたかというと「いただき7」に入った瞬間に、

(あ、ここはいい店だ)

 と肌が感じたからである。

 わいわいと楽しそうに麻雀を打つお客さん、店員さんのハキハキとした声。
 卓も牌も躍動していた。

 何より雰囲気を柔らかくしているのは、女の子の存在だ。

 不思議なもので、雀荘というのは女の子がひとりいるだけでガラリと雰囲気が変わる。
 お茶を持ってくるのでも、私のようなおっさんが持ってくるのとかわいい女の子が持ってくるのでは気分が違うだろう。同じお茶なのに本当に不思議である。

 また、女の子の前でケンカするのはみっともないな、という心理が働くのだろうか。お客さん同士でのトラブルも最小限になるイメージがある。

 特にこの日「いただき7」さんにいた女の子は、失礼ながらモデルのような美人というわけではなかったが、雰囲気がかわいらしい子で、ハキハキと声を出したり待ち席の人に声を掛けたりして楽しい空間を演出していた。
 まさに看板娘といったところだろう。

 テンションがあがってきたところで初めての旨を告げ、お茶とおしぼりをいただいた。

 そのおしぼりを見た瞬間、再びパチプロ時代を思い出した。
 パチンコもスロットも麻雀も、手は汚れるモノ。貧相な紙のおしぼりを使っているホールはお客さんの気持ちがわかっていないなーと感じたものだ。
 そんな中で「いただき7」さんは、肌触りの良い最高級のおしぼりをつかっているのがわかる。

(わかってらっしゃる……)

 つい、そう呟いてしまった。
 汗ばむ手をおしぼりで拭い、ルール説明を受ける。

 基本的には「タオ牌牌」さんや「俺の雀荘」さんで解説してきた関西サンマだ。

 5は全赤。いただき7と書かれた牌が華牌。
 そして7にも1枚ずつ金牌が入っている。これはドラには数えないがチップ対象になる。
 一通りの説明を受け、店内を見渡すと、フリーは若者三人で回っている卓とやや年配の方ふたりとメンバーが打っている卓があった。
 この辺の卓割りもうまくやっているな……と感じた。

 そして私はどっちに入れられるのかな……と楽しみにしていたら、やはり年配の方に放り込まれた(笑)

 そして因縁の「パッコロ」との再会である。

 リベンジに燃える思いと共に卓についたが、そんな気持ちはすぐにどこかにいってしまった。
 お客さんふたりが、とても楽しそうに打つのである。
 ツモを楽しみ、アガって喜び、放銃して悔しがる。

 正直、関西の人は勝負に厳しく常に淡々と打つイメージがこびりついていたので、関西にもこんな場所があったんだ…と嬉しくなってしまった。

 とはいえ勝負は勝負という事で、緩んでしまう気持ちを再び奮い立たせる。

 ツモ ドラ

 南家の配牌であなたなら何を切る?

 サンマは体力勝負である。
 ツモって切る動作だけでも四人打ちより濃厚で、思考する機会も同様に増える。
 そんな中で大事なのはやはりある程度の事はシステム化してしまうことだろう。
 まずドラを確認した後、役牌とオタ風をチェックする事から始まる。

 華牌を採用しているサンマでは、北が役牌のところがほとんど。
 つまり南家の私は東・南・北が役牌。要は西以外が全て役牌だ。

 だから一打目は打西とする。
 オタ風を真っ先に切るのだ。
 これが惰性で打っていると、とりあえずということでマンズから切ってしまう事が多い。
 ホンイツかピンフがハッキリ見えない限り、オタ風はお荷物だ。西家に重ねられる前に1巡でも早く切ることが大事だ。

 大事……と言ったが、細かい話であり、実戦ではそうそう損になるケースは少ない。
 しかし、自分で決めた順番を守れなかったことで、集中できていない自分に気付く事ができる。このことの方が大事と言える。

 を重ね、これをポンし、

 ロン   ドラ

 こんなマンガンをアガることができた。

 いつも最初は調子いいのだが…。

 五巡目のチンイツに放銃し、トップを捲られる。
 その後もトビこそしないものの、なかなかトップのとれない展開が続いた。

 半荘十回ほど打っただろうか、最後にトップをとり、笑える程度の負けで済んだ。
 しかし笑える程度の負けも、これだけ続くと膝にくる。麻雀と名前がついたらどんなルールでも負けない! と威勢のよかったのが、今となっては虚しい。

まとめ

 負けたのはおいといて、その負けた気持ちがどこかにいってしまうほど、「いただき7」はは好印象だった。
 貸卓も安く(特に学生は1h800円)、イベントも多彩で、とにかく楽しそうなお店なのだ。

 「いいお店の匂い」
 は、溢れるお客さんの笑顔で判断できるんだな…と感じた「いただき7」来訪だった。

 なお、その看板娘に写真をお願いしたが、断られてしまった。残念。

zeRo的総評

刺激度 ★★★☆
清潔感 ★★★☆
サービス★★★
看板娘 ★★★★★

補足

 今後から上記のような星で採点をしていこうと思う。
 刺激度は動くゲームチップを元に 新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートの麻雀を★……として表現。
 清潔感は卓回りだけでなく、トイレや待ち席も含めた綺麗さを評価。
 サービスは各種イベントの質や量を評価。

 このままでは終われない。
 関西サンマへのリベンジは必ず……と誓いながら、名古屋に帰ったZEROなのであった。

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zeRoの麻雀ひとり旅

第六回:大阪府東大阪市俺の雀荘

 前回の「タオ牌牌」でボロ負けしたzeRoは打ちひしがれていた。

 とぼとぼと駅の方へ戻るように歩いていると、ひときわ目立つお店に気付き、ふと足を止める。

「俺の雀荘」

 まさか雀荘とは思わなかった。なんだこのインパクトのある外観は。

 ――その昔、名古屋に「俺の味」というパスタ屋があった。
 そこの店主が頑固なのか、メニューはミートパスタのみで、オープンからラストまでモーニング(パンと飲み物)がつき、完全禁煙である。
 極め付きには完食しないと怒られる……という、まさに頑固オヤジがやっているような独特のお店だった。
 現在では同名で店主が変わっているが、そんな今でも目を閉じればあの味を思い出す

 たしかにあのミートパスタは旨かった――

 負けたままでは名古屋に帰れない。
 興味を惹く外観と、火が戻った闘志と。
 私は気が付いたら「俺の雀荘」のドアを開けていた。

「いらっしゃい」

 マスターなのか髭をたくわえた中年の男性が私の来訪に気付き、声をかけてくれた。

 年季の入ったソファーに腰を掛ける。
 おしぼりとお茶を頂いた後、初めての旨を告げると新規説明をしてくれた。

  • 35000点持ちの40000点かえし
  • 完全先付の喰いタンなし
  • 5pと5sは全部赤
  • ハイテイは最後まで(ドラ表示牌ギリギリまでツモる)
  • 華牌アリ

 なるほど、タオ牌牌とほとんど変わらない。いわゆるオーソドックスな関西サンマというやつだった。
 なお、華牌はこちらだ

 少しプリントが薄くなっているが、「俺」「の」「雀」「荘」と書かれている。
 そして「俺」だけが金文字なのだが、これが一発裏と合わせて祝儀対象になる。

「タオ牌牌」もそうだった。
これがこの地元で愛されてきた、サンマのバランスなのかもしれないな…
などと歴史を感じていると、さっそくメンバーの入っている卓が終わり、そこに案内された。

「よろしくお願いします」

 起家スタートだった私は、決意も新たにサイコロボタンを押した。

 いや、パッコロボタンである。

 初めて見る方も多いかもしれない。関西サンマでは主流となっている「パッコロ」と呼ばれるサイコロである。

 正十二面体というだけでも目を引くが、そこに「東」「南」など書かれている。
 もうひとつは「二」から「十二」まで書かれたパッコロの2つを使用する。(普通のサイコロの場合も多い)

 こう書くとややこしいが、使い方は非常にシンプル。
 例えば「南」と「六」の目が出たら、南家の6トン目から配牌をとる…という意味だ。

 これは通常の取り出しよりわかりやすくて初心者もとっつきやすいと思う。

 なんてことないが、普段と違う風習のひとつひとつにワクワクする。これが旅打ちの醍醐味でもある。

 さて始まった。

 今回は、私が関西サンマをそれなりに打ち込んできた上で、感じた攻略法を書いていこうと思う。

①速度感が重要!

 起家で始まった私は、6巡目にこんな手牌になっていた。

 華 ツモ ドラ

 親番でそれなりの勝負手である。しかし私はノータイムで安全牌のを抜いた。

 対面のサラリーマン風の男の河がこうだったからである。

 

  華華

 今、共通役牌のをポンしてを打ってきたところだ。
 ただでさえを切り遅れたかなーと感じていたところに新たな危険牌であるを持ってきた。そして下家の捨て牌はテンパイの可能性が高く、もしテンパイならこの2筋が通る事は稀だろう。

 四人打ちでは自分に手が入ったら、基本は相手を気にせずにまっすぐ打つのが鉄則だ。
 相手はテンパイかどうか不明だし、放銃しても安い事が多いからである。
 しかしサンマは違う。
 使っている牌の種類が少なく、テンパイ速度が四麻と比較してかなり違うからだ。
 そして華牌や赤がある分、安いという事が少ない。

 それだけシビアに相手との速度感を測り、押し引き判断をしないといけない。

 華 ツモ

 この手が成就するには、

 が通り→テンパイして→アガリ切る

 必要があり、三段階抽選と言える。
 相手のテンパイの可能性が高いこの場面では、いくら親でも撤退するべきだと言えるだろう。

 さて、を対子落とししていくと意外にすぐテンパり返した。

 華 ツモ ドラ

 声高らかにリーチ! と行きたいところだが十巡目である、どうする?

②中盤の役アリは基本ダマテン!

 サンマと言うと、リーチのぶつけ合いや大物手の応酬など、派手なイメージがかなり強い。
 特に関西サンマはドラ表示牌の手前までツモが続くため、テンパイしたらなんでもリーチに行くのが得に思える。
 が、実際はそんなことはない。地味でシビアなリーチ判断が試されるのだ。
 特に強者はダマテンの使い方が上手い。これは間違いない。

 リーチを打つと、自分の捨て牌を利用して他家にアガられるかもしれない。
 出るはずだった牌を止められてかわされるかもしれない。
 入れ替えができずに放銃してしまうかもしれない。
 確実にアガリ確率は下がるだろう。

 その見返りに打点が上がればいいのだが、何度も言うように、サンマは華牌や赤で自然と打点のついてくるケースが多い。
 四人打ちのように2000点の手をマンガンにするためにリーチを打つのは多少のリスクがあっても得の方が大きいと考えられるが、マンガンある手をハネマンにするためにアガリ確率を下げる行為は微妙なのではないか……という話である。

 特にピンフ手のケースである。サンマはツモとピンフの複合しないルールが主流なので、さらにダマテン寄りになる。ピンフドラ3の手は、リーチを打っても、裏か一発がない限りハネマンにならない……ということだ。

 打点は勝手についてくるので二の次。
 アガリ確率を下げるようなリスクをなるべく犯さない。

 これが関西サンマの極意だと言える。

「ロン」

 対面がツモ切ったに声を掛ける事ができた。
見る事はできないが、対面の待ちはの可能性は高かったと思う。

「はい」

 サラリーマン風の男は気持ち良く18000点を払ってくれた。

 やわらかい雰囲気だったタオ牌牌の後だからか、俺の雀荘は余計な会話がなく、鉄火場のにおいがした。
 しかしお客さんやメンバーさんのマナーはよく、勝負そのものを楽しめる印象があった。

 続く一本場、気を良くした私の配牌はこうだった。

 ドラ

 イマイチな手だ。
 を打った私はすぐにをポンした、そして何を切るか――
 四人打ちだとホンイツを見て打としそうだ。
 しかし私はを切った。

③ホンイツは見るな!

 これが最後の極意である。
 四人打ちで最強の役は? と聞かれたら私はホンイツと答えるだろう。
 それだけ難易度の割に見返りが大きく、さらに守備力が高い。
 しかしサンマにおいては、話は別だ。ホンイツは足かせになることが多い。
 特にこの手のようにブロックが足りない段階で決め打つのは危険である。

 チーができないことが大きく、有効牌を狭めるデメリットが大きいのだ。
 そもそも打点はしつこいくらい言うように勝手についてくるので、ホンイツにするメリットが小さい。
 いかにもホンイツというような手牌以外は普通に進めるのが吉なのである。

   華 ドラ

 不格好ながら最速のマンガンテンパイを入れ、これをツモって6000は7000オール。

 今回こそはいける……!
 そう思っていたが、三時間後のzeRoはノートップで迎え、力尽きるようにラス半を入れていた。

 地獄――

 麻雀を打っていれば、当たり前のように訪れるどうにもならない状態。
 勝負手のめくりあいに必ず負け、押して放銃し、引いてツモられる。

 私はこれまで、天鳳だけでも7000戦、実戦では何万戦と打ってきたので、酸いも甘いも慣れている。
 ……ハズだった。しかし、負ける度に身を焼かれるような思いに駆られるし、勝てばこの世の全てを掴んだかのような万能感に包まれる。

 私の人生は麻雀が全てであるし、この気持ちの浮き沈みからは一生逃れられないのかもしれない。

 そんなことを思いながら帰りのホームでシュークリームを買った。
 脳が糖分を欲していたのであろう。
 終電に乗り込んだzeRoは、梅田のカプセルで泥のように眠ったのであった。

まとめ

 私の負け報告ばかりで、ほとんど俺の雀荘さんのレポートになっていない気もするが(笑)私がやめるころにはフリーは2卓立っていた。
 あまり店内を覚えていないということは、それだけ勝負に集中できる環境だったということだろう。

 ガンコなマスターがいるわけではなかったが、関西サンマをマナーよく楽しめるお店――それが「俺の雀荘」の印象である。

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第五回:大阪府東大阪市タオ牌牌

 近鉄大阪線長瀬駅を降り、昭和の風情を感じる通りをzeRoは歩いていた。

 春休みなのだろうか。近畿大学が近くにあり、多くの学生達とすれ違う。
 陽光が照りつけ、体が汗ばむ。今年は桜の開花も早かった。
 昔ながらの喫茶店や八百屋などが立ち並ぶ景色に「三丁目の夕日」の世界にタイムスリップした感覚に浸っていたところで、その店はあった。

 地元では「タオパ」の愛称で親しまれている、三人打ち麻雀のお店「タオ牌牌」である。


実戦

「いらっしゃいませー」

 感じのいいお兄さんが迎えてくれる。お茶を注文し、火照った体を冷ます。
 そしてルール説明を受ける。いわゆる「関西サンマ」というやつだ。
 ざっくり重要部分だけを説明すると、

  • 35000点持ちの40000点かえし
  • 完全先付の喰いタンなし
  • 5pと5sは全部
  • ハイテイは最後まで(ドラ表示牌ギリギリまでツモる)
  • 4枚使い七対子アリ
  • 華牌アリ

 文章だけで説明しても伝わりにくい。さっそく実戦にいってみよう。
 待っていた年配の方と、メンバーとの3人で新しい卓が立てられた。学生メインと思いきや、商店街のおやっさんのようなお客さんも多いらしい。

「よろしくお願いします」

 知らない人同士で打つフリー雀荘だからこそ、挨拶を欠かしてはいけない。
 これは麻雀のルールを覚える前に身に付けてほしいことだ。
 勝ちたいのはみんな同じである。それ以前に全員が気持ちよく打てるよう心がけることで、ただの牌並べゲームから、知識を競い合う場へと昇華する。
 相手がいないと麻雀も打てないのだ。

 さて、そんな謙虚な気持ちが功を奏したのか、配牌を開けると、

「タ」「オ」 ドラ

 このような軽い手が躍っていた。
 「タ」「オ」は華牌である。右に抜き、王牌から2枚補充する。

 その2枚はだった。

 華華 ドラ

 北は役牌である。しかし初打はその北とした。
 ついを切ってしまう人が多いかもしれないが、北の有効牌は北の3枚だけに対し、
 の11枚が有効牌となる。ターツが決まっていない段階でこのロスはあまりに痛い。
 何気ない一打だが、それでいて重要な一打だと言える。

 このように三人打ちでは、細かい牌効率が勝負を左右する。単純に濃度が3/4と言え、四人打ちと比べるとごまかしがきかないイメージだ。
 三人打ちを打つ事はドラゴンボールで言う「精神と時の部屋」に入る事と同じだ。
 下手なうちは容赦なく負けるが、その分上達速度も速くなると思っている。
 毛嫌いしている人は是非三人打ちを打ってみて欲しい。

 個人的にはいろいろと要素は変われど、使うのは同じ牌なので何も変わらない。
 四人打ちは強いけど三人打ちはてんでダメって人はいないと思っているし、その逆もしかりだ。

 さて、その後の進行が面白かった。

 を切った後にをツモり、打
 そしてをツモり、打

 華華 ドラ

 盤石のイーシャンテンだ。
 そして4巡目、ここにツモってきたのが

 ツモ ドラ

 さて、四人打ちなら迷わずカンするところだが、三人打ちではこれはテンパイでもある。
 そう、四枚使いチートイツを切れば単騎にとれる。

「……カン」

 小考したが、チートイツテンパイをふまえても、カンしても受けが広く、圧倒的にアガリ率は高い。

 リンシャンから持ってきたのは

 ツモ カン ドラ

 ふむ、どちらに受けようか。
 四人打ちなら自然にに構えるところだが、全赤のサンマでは打点差があまりに違う。

 を切ってリーチした。

 このように濃度が3/4だけにイーシャンテンやテンパイになる頻度が四人打ちと比べて高く、シビアな判断に迫られる機会が多い……ということだ。
 常に戦いに参加しているイメージで、ドラが多いだけにアガれば大抵はマンガン以上あるし、大物手も成就しやすい。ゲームとしても三人打ちは本当に面白いと思う。

 さてどれをツモってきても倍満は確定。裏ドラ次第では三倍満までいく。
 今日はアガリ倒す日かな…などと考えていたらを持ってきてこれが上家のメンバーのペンのイッツーに放銃。

 ……この日はあと一牌が遠かった。

 めくりあいにとことん負け、果てには5巡目に置いたにお声がかかり国士に放銃した。

 私は初めて行く雀荘ではほとんど喋らない。
 常連さん達の和を乱してはならないと思っているから、最低限の会話しかしないのだ。

「……お代わりお願いします」

 しかし、そんな新規がひたすらゲームチップを払い続けていると、微妙な空気になるのも事実。
 私としては何も気にしていないのだが、周りから見るとかわいそうな人になってくるのだ。
 こうして気を遣われるようになり、やがてその同情も合わせて「悔しい」という感情が芽生えてくる。

 フリー雀荘で負けてもゲームチップを払えば済む。天鳳に至ってはptが減るだけだ。
 しかし私にとって麻雀は人生を賭けたゲームであり、負ける事は血肉をもっていかれるのと同義。

 10回ほど打っただろうか、最後にトップを取り店に安堵の空気が流れたところでヤメた。
 悔しさにまみれた「タオパ」での実戦だった。

まとめ

 負けてしまったが、印象はとてもよかった。メンバーさんは気さくだし常連さんのマナーもいい。そして特筆すべきはサービスのよさだ。まず、これを見てほしい。

 小さくて見にくいかもしれないが一回目来店のところに「ゲーム代無料券×5枚」と書いてある。
 これは本当に凄い。「タオパ」はトップ者が全員分の場代を払う今時のシステムなのだが、無料券1枚でその分まるっと補ってくれるのだ。つまり間接的に他者のゲーム代を自分がもらっているようなものである。
 私は1回しかトップをとれなかったので、画像にあるように4枚残してしまったが(笑)

 またこの無料券はお店で保管してくれるので、再び来店した時に使える。
 そして2回目以降の来店でもサービスはさらに追加されていき、4回目ではゲーム券3回分プレゼント、5回目は1日ゲーム代無料+ゲーム券10枚と書かれている。

 新規だけでなく他にもその都度イベントが開かれている模様。

 この日は「黒ひげチャレンジ」というイベントをやっていた。

 決してキレイとも広いとも言える店ではなかった。
 しかし、風情の漂う街に愛される、雰囲気の良い、サービス満点のサンマのお店…
 それが私の「タオ牌牌」の感想である。

 

 悔しさにまみれて店を出た頃には、日はとっぷりと落ちていた。