zeRoの麻雀ひとり旅 | 雀荘特集

有名天鳳プレイヤーzeRoさんが各地の雀荘を実践行脚!

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第二十六回:愛知県名古屋市「Jang Park NoRi NoRi」

これが雀荘の写真に見えるだろうか?
令和最初となる「ゼロ旅」はこんなオシャレな雀荘「ジャンパークノリノリ」に決まったのだ。

ノリノリは愛知県、名古屋は「新瑞橋」にある。
名古屋の人にしか読めないだろうが「あらたまばし」と読むこの地は、私の家から車で10分……という地元であり、もしかしたらノリノリは一番近いフリー雀荘かもしれない。

新瑞橋と言えば、昔は「田舎の中の繁華街」という印象だったが、40年以上前に地下鉄が通ってからどんどん都会化が進み、今ではイオンモールができるほどに栄えてきた。
近くを通る山崎川は桜の名所であり、花見のシーズンには多くの人がやってくる。

ノリノリはそんな新瑞橋駅から徒歩数分にある。
大通りに面しており、ビルの看板ですぐにみつけることができた。

エレベーターで3階に上がった後、店内に入り、オシャレなカウンターに腰掛けた。

冒頭で書いたとおり、雀荘とは思えない雰囲気のカウンターであり、簡単なカクテルくらいならすぐに作ってくれるそうな。

オシャレなカウンターに驚いていると、お店の名前の通りノリのいい店員さんがルールとシステムの説明をしてくれた。

ルール・システム

仕事で仕方なく……というテイで、女性店員に話しかけまくる。
これが私の「ゼロ旅」でのひそかな楽しみの1つでもある。

ノリノリは今年の4/1にリニューアルオープンした1ハンサンマのお店。
名古屋では2ハンサンマが主流なので、1ハンサンマは珍しい。

1ハンサンマと言っても完全先付けではなく、アガリ1ハン
そのおかげで私のような初めての人でもわかりやすい上にトラブルが減る。
なぜならば、「とにかく上がったときに1ハンあればアガることができる」というシンプルなルールだからだ。
バックはもちろん、喰いタンもある。

そしてルール説明を一通り聞いて、一番面白い! と感じたのが…

華牌……いわゆる抜きドラとしてが入っていることである。
これが何を意味するかというと、サンマにも関わらず345・456の三色ができるのだ!

たとえばを抜いた状態で……

 ロン 

こんな綺麗なタンピン三色ができるというわけ。
たしかに今までいろんな抜きドラのお店があった。お店の名前がプリントされていたり、4枚揃えると祝儀が発生したりするルールのお店も多い。

それらと比較してこの発想は飛びぬけている。

なお、三色は役ではなく、イベントとしてルーレットを回し、止まった数字に応じてお店からゲームチップがもらうことができる。

この大きなルーレットを回すというのも、またオシャレではないか。

そうこうしているうちにメンバーワン入りの卓が終わり、案内された。

実戦

ノリノリでは旧式の自動配牌卓を使っているようだ。

私はこのタイプの卓が大好きである。
まず画像のように配牌のうちの12枚だけが上がってきて、これを全員が手元に引くことによって残りの牌山が上がってくる。そこからチョンチョンを取ってゲームがスタートする。

この「間」が絶妙なのだ。
配られた12枚をみて、牌山が上がり、チョンチョンを取る間に前局の結果の整理やこの局の構想を考えることができる。

最新の自動配牌卓だと、一打目を切るまでの時間があまりに短すぎて、雀力向上の妨げになっているとも私は考えている。

そんなことを考えながらとった親の配牌は……

 ドラ

慣れないうちはややこしいが、抜きドラはだけである。
これを右に抜いてリンシャンから1枚補充する。
ツモってきたのは。これで形は決まった。から打ち出す。

 抜きドラ

5巡ほどでテンパイして高めイッツーになる待ちのリーチ!

 抜きドラ

リーチを打った瞬間は何も意識していなかったが、次に……と連続で抜きドラを持ってきた後に気付いた。

 抜きドラ

(これ3pで上がったら345の三色じゃん!)

4人打ちで、イッツーと三色の天秤になることはあるが、まさか同時にテンパイすることができるとは。。
急にワクワクしてきたが、残念ながら次のツモ番を迎えることなく、他家のチートイツに蹴られてしまった。

これが唯一のチャンスだった。
そもそもと抜ける機会が少なく、たまに抜けても三色を作ってアガリ切るまでにはいかない。意外と難易度は高い。
イベントとしてはできそうでできない、よい匙加減だなと思った。

もう1つ。
の1枚にノリノリ牌と言って、白ポッチにあたる牌が入っている。
リーチ一発に限りオールマイティになるだけでなく、裏ドラ表示牌にめくれてもオールマイティになるのだ。

これも意外に出ない。
この日4・5時間打ったのだが、三色もオールマイティも目にすることはなかった。

さて1ハンサンマであるが、やはり1番難しいのは鳴き基準だと思う。
強者に質問したり、夕凪リーグで学んだりしたことは

「基本ポンテンはとる、それ以外は鳴かない」

という部分である。
これには驚いた。私の感覚とは全く逆だからである。

例えば

 ドラ

このような手牌でを打たれたとき。
私ならここまで形がいいと、リーチを目指してスルーしたくなる。

しかし関西サンマでは打点はあとからいくらでもついてくるのでアガリ率が重要。
を打たれたときにロンと言えないことが罪で、ポンテンをとるべきだそうな。

ノリノリでは5が全赤ではなく、2枚ずつなので打点も大事になってくる。
巡目が浅いときに限り、スルーもあるかな……と考えていた。

逆に

これくらい悪いとポンしないとアガれそうにない……と感じてしまうが、これはスルーすべしと強者達は口を揃えて言う。
スルーした方がチートイを含めた有効牌は多く、打点を追いながら安全に手を進めることが大事だそう。

まとめ

ノリノリはオシャレなだけでなく、ルールがとても面白く、そして店内の雰囲気がとてもフランクだったのが印象的だ。
お客さんも常連さんが多いのか、とても楽しく打っているのが伝わってくる。

店員さんに

「何か美味しい飲み物を持ってきて」

と無茶振りしたら

カルピスオレなるものを作ってくれた。
これが甘くてとても美味しかったのですぐにおかわりした。

また、

カウンターのそばに置いてあるカップ麺やお菓子が食べ放題なのもポイント高い。
黒板に書かれている文章を読んでもわかるとおり、とにかく楽しく快適に麻雀を打ってもらおうという店主の気持ちが伝わってくる。

家から近いということもあり、リベンジを兼ねてもう一度行きたいと考えている。
三色も1回はアガりたい。

地元にあったのはサービスの充実した、面白いルールのオシャレな雀荘でした。

【評価】

刺激度 ★★★★
清潔感 ★★★★
サービス★★★★★
オシャレな店内★★★★★

(なお「刺激度」は動くお楽しみチップを元に 新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートルールを★…として表現)

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第二十七回:和歌山県和歌山市「シンバル」

心の隙間 和歌山県

電車に乗り込んだときのふわっとした暖かさが心地よい。
朝の光によって、椅子の毛足がきらきらしている。

わたしは電車で和歌山県に向かっていた。
久しぶりの「ゼロ旅」は、和歌山県唯一の4人打ちフリー雀荘「シンバル」に決まったのだ。

和歌山県か……。
私の記憶が正しければ、これまでに和歌山県には足を踏み入れたことがない。

誰も興味ないかもしれないが、これはzeRoの行ったことある県リストだ。
見ての通り和歌山県は、私の住んでいる愛知県から比較的近いにも関わらず、これまでに通過したことすら無い。なるほど、地図を見ると和歌山県は紀伊半島の先っぽに位置していて通り道にはならない。

今回はそんな心の隙間にひっそりと存在する、和歌山県の良さも伝えていこう。

シンバルのある和歌山市は、大阪から南海電鉄のサザンという特急列車に乗って約1時間で到着する。和歌山市は県の中でも北の方にあり、割とすぐだ。

もっと山道をかいくぐって走るのかと思ったら、割とひらけていたし、住宅街など町並みはそれなりに栄えていた。
和歌山といえば気候の良さだろう。夏は涼しく、冬は温かい。その温暖な気候を活かした、みかんや梅などが有名だろうか。行き交う人々を眺めていたら、あっという間に電車は和歌山市に到着した。

和歌山グルメ グリーンソフト

到着したらまずは腹ごしらえだ。
入ったのは、和歌山では有名なグリーンコーナーというラーメン屋。

「◯◯番のお客様―!」厨房のおばちゃんの声が店内に響く。
一昔前の高速道路のサービスエリアの雰囲気だ。

私が注文したのは「てんかけラーメン」なるもの。天かすが入っていて、とてもシンプルで優しい味なのだが、ぎっとりこてこてのラーメンに慣れてしまった昨今としては、これぞラーメンという、原点を思い出させてくれる一品だ。
名古屋のスガキヤを思い出す。それも今の洗練されたスガキヤではなく、昔の古き良きスガキヤだ。

値段も、最近の日本では考えられないくらい安い。デザートとして、和歌山ではコンビニに入ったら売っているというくらい、ご当地名物の

グリーンソフトを頂いた。
なんと、この抹茶ソフトを食べるために他県からくる人もいるらしい。それくらい隠れた名産なのだ。グリーンコーナーのグリーンソフトは他で食べるものとは違い、きめ細やかで柔らかい。
私はほとんど好き嫌いがなく、実は唯一抹茶だけが苦手と言えば苦手なのだが、このグリーンソフトはあまり抹茶抹茶しておらず、美味しく食べることができた。

まさにアットホーム雀荘 シンバル

お腹を満たしたところで、いよいよシンバルに向かう。
シンバルは和歌山市駅から歩いて20分くらいだろうか。国道沿いにあった。

一見すると、全くもって普通の一軒家だ。
違いは看板があるかどうかでしかない。

ごくごく普通の玄関を開けると……

2階に繋がる階段と、下駄箱があって本当に「家」っぽい。
中では既に

フリーが2卓立っていた。

看板娘がお出迎え。

実戦

早速麻雀を打つことになった。
ルールはごくごく普通の遊びやすい4人打ちルール。

この日は終始調子がよかった。
最初こそダブロンを放銃するなどして飛んでしまったが、その後は2311211と8戦4トップを奪取。

印象的な局があった。

東1局3巡目・南家

 ドラ

私は、この手で上家から出たに反応したのだ。
もちろん狙いはチンイツ。

「10枚チンイツドンジャラ理論」という言葉は有名だろう。
木原浩一プロが考案した1つの基準であり、ようは10枚同じ色があったらチンイツに走って問題ないよ……と、理論という名前の割にはかなりざっくりした内容なのだが。

私はこれを少しだけ細分化して考えている。

3巡目まで→9枚

4巡目~7巡目→10枚

8巡目以降→11枚

つまり早い巡目であれば9枚から発進してもOK!ということだ。
もちろん9枚の繋がりや、他の部分を活かしたメンゼンリーチとの比較によって判断は変わっていくが、上の手牌くらいマンズの並びがよかったらどこからでも仕掛けていくべきだろう。

端にかかるは、すぐにでも鳴けそうだ。実際あっという間に、

   

こんな理想的なテンパイになり、ハネ満をツモった。

アガリを重ねる自分を相手に、全員が楽しそうに麻雀を打っているのが印象的だ。

総評

「アットホーム」

雀荘を紹介するときに、耳にタコができるくらいありふれたフレーズなのだが、この言葉が1番しっくりくるのだから仕方ない。
例えば、今はそうでもないかもしれないが、昔は雀荘に時計は珍しかった。
時計を置くとお客さんの帰ってしまうきっかけをつくってしまうからだ。
シンバルでは……

めちゃくちゃ存在感の大きい時計がある。

5年前。オーナーのSHINさんは、和歌山からわざわざ大阪まで出ていって麻雀を打ったそうで、だったら自分で和歌山にお店を作ったほうがよいのでは……と思ったのがきっかけで開業したのだと言う。
集うようになったお客さんと交流を重ね、いつしか和歌山から4人打ちの灯を消してはいけない……という使命感を強く持つようになった。

その思いが店内からヒシヒシと伝わってくるお店だった。

なお、

ポイントカードによってゲーム券がもらえるし……
今流行りの成績管理もしっかり存在する。お店のHPから見てみると……

しっかり11月のランキングに名前を連ねていた。
名前をクリックすると、

詳細を見ることができる。

お客さんのことを考えて様々な面で試行錯誤するSHINさん。

シンバルで麻雀を打って、グリーンソフトを食べて帰る。
そんな観光名所になってほしいなと思った。

なかなか踏み入れることのない和歌山の地だが、お立ち寄りの際は是非シンバルでの麻雀を楽しんでみてははいかがだろうか。

評価

刺激度 ★★★
清潔感 ★★★★
サービス★★★★
グリーンコーナー★★★★★

(なお「刺激度」は動くお楽しみチップを元に 新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートルールを★…として表現)

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第二十八回:愛知県知立市「東天紅」

学生時代

もう25年ほど前のことだから時効だと思って話そう。

私は高校生の頃から雀荘で麻雀を打っていた。
当時は名古屋にフリー雀荘は少なく、近代麻雀の広告で探したお店に、名古屋駅まで地下鉄を使って通っていたのだ。
若いからといって舐められないよう、とにかく押して押して押しまくっていた。打牌も強かった。イヤな客だったと思う。
成績は上下に大きくブレたが、勝った時はとてつもなく強く見える。

「強いねぇ」

その一言に自尊心は満たされ、根拠のない自信はさらに大きくなっていった。

「頼むから学生服でこないでくれ」

店長にそう言われ、駅のトイレで着替える日もあった。

そんな麻雀漬けのある日、とある若い打ち手をよく見かけるようになった。
当時ハマっていたメロンソーダを飲みながら、カウンター越しに店長に聞いてみる。

「店長、あの人は?」
「ああSくんね。彼も君と同じ高校生だよ」
「ふーん」

もう一度彼の打っている姿を視界に入れる。

『S』は私と真逆のタイプだった。
麻雀にハマっている点は同じだが、Sはおっとりしていて、私のようにギラギラしていない。トップをとってもラスを引いてもあまり感情を表に出さず、牌に触れること自体を楽しんでいるようだった。

(とろくさいやつだな)

若いとしか言いようがないが、私がSに抱いた印象はそんな感じだった。

知立市

前置きが長くなったが、今回向かったのは、知立にある「東天紅」というお店だ。
知立という地域は、名古屋駅から電車で30分以内に行ける、名古屋市から少し離れた場所にある。

皆さんは、地方の雀荘というとどのような店内を想像するだろうか。

・常連ばかり
・マナーに難あり
・清潔感に乏しい

あまりいいイメージを持っていないのでは、と思う。

この「東天紅」も、数年前まではその例外ではなかった。今どき当たり前である「赤牌」もなく、まさに昭和の雀荘という感じだ。
それはそれで常連達の憩いの場として機能していたのだろう。
ただ、一見さんや若い人はどうしても入りにくい空気があったのも事実である。
さらに今打っている常連だけだと、転勤や病気などで客数は減ることはあっても、増えることはない。

そこで、常連さんたちの場所を守りつつも、新しい人や若い人にも安心して楽しめるお店を作り直そう…と立ち上がったのが、冒頭に紹介した『S』である。

東天紅とは

東天紅は名鉄・知立駅から徒歩30秒と、降車してすぐそばにある。
年季の入ったエレベーターで4階に上がると…

ガラス張りのドアが出迎えてくれた。中を開けると

広々とした店内に陽光が差している。

さて店長となった数年前のSは、まず、マナー面の強化から取り掛かった。
先ヅモ禁止、発声を明確に…という当たり前のところから徹底。特にスタッフの動作や言葉遣いなどを指導し、お一人様でも安心して遊べる空気づくりに励んだ。

お次はルールだ。なるべく現代に即したルールに変えていく必要があるわけだが、一気に変えると常連さんたちが対応できなくなってしまう。そこで何年も掛けて少しずつマイナーチェンジを繰り返した。だいぶ落ち着いたと言える現在のルールを紹介しよう。

ルール・システム

東天紅では、ルールとしてはごく普通のありありルールを採用しているのだが、特筆すべきは完全順位制の半荘戦を採用している点だ。これはかなり珍しいのではないだろうか。
点棒とは関係なく、順位で全てが評価される。
天鳳と同じで、100点差であろうとトップはトップなのだ。

また、「55000点コールドでのトップ」「全員を原点(25000点)未満に沈めたトップ」を取ると「プレミアムトップ」となり、通常のトップと比較してかなり大きくなる。
プレミアムという響きが良く、この言葉のチョイスは「やるなS」と思った。

この完全順位戦、やってみるとかなり技術介入度が高いということがわかる。

例えば当日の実戦で、こんな点棒状況になった。

東家 35000 ←(私)
南家 24000
西家 26000
北家 15000

トップ目で迎えたオーラスだ。

私としては南家か西家にマンツモされなければトップが確定する。手牌次第だが、控えめに打つのが吉だろう。そして余裕があるなら26000持ちの西家を24900以下に沈めたい
そうするとプレミアムトップになるからだ。

南家と西家は点差が近いので2着を目指すことも十分に考えられる。安そうな仕掛けだと思ったら差し込むのも手だろう。

北家としては、マンガンツモで3着、ハネ満ツモで2着になるが、気をつけたいのは13002600とか中途半端な点数をツモると西家が沈んでしまい、プレミアムトップとなり支払いポイントが増えてしまうことだ。メンピンドラ1などで裏ドラ期待のリーチはあまりよくないことがわかる。

自分の状況と、他家の思惑を推察し、ベターな選択をしていく過程がとても面白いのだ。

完全順位戦だと、離れたラス目やトップ目はやることがなくなってしまうということが往々にしてあるが、このルールではそのへんはしっかり練り込まれていて、例えばラス目は飛びの回避(飛びにペナルティポイントがある)全員沈み阻止のアガリや差し込み、一発裏ドラのポイント狙い…など、考えることはある。

常時何かしらのイベントを開催しているし、ポイントカードもあり、還元している。

敏腕スタッフの作ったご飯が安価で食べれたりする。

私や「ウザク本」で有名なG・ウザクさんも定期的に顔を出している。

Sの接客

ルールやシステム、イベントを紹介したが、私が1番店のウリだと思っているのはSの接客姿勢だ。

Sは物腰柔らかく、話していて安心感がある。
失礼のないタイミングでお客さんに話しかけ、世間話から始まって、不満や要望などをごく自然に聞き出す。お客さんがお帰りになる際は、送りがてらエレベーターの入り口まで行き、必ずなんらかの交流をする。そしてエレベーターのドアが開くと「ありがとうございました」と、深々と頭を垂れるのだ。

自分にはマネできないな…そう思った。
いや、物理的にはマネできるのだが、私がやるとどうしても「やらされている感」が表に出てしまう気がする。

Sは、もともとたわいもないことを話すのが好きだ。それでいてそんな何気のない会話からもお客さんのことを大切に思っていることがヒシヒシと伝わってくる。
お客さんが話している間は黙って聞いているし、返ってくる答えも優しさに満ち溢れている。
スタッフに対しても厳しさと優しさを使いこなしているし、新規説明はとても丁寧だ。

天職、なのだと思う。
その凄さに気付けなかった学生の頃の私は若かったとしか言いようがない。

25年の時を越えて感じたSの人柄に、懐かしさとリスペクトを感じる。
今はそんな縁があって何かしらの手伝いをしているお店だ。

知立には他にフリー雀荘がなく、うまくやれば独占市場となるのに、思ったようにお客さんは増えず、Sを悩ましている。それでも店長になり始めた数年前と比べたら活気づいてきた方だと思う。
ぜひ、名物店長と、完全順位戦の面白さを体感するために、知立まで足を運んでもらいたい。

オマケ

待合席には、私が寄贈したモニターがある。
これは、どうしても麻雀を打ちながら競馬が見たいMリーグが見たいと思って寄贈したものなのだ!

評価

刺激度 ★★★★
清潔感 ★★★★
サービス★★★★

(なお「刺激度」は動くお楽しみチップを元に 新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートルールを★…として表現)

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第二十一回:大阪府大阪市北区「まぁじゃんくらぶエイト」

私は一時期格闘ゲームに傾倒していた。自分がどの程度の実力なのか知りたい……もっと強い奴と戦ってみたい……そんな欲望を満たすだけのために他地域まで遠征してはゲームセンターを探したものだ。

「俺より強いやつに会いにいく」

フリー雀荘の根底もこの言葉に詰まっていると思う。家庭麻雀やセットだけでは飽き足らず、自分の雀力を誇示するため……そしてまだ見ぬ強者との出会いを楽しみにフリー雀荘に足を運ぶ人は多い。
私がフリー雀荘を巡っているのも、より強い人と打ちたいからだ。特に関西の雀荘は強者がとても多いように感じる。たとえ言葉をかわさなくとも、強者とは牌で会話できる。

(この動きは意外だったろ?)
(効かねぇよ、さぁラウンド2だ)

暇さえあればゲームセンターを駆けずり回っていたころを思い出す。

――この日もそうだった。

JR天満駅を降りて徒歩数分。
今にも泣き出しそうな空に焦っていたが、お目当ての雀荘「エイト」はすぐ見つかり、私はホッと胸を撫で下ろした。

3Fまで上がったエレベーターのドアが開く。

あれ、場所は合っていると思うのだけど、卓が見当たらない。
果たしてここは麻雀屋なのだろうか。

とりあえずスリッパに履き替え、店内を進む。すると…

突き当たって右に卓はあった。
なんじゃこりゃあ! そこいらの雀荘が3つは入りそうな広さである。

「いらっしゃいませー!」

広すぎるおかげで店員さんも今気づいたようだ(笑)

広い待ち席の一角に腰を下ろし、ルール説明を受ける。

一通り聞いたが、これまで打ってきた関西サンマとほとんど変わらない。
珍しいな……と思ったのが、クイタンがあることくらい。

ちょうど説明が終わった頃に卓が欠けたので、すぐに案内された。

「よろしくお願いします!」

いつものように元気よく挨拶をする。

さて、私は初めての雀荘、慣れないルールで打つ時、まず卓内で一番強い人をみつけることからはじめる。その人の打ち筋に注目し、押し引きや立ち回りを学ぶのだ。

そしてその強者はどう探すか?
それは所作や手付きを見ればすぐわかる。
強者は決して「華麗な所作」をしているわけではなく、「無駄のない動作」をしているのだ。

対面の男がまさにそうだった。

最短距離でのツモ動作。そしてルールに最適化された思考を用い、ほとんどノータイムで打牌を選ぶ。
親指で置くように切るのだが、勝つために華麗さはいらない。置くように切れば牌山をこぼすような事もないし、音も静かだ。何より消費カロリーも最小限ですむ。

見た目は不格好だが、マシンのように模打するその男をみて、私は完全にマークを絞った。

実戦

私は、南場の親で仕掛けていた。

  ドラ

ツモってきたを加カンしたところ、新ドラがそのになった。

同巡、をポンしていた対面の手が止まり、小考ののちにそのをツモ切ってきた。
つまりは加カンをしなかった……というわけだ。

(なるほど、カンをしないという事は自信のない手牌……イーシャンテンかな。テンパイだったとしても愚形だろう)

そう考えるのが普通である。

(さぁね)

一瞬対面が目でそう笑ったように見えた。

そして2巡後に上家が切ったに、対面が声をかけた。

 ロン 

(え?!好形?)

牌姿をみて驚いたが、すぐに意図を理解した。
は私の現物である。

好形だけにリンシャン牌を見てみたい気持ちはわかるが、「ランダムのリンシャン牌」「ドラがモロノリした私の現物である河」、どちらがの出現率は高いかは火を見るより明らかだろう。
そして、その河のを捉えるには安全にテンパイを維持しておく必要がある。
リンシャンから危険牌を持ってきたら、勝負にいきづらいし、通ったとしても他家からの警戒度が高まってしまうだろう。

より安全に、より多く河を見る抽選を受ける――
これが自分のアガリ確率を最大限高める選択だと対面は判断したのだ。

簡単なようにみえて、難しい選択だと思った。
単純な押し引きの他に「自分がどうみえているか」を総合的に判断しないといけないからだ。

(やるね)
(当然だろ?)

牌で会話を続けていると、アガリトップのオーラスでこんな手になった。

 ツモ ドラ

ついを切ってしまいそうだが、ツモでピンフのテンパイを逃すのはやってない。打でパンパンに構える。

 ツモ ドラ

何切る?

今度はを切ってもの受け入れが残る。
が正解だ。

 ツモ ドラ

どんどんややこしい形になってくる。
ピンズはの二度受けに、のエントツ形もある受けの広い形になった。
としてソウズの二度受けを払う。
喰いタンのあるルールではのポンに備えるのは重要だろう。

「ロン」

 ロン ドラ

このようにサンマは牌の種類が少ないぶん、流動的に変化する手牌を正確に運用していく必要があり、形に強くなるためのいいトレーニングになる。

まとめ

さて、初回はトップをとれたのだが10回ほど打って、ちょっと負けていただろうか。
しかし、対面との激しい闘いに私はとても満足していた。

何より、店員さんが気さくでとても面白い。
そんな店員さんがご飯をすすめてきたので、日替わり定食を注文した。

オシャレな牛丼だな…と思ったが、これがめちゃくちゃ美味しかった。
味噌汁と漬物もついてきて、立派な定食だ。
なんでもエイトでは厨房担当だけのスタッフがいて、ご飯には相当な自信を持っているらしい。

「ごちそうさまです。いくらですか?」

財布を出そうとしていた自分に店員さんが笑顔で答える。

「フリーを打たれた方は無料なんですよ」

二度、びっくりした。
あまりのおいしさと、それが無料であることに……だ。

更に驚きはこれだけにはとどまらない。日替わり定食、というくらいだから、ある程度の種類のメニューが一週間で繰り返されるものだと思っていたところ、なんと本当に「日替わりメニュー」なのだ! すなわち、毎日毎日料理が違うということ。

一部であるが、その料理の写真を以下に並べていく。

美味しいご飯で腹を満たし、大満足でエイトを後にしたのだった。

評価

刺激度 ★★★★
清潔感 ★★★★★(広い!)
サービス★★★★
無料ご飯の美味しさ!★★★★★

(なお「刺激度」は動くお楽しみチップを元に 新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートルールを★…として表現)

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第二十五回:大阪府茨木市「フリー麻雀 ダブルフェイス 茨木店」

関西のカリスマに迫る

日本プロ麻雀協会でAKB48さながらの総選挙が行われているのをご存じだろうか。

その総選挙、2018年度の1位は、

関西の米崎奈棋プロである。
米崎プロは他にランクインしている水口プロや水瀬姉妹のようにタイトルをたくさん獲っているわけでもなく、むしろ配信対局で見かける機会もほとんどない。
だからこそ、協会のスター女流を抑えて1位に輝いたことは、とても異質な出来事だったのではないか……と、感じる。

人は彼女のどこに惹きつけられるのだろうか……?
私は、米崎プロの魅力を探るべく、夕凪リーグの参加を表明した。

夕凪リーグとは

夕凪リーグとは、米崎プロが主催するノーレートのリーグ戦の総称だ。
夕凪リーグは1シーズン12節、1節3回戦、全36回戦を行う。
成績管理を行い、ランキングやレーティングなどの詳細をHPから閲覧することができる。

またリーグ戦だけではなく、大会前に勉強会があり、さらに大会後には米崎プロと一緒に打てるフリー対局も開催している。
初めての方の参加費は2000円。
大会だけでなく、前後にもこれだけいろいろな企画があるので、かなりお値打ちと言えるだろう。

私は会場である茨木のダブルフェイスに向かった。
ダブルフェイスは茨木駅から徒歩2分という近さ。
JRの茨木駅ではなく、阪急の茨木駅だということに注意されたし。
注意されたし……って偉そうに言っているが、自分が間違えたのは内緒にしてほしい(笑)

「あれ……?」
グーグルマップを開いて異変に気付いた私は、慌ててタクシーを止め、ダブルフェイスに向かったのだった。
「あ、運転手さん、ここです!」

……なんとか間に合ったようだ。
急いで3Fの会場に入ると、ほとんどの参加者が揃っていて、米崎プロはその中心にいた。

「今日はよろしくおねがいします」

米崎プロと挨拶を交わしての第一印象は、おっとりしていて周りの空気を和らげる雰囲気を持っている人なんだな……と思った。
そんな米崎プロの影響か、この会場には、リーグ戦開始前にありがちな殺伐感が一切なく、参加者は全員笑顔で談笑していた。

勉強会

まずは勉強会がはじまった。
参加者は15人前後。
米崎プロだけでは大変ということで、ダブルフェイスの敏腕スタッフも講師として加わり、徹底指導してくれる。

座ってまず違和感を覚えた。

指をさす私にスタッフが笑顔でこたえる。

「……ZEROさん、夕凪リーグはサンマですよ」

ええええ!!!(笑)
ここでダブルフェイスは関西サンマのお店だということ、夕凪リーグも勉強会も全て関西サンマだということを知った。

自分の勝手な思い違いに少々面食らってしまったが、前々から強くなりたいと思っていた関西サンマを勉強できるなんてちょうどいい……と思い直した。
「ゼロ旅」のコアなファン(いるのか?(笑))ならご存じかもしれないが、当企画のヨンマの勝ちっぷりと比較して、サンマの成績はすこぶる悪いのだ。

4人打ちは勉強しようと思ったときに、いくらでも書籍や動画などが巷に溢れていて、困ることはない。(特に「ゼロ秒思考の麻雀」なんかがおススメだ)
しかしサンマはそうはいかない。ルールも店によって大きく違うので、なかなか1つの戦術を確立して世に出すことは難しい。サンマは実際に打って、感じて、独学で磨いていくしか上達の道はないのだ。
そういった現状で、他の人の意見を聞くことのできるサンマの勉強会は本当に貴重だと思う。貴重というか、他に類を見ないのではないか……?

「これって役牌出たらポンしますかね?」
「一打目はでよかったですかね?」

私は、ここぞとばかりに普段から疑問に思っていたことを、講師の方や強そうな参加者に質問した。

なお、これは米崎プロが撮ってくれた、私の対局動画だ。

2巡目。

から、リーチのみ(ダブルフェイスでは倍満扱い)のルートを残して打がよかったのでは? という指摘や

5巡目。

 

から、ホンイツトイトイに向かう打ではなく、チンイツ一直線の打の方がよかったのでは? という議論がかわされた。

繰り返しになるが、関西サンマをここまで細かく他人と検討し合う機会が今までなかった。
講師の方も、相手の意見を尊重しつつ、とても丁寧に、そして優しく教えてくれている。
私もたくさん関西サンマを打ってきたが、地元の方の打数と比べると何十倍という単位で経験値が違うだろう。非常に勉強になった。

……ただ、周りの雰囲気をみてみると、私のようにガチでサンマを学びに来ている人は少ないようだ。
どちらかというと、楽しむことを前提にワイワイやっている人が多い。

お、あちらの卓で、とある男性が米崎プロに優しくミスを指摘されている。

米崎プロ「受け入れが少し増えるのでこちらを切った方が良いかもしれませんね」

男性「そうかーたはーw」

何やら男性はかなり嬉しそうだ。
なるほど……米崎プロに怒られるのが嬉しいという、特殊な性癖を持っているのかもしれないな……(笑)

米崎プロはほんわかした空気間を持ちつつ、時にはズバっと意見を言ったり、時には柳のように受け流したりしながら場の雰囲気をコントロールしているように感じた。
文章で表すのは難しいが、参加者全員に分け隔てなく笑顔で接する米崎プロを見て、なんとなく関西を席巻する彼女の魅力が伝わってきたような気がした。

リーグ戦

さて勉強会が終わり、いよいよリーグ戦が始まった。
リーグ戦は同じメンツで3半荘を行う。

抽選で米崎さんと同卓した男性はやはり嬉しそうだ。

リーグ戦が始まっても、和やかな雰囲気は続く。

そんな中、私は空気を読まず真剣に打った。

「ツモ!トッパンです!」

 ツモ

四暗刻をテンパイするか、を持ってきたらカンをしようとしたら、4枚使いチートイツをツモってしまったのだ。
こんな倍満をアガるなどして、私はこのリーグ戦で3連勝し、準優勝することができた。

その後は有志によるフリー対局が始まったが、私はココでおいとますることにした。

感想

勉強会やリーグ戦……と聞くと堅苦しいイメージを持ってしまう方も多いかもしれないが、夕凪リーグはどちらかというと交流会に近く、気軽に参加できる雰囲気がある。
これは主催者である米崎プロの持つ空気の影響だろう。
サンマというのは基本的にはバチバチ勝負するものであって、こうして手を開けたり他の人と話したりしながら打つ経験は他にはない。

それでいて講師の方の指摘は本格的で丁寧であり、私のようなガチ勢も勉強になり、非常に満足のいくリーグ戦&勉強会だった。
サンマの鳴き基準に関する数枚のプリントもいただいた。

私がどれだけ文章を重ねても、実際に会ってみないと米崎プロの魅力を伝えきることはできないだろう。
さきほど紹介した通り、初回は2000円と格安で参加できるので、興味を持たれた方は是非HPより参加を検討してみてはいかがだろうか。

【評価】

刺激度 ★
清潔感 ★★★★
勉強会 ★★★★★
米崎プロの空気感★★★★★

(なお「刺激度」は動くお楽しみチップを元に 新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートルールを★…として表現)

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遥か頂

私の趣味の1つに登山がある。

遥か先に見える頂上へたどり着くためには、目の前の一歩一歩を積み重ねていかなければいけない点が麻雀に通ずるものがある……と、登りながらよく感じる。
名古屋からだと、三重県にある鈴鹿山脈が非常にアクセス良く、季節問わずよく登りにいった。有名なのはロープウェイもある御在所岳だろう。

実は、本日行く雀荘は、そんな鈴鹿山脈のお膝元にある。

名古屋から伊勢湾岸道路をひたすら西に走ると、30分もかからないうちに四日市のインターに着く。登山の日にはまだ夜が明けていない暗い時間に、頂上の景色やその後の温泉を楽しみにしながらこの道を飛ばしていったものだ。(安全運転)

そんなことを思い出しながら、四日市の駅前に着いた。

お店が用意してくれている近くの無料駐車場に車を停め、アーケードの中に一歩踏み入れる。

するとすぐに見つかった。

おしゃれなバーを思わせるような開けた階段を上り、ドアを開くと…

入店

「いらっしゃいませ!」

フリーが3卓回っており、元気な店員さんの声に迎えられた。
空いている卓に腰掛け、まずはサービスだという1本目のドリンクを注文する。

無難にお茶を注文。
そして店員さんから丁寧なルールやシステムの説明を受けたのだが、あまりにもいろいろ書きたいことが多い。長くならないようにざっくりと解説しよう。

まずはルール。
「クランキー」は中部地方では数少ない「条件付き東南戦」が楽しめるお店だ。
系列店の「やん」「条件付き東南戦」だが、あちらはシステムが非常にソフト。そしてここ「クランキー」新宿ルールに非常に近い。システムに差をつけることによって、お客さんに棲み分けしてもらおうという意図が伺える。

特殊なのは

特殊牌たちだ。
が入っていて、ドラ扱いで鳴いてもボーナスポイントの対象になる。
全部5じゃないので、マンズは下を大事にしたり、ソウズは上を大事にしたり……と、慣れるまで対応が大変そう。さらにが入っており、こちらは赤牌に比べて、ボーナスポイントが倍になる。
白ポッチはリーチ後にツモればオールマイティ。一発じゃなくてもいい。

の位置こそ違えど、新宿さながらのバチバチとした戦いが想像できる。

続いてシステムやサービス。

まず

トップや来店などでポイントを競う月間レース的なもの。
そして

賞金首イベント。
メンバーに挑戦を挑み、勝つとポイントがもらえるというもの。
挑戦する回数を選べたり、強いメンバーほど賞品が豪華だったりと、内容が凝っていて面白い。

そして特筆すべきなのは……


天鳳の段位戦と全く同じシステムで、ポイント評価されること。
お店で成績を管理して、成績上位者にはご褒美がある。

画像のように短期でのイベントも行っているのだ。

その他にも……

女流プロを定期的にゲストとして呼んだり……と、まぁとにかくいろいろやっている。

多彩なルールとシステムの紹介だけで終わってしまいそうな勢いだが、一応実戦レポートも記しておこう(笑)

実戦

この日は私の来店に合わせてか、『終日ゲーム代半額』という大赤字覚悟のイベントが行われていた。そして多くのお客さんで賑わっていた。
私はその中をあちこち移動させてもらって打ったのだが、終始調子が良かったと思う。

慣れるまでは大変と思っていた特殊牌も、マンズの下だけケアしておけばよい、と途中で気付いた。

まずピンズはいつもの感覚でOK。
ソウズはと、上下に分かれているので強く意識しなくてもOK。
マンズはだけなので、そこだけケア……という意識だ。

さて、実戦で印象的だったのが、マンガンをツモればトップになれる……というオーラス。
私は7巡目に

 ドラ

こんな手牌を迎えていた。
のイーシャンテンで、チャンス手だ。

ここへ、ふっとをツモってきた。

 ツモ ドラ

手拍子でを切ろうとしたが、ふと手が止まった。

(待てよ…これはウザク本などでよく見る牌姿じゃないか?)

もちろん受け入れ枚数としては打が一番広い。
しかしツモのペンリーチはいかにも苦しい。
の受け入れを消去すると、という選択肢が浮上してくる。

はツモやツモが機能している点が盲点となりがちだが、 受け入れ枚数も五分。
タンヤオが付加される可能性が高く、この状況下では一番手の選択と言えよう。

あまりお目にかからない牌姿なので、これでいいのか? という確認もした上で私はを切った。

すぐにをツモってきてリーチ。

 ツモ ドラ

一発でをツモり、逆転に成功した。

条件付き東南戦だと、僅差のオーラス など、痺れる局面を味わう頻度が通常の東南戦より多いので、かなり疲れてしまう。
その分充実度が高い、とも言えよう。

そんな疲れが出てしまったのか、終盤は牌を見落としたり、鳴くべき牌に声が出なかったり……と、非常に情けない麻雀になってしまった。
前半の貯金を崩す形で、ギリギリプラスで実戦を終了した。

感想

何度も他の「条件付き東南戦」のお店に行ったことがあるが、クランキーほど和やかなお店はないのではないか……と思った。メンバーやお客さん同士の会話も多く、それでいてマナー面でしっかりしていた。
「ワイワイ」「キッチリ」のバランスが、フリー麻雀荘の永遠の課題だと言えるが、クランキーはそのへんのバランスがきっちりしている印象だ。

多彩なイベントや成績管理などを含めて、通いたくなる仕掛けを常に考えているお店の努力を感じた。

また貸し卓も1卓1000円とお値打ちで、さらに1卓1300円で落ち着いて打てる個室も用意されている。

帰りの車の中、疲れてミスを頻発させてしまったことを振り返りながら、やはり一歩一歩の歩みが大事なんだな……と登山の帰りと重ねながら気を引き締めたのであった。

評価

刺激度 ★★★★★
清潔感 ★★★★
サービス★★★★★
熱くて楽しい空間!★★★★★

(なお「刺激度」は動くお楽しみチップを元に 新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートルールを★…として表現)

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ifの世界

時おり考えること。
もしもこの世に麻雀というゲームが無かったら……。

「いうて、何かしら別の趣味に打ち込んで、大して変わらない人生を送っていると思うよ」

あなたは笑ってそう答えるだろうか。

この命題は、語っても意味のない「たられば」なのかもしれない。

来訪

今日行く雀荘は、これまでレポートしてきた店と違い、駅前10秒! という近さにはない。最寄り駅から20分くらい歩いた、少し遠いところにある。
夕暮れの街を歩きだす。
重い荷物を持っていたからか、しばらくすると、足の裏は熱くなり、呼吸は激しくなってくる。ダイエット中の身としては、ちょうどいいかもしれないな。
お腹をさすりながら歩いていると、お目当ての「麻雀ナイス」の看板が見つかった。

「いらっしゃいませー」

ドアを開けると女性の方から声を掛けられる。
中を見ると、貸し卓が2、3卓立っていたが、フリーはまだ立っていないらしい。
もう1人くるまで待つ運びになった。
少し疲れていたのでゆっくりしたいところだった。アイスブラックを頼んで、ルール説明をしてもらったあと、目を閉じてまどろみの世界に身を投じた。

実戦

1時間くらい経っただろうか、ドアを開ける音で目が覚めた。
若いお客さんと、会社帰りであろうスーツ姿のサラリーマン風のお客さんが来店したのだ。
こうしてメンバー1入りで卓が立つ運びになった。
私の起家スタートで始まったのだが、私が配牌を並べている間にまた1人お客さんがやってきて、座っているメンバーに「代走でよろしくー」と声を掛けた。

なるほど、ナイスはこの時間から人が集まってくるらしい。
貸し卓のお客さんも次々と集まってくる。

ナイスの特筆すべき点は、システムが非常にソフトかつマイルドであることだ。
以前足を運んだ龍馬くんのノーマルルールを「10」とすると、「2」くらいで、正直、ここまで優しいシステムで打つのは、高校生の時の家族麻雀以来だ。
ルールも、オーソドックスなアリアリルールの東南戦。
マナーに関しては最初に厳しく説明されたものの、やはりそのマイルドなシステムのおかげか、談笑を交えながらとても和やな雰囲気で対局は進んでいく。

高校時代を思い出したわけではないが、ナイスの雰囲気に、とても懐かしいものを感じた。
あの頃は、ただ牌を握っているだけで楽しかった。そのときに感じた楽しさは、20年以上経った今でも継続し、色あせることなく麻雀は生活に溶け込んでいる。
「たられば」の世界の自分は、麻雀以外にここまで打ち込める趣味をみつけることができるだろうか。麻雀の無い世界……考えただけでもゾッとする。

オーラスを迎えて、私は22000点持ちのラス目だった。
マンガンツモで2着、跳満をツモればトップになることができる。

そんな状況で手牌はこのようになっていた。

 ツモ ドラ

ピンズのリャンカンが埋まり、手拍子でを切ろうとしたときだ。
ハタと手が止まった。
この手牌、イッツーがあるな……しかし、はドラそばで345の三色もあるので切れない。
1000点でもアガれば一応3着にはなれる。

ふと顔を上げると、サラリーマンも若者も、高校時代の私のように、牌に触れるだけで楽しくて仕方ないような表情を浮かべている。

そうだよな、いつしか楽しむ余裕がなくなっていたのかもな。
私は切ろうとしたを手に戻し、堂々とを場に放った。

 ドラ

リャンメンターツを払ってのリャンシャンテン戻しである。
トップにオカのつくルールなら、これくらい大振りにトップを狙っていった方がよい。

次にをツモり、三色よし、イッツーよし、のゴールデンイーシャンテンになった。

 ドラ

2着目からリーチが入ったところで、私もをツモってテンパイ。迷わずに追っかけリーチを打つ。

 ドラ

山に手を伸ばし、一発のツモを見る。

――どこまでいくか。

【まとめ】

麻雀ナイスは、駅からは少し歩くし、特に目立ったルールやサービスがあるわけではない。
しかし、徹底したマナーと業界最安値と思われるシステムにより、フリーデビューにはもってこいの雀荘と言えるだろう。

この日、私は麻雀が無ければ、会うことすらなかったであろう人と、ほんのひとときだが牌で会話をし、そして一発でツモったに興奮を覚えた。
たとえシステムがソフトだろうとマイルドと、麻雀の魅力は1mmたりとも落ちることはない。

もし麻雀というゲームが無かったら……
私にとってはこの世界はただただ生きるために生きる、無機質な空間だったのだろうと確信する。

【評価】

刺激度 ★
清潔感 ★★
サービス★★★
業界最安値で麻雀の魅力を堪能!★★★★★★★
(なお「刺激度」は動くお楽しみチップを元に 新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートルールを★…として表現)

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麻雀WELCOME 柏店

Mリーグが始まり、芸能人やアイドル……といった著名な方たちが、続々と麻雀に興味を持つようになってきた。
いや、興味は以前より持っていたはずだが、「タバコ・酒・ギャンブル」といった麻雀の持つ負のイメージが有名人にとってはマイナスであった。事務所から止められていたり、自主的に遠ざけていたりしたのだろう。
Mリーグのおかげでそのイメージは払しょくされつつある。もともと至高のゲーム性を持つ麻雀は、今後芋づる式に輪を広げ、近いうちにビッグバンを起こすかもしれない。

……そんな麻雀ブームの予感を覚える中、私は千葉県の柏駅にいた。
創業25年、関東を中心に17店舗を構えるマンモスチェーン店「ウェルカム」人気の秘密を探るためにここにきたのだ。

ウェルカム柏店は駅前にあった。
調べてみるとウェルカムはどの店舗も駅前に位置している。

どの土地へ行ってもアクセスはよく、いつもと同じ雰囲気・ルールで打てるので安心感があるのだろう。

入店

柏駅を降りてすぐに赤い看板がみつかった。

エレベーターで7階にあがり、店内に入ってびっくりした。
この日は土曜日だったが、まだ昼過ぎの時間帯である。

フリーと貸し卓のお客さんで店内はとても賑わっていたのだ。お客さんが多いとは聞いていたが、これほどまでとは。

「いらっしゃいませ! zeRoさんですね!」

写真左に映っている店員さんに声を掛けられ、待ち席に腰を下ろす。
私もフリー雀荘の店員を長年やっていたのでわかるが、普通満卓近くになったら頭がテンパるものだ。

カップ焼きそばの注文が入り、忙しい中作って持っていくと、その匂いに釣られて「あ俺もやきそば」と追加注文、それを持っていくと「あ俺も!」と延々と続く、恐怖の「焼きそばラッシュ」
ワン掛けとともに「じゃあ俺もやめるわ」という「ラス半連鎖」
そういったお客さんを接客しつつ、卓に入るとなると、いよいよ麻雀にはならない。
私はメンバーをやって、麻雀そのものが嫌いになってしまった……。

詳しくはZERO本(「ゼロ秒思考の麻雀」「麻雀強者の0秒思考」)に書いてあるのでぜひお手に取ってみてほしい。

しかしこの明るい店員さんは慣れているのか、過去の私と違ってどこか余裕があり、お客さんたちと会話をしながらお店を盛り上げていた。それでいてドリンクの注文やラストをそつなく捌き、見事なまでに店を回していた。

そのときの私はというと、店員さんの姿に感心しつつも、なるべく迷惑をかけないように、ルール表に目を通していた。

ごく普通のアリアリルール東南戦のようだ。
赤5が1枚ずつ、テンパイ連荘……など、奇抜な部分は全くない。
箱下計算がない点が、初心者にやさしいと言えるくらいか。

実戦

ルールを把握したところで私を待っていたというお客さんと卓を立てる運びになった。

卓に付いてすぐ、スマホの充電が少なくなっていることに気付いたが、柏店では全席打ちながらその卓で充電できる。

今どき、めずらしくもないサービスかもしれないが、本当に便利になったなぁと時代の流れを痛感する。

さて開局の親でのこと。

 ドラ

5巡目、ドラがアンコのチャンス手。
通常、ドラが3枚の役なしテンパイはリーチの一手だ。
私もリーチの声が出かけたが、ハッと思い出した。

(Mリーグで鈴木たろうプロが似たような手をしていたなぁ)

この手、リーチを打っても期待値(局収支)は大幅にプラスだろう。
しかし麻雀は選択と選択の比較、その連続である。

どうしてもアガリたいこの手牌、リーチを打って周りを牽制しつつ、ツモ抽選を増やす。
それも一策だ。こちらがドラを固めている以上、相手の手の平均ドラ保有枚数は少なく、押し返してくる可能性は通常より低いといえる。ただ、アガリまであるかは微妙なところだ。はおいそれと出てくる牌ではない。よく見たらがアンコなので、を引いてきて「後ひっかけ」になる……というケースもなくなるわけだ。

ではテンパイ外しの選択はどうだろう。手替わりの枚数はそこまで多くないが、ポンしてに構えられるのが大きい。アガリまで考えるなら……

リーチのリまで出かけた声を飲み込んで、マンズの下を誰も切っていないことを確認し、私は静かにを打った。
次にを引きこの形に。

 ドラ

これで盤石の構えになった。
瞬間の受け入れ枚数はそこまで多くないが、といった「二次有効牌」まで考慮に入れるとそこそこの変化量だと言えよう。
「二次有効牌」とは、直接的な変化ではなく、その牌によってさらに変化が広がる牌のことである。
完成メンツが真ん中に寄っているほど二次有効牌の量や質はよくなる。
例:>>

真ん中によっているほどリャンメン・三面チャンができやすいからだ。
また、連続メンツはもっと強くなる。
例:など

すぐにを引いてリーチ。一発でツモって6000オールになった。

 ツモ ドラ

Mリーグの観戦記を担当して、一流プロ達の麻雀を見る機会が増え、こうやって多くのプロ達から技術を学んでいる。引き出しが増えすぎて逆に弱くなってしまうケースもあるが、私はうまいこと自分の麻雀に取り入れられていると思う。

お客さんたちとなごやかに話しながら局は進んでいった。
南場に入って、私は6000オール以降手が入らず、周りのアガリを許し、ジリジリと点棒を削られていた。

ギリギリトップ目で迎えた南3局、ほとんど差のないライバルからリーチが入った。
私の手牌は劣勢で、オリざるを得ない展開だったのだが、終盤にイーシャンテンになっていた。

 ドラ

安全牌はしかなかったが、残り2巡というところまできていたのでこの局は凌げると思っていた。そこへリーチをかけている上家がをツモ切り。

かくしてまた私の手が止まった。

をチーしてを切ればテンパイ。は端っこなので通りやすい部類だろう。あと2巡ならテンパイを取る価値はあるともいえる。何せ上家とはテンパイノーテンでまくられてしまうほどの差だ。ただ、放銃してしまっては致命傷になってしまうかもしれない。

チーしてテンパイをとるかスルーして我慢をするか……

険しい顔をして考えていると……

「対局中ですが、おやつはいかがですか~!」

先ほどの店員さんが、チョコレートなどの甘いものを無料で配っていた。
何やらウェルカム恒例のサービスらしい。
麻雀はひたすら頭を使うので、甘いものは本当に身に…いや脳にしみる。
こういった細かな気配りが人気の秘密なのかもしれない。

「1ついただこうか」

と偉そうに言いつつ、一掴み持っていき、そのうちの1つを口に投げ入れる。
チョコの甘さが口に広がり、脳の緊張が和らいでいくような感覚を覚えた。

再び局面に目を落としたとき、ふっと閃いた。

(朝倉康心プロならこうするハズだよな)

チー
そして打

リスクはとらず、それでいて確実に形式テンパイに前進する選択!

 

私は物事を〇か×でとらえがちな節があるので、こういった中庸的な選択は思考外に追いやられやすい。
次に上家から打たれたをチーし、テンパイにこぎつけた。

結果的にこのケーテンで守った点棒が功を奏し、トップを守り切ることができた。

そしてその後もほどほどに調子よく、楽しい時間を過ごさせていただき、実戦は終了した。
その間も店内は賑わっていて、それを決して多くはない人数で捌く店員さんに感心しっぱなしだった。

ウェルカムはどこの駅前にもあるという立地の安心感の他、ルール説明がしっかりしており、基本的なマナーも教えてくれる。ゲーム代も安く、多彩な割引サービスもあり、初めてフリーデビューするという人にぴったりだろう。(特に学生さんはフリーも貸し卓も激安!!)
お客さんも新規に慣れているのか優しそうな人が多いなといった印象だ。
さすが雀荘デビュー3万名以上の実績! といったところだ。

マーチャオグループと統合し、共通のポイントカードや成績管理システムを導入している点も通いたくなる要素だと思う。

Mリーグが麻雀界の裾野を広げていることは間違いないが、ウェルカムやマーチャオのように長年麻雀デビューの若者たちを支えてきた街の雀荘の功績は忘れてはならないし、今後も麻雀を覚えたばかりの初心者をとりこむためにも重要なポジションになることも同様に間違いないと言えるのではないだろうか。

大満足のウェルカム柏店での実戦だった。

評価

刺激度 ★★★
清潔感 ★★★★
サービス★★★★
チョコレートの多幸感★★★★★

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zeRoの麻雀ひとり旅

第二十回:東京都港区「麻雀 龍馬くん」

 街は一段と冷え込み、今年も忘年会・新年会……のシーズンがやってきた。
 私も古くからの付き合いの場に顔を出すことになっているが、実は今さらながら気が重い。
 
かつては一緒に卓を囲み、

「どの店では誰が一番強いか」だの
「この仕掛けはどこまでケアすべきか」だの

他愛もない話を交えながら麻雀を打ってきた仲間。しかし時は流れ、話題のほとんどは家族や仕事の話に変わっている。鬼嫁自慢をしたり、子供の写真を見せ合ったり、年収を推測し合ったり……決して疎外感を覚えるわけではないが、私が……私だけが、無心で牌とじゃれあっていたあの頃と何も変わらず、取り残されているような寂しさを覚える。

私の人生は、彼らのように何か1つでも積み上げることができたのであろうか。

迷える私は新橋の駅に降り立っていた。
新橋と言えば、東京にさほど詳しくない私でも「ビジネスマンの街」ということくらいは知っている。
山手線・新橋駅から徒歩数分、本日お目当てのお店、「麻雀 龍馬くん」はあった。

看板の一番上にあるとおり、龍馬くんは9階にある。入店したら、平日だというのに仕事終わりのサラリーマンで賑わっていた。フリーは2卓で、あとはセットがたくさん。いかにもビジネスマンの街という感じではないか。

ルール説明を受けながら、ふと感じる。
ビジネスマンの街というとどこか無機質でドライな印象があるが、なぜかここ龍馬くんには温かみを感じる。

その理由は優しい口調の店員さんからきているのか、それとも壁に貼られている



多くのイベント、

そしてカップ麺サービス(これは嬉しい!)というところからきているのだろうか。

 ともあれルール説明は終わった。龍馬くんは関東では珍しい、3人打ちのお店だ。

・1ハン縛り
・華牌を4枚
・5が全赤

9m9p9sに1枚ずつ青牌が入っていて、これが祝儀対象になる。
いわゆる関西サンマだ。
……関西サンマと言えば、この「ゼロ旅」では負け続けている……鬼門だ。

龍馬くんでは1000点50龍馬のソフトルールと、1000点100龍馬のノーマルルールの二つのシステムが存在する。

例によって身の程をしらない私は100龍馬のノーマルルールを所望した。
牌に全てを捧げてきた自分が、麻雀でも勝てなくなってしまったら何も残らないではないか! そう思い卓に着く。

卓に着いた瞬間、何か違和感を覚えた。画像をみてわかる人がいるだろうか?

まず……

これ、関東の人には馴染みがないかもしれないが、関西ではよくみる「ゴッドハンド」というマシーンだ。これが大変な優れモノで、牌が上がってきたら自動で山を前に出してくれる。値段は想像がつかないが、仮に5万円だったとしても導入すべきだと思える。設置やシステムは非常に簡単でシンプル。打っている人は快適だし、従業員の負担も減る。(毎回従業員が前に出しにくるお店もある)
「ゴッドハンド」という大袈裟な名前に負けていないくらいの逸品だと思う。

しかし、違和感の正体は「ゴッドハンド」ではない。

実はなんと、親と東場南場を示す
「起家マーク」がないのだ!

なぜないのかを聞こうと思ったが、いやたしかに今どきの全自動卓には最初にセットすれば起家はわかる。ご丁寧に「南場に入ります」とアナウンスしてくれる卓も多い。よくよく考えると必要性を感じないし、実際に打ってみて不便なことは一切なかった。
とはいえ、一局清算のお店を除き、起家マークの無い店なんて他にあるだろうか?
コロンブスの卵(誰にもできそうなことでも最初に実行することは難しい、という意味)とはまさにこのこと。かなり衝撃的だった。

実戦

さて、座ってすぐに2着→トップで気分よく迎えた3戦目の親での手牌。
3巡目にこんな手になっていた。

 ドラ

既にテンパイ。手替わりを待ってダマに構えていてもなかなか有効牌が引けない。
そうこうしていると南家がをポン。そして私がツモってきたのは、これを暗カン。

  ドラ

不要牌をツモ切ったあと、仕掛けている南家がを手出しして、をポンしてを切った。
ちょっと状況がわかりにくくなってしまったので、南家の仕掛けをみていくと、

   

 
こうなっている。
龍馬くんは後付けありだから、トイトイとは限らない。
直後に私がツモってきたのはだった。

  ツモ ドラ

をきるか、を切るか、はたまたを切るか。

ふと、南家が最後に仕掛けを入れる前に切ったを思い出した。

に暗カンが入った後にからを切るだろうか。他がトイトイ系だけにそれはなさそうだ。

が当たるとすればからの切りだが、自分がを2枚持っていることから、

それよりはからを切った可能性の方が高い……。

そう思って私はを勝負した。

すぐに南家がドラのをツモりあげた。

    ドラ

アガられてしまったものの、この日は終始自分のペースで打つことができ、快勝に終わった。関西サンマでは本当に久しぶりの勝利である。

読みを入れてを押しても、麻雀だからこうやって報われないことは多々ある。
私が積み上げてきたものはその程度のものだ。
同年代の人たちと話が合わないのは寂しいが、私は私の人生に後悔は一切していないし、何より今が一番楽しい。無理に周りに合わせる必要もないかな……そう思って新年会の出席をキャンセルした。

さて、龍馬くんだが、さきほど紹介したように打数によるランキングでのポイントバックをはじめ、各種紹介しきれないくらいのイベントを多数行っている。

私は新規ということで、次回以降の来店毎に使えるゲーム券をもらった。

私の感じた「温かみ」の正体は、きめ細やかなサービスと、店員さんたちの人柄、そして起家マークを無くしたりゴッドハンドを導入するなど、お客さんが快適に打てる環境を考え続けるそのお店の姿勢にあると思った。

新橋のイメージが変わったな……そう思って店を後にしたのだった。

評価

刺激度 ★★★★
清潔感 ★★★★
サービス★★★★★
快適に関西サンマを楽しめる!!★★★★★

(なお「刺激度」は動くお楽しみチップを元に 新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートルールを★…として表現)

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zeRoの麻雀ひとり旅

第十九回:大阪府大阪市中央区「麻雀ハウス ポン太 千日前店」

気が付けばもう2018年の年の瀬。
年初にあれやこれやと目標を立てたのが、まるで昨日のことのようだ。
いや、昨日のことはさすがに言い過ぎだが、歳を重ねるごとに1年を短く感じるというのは科学的に立証されているらしい。10年の中の1年と、40年の中の1年では記憶の中で占める1年の割合が違うからだろう。

それにしても今年は麻雀の調子がイマイチな1年だった。その中でも特に「関西サンマ」の成績は散々である。最初はただの下振れだと思っていたが、ここまで悪いとさすがにどこかまずいプレイがあるんだろうな……と感じる。
今日は関西サンマの攻略を考えながら打っていこうと思う。
本日向かったのは、ポン太千日前店
難波駅を降りて徒歩3分。

なんばグランド花月の対面に看板があったので、すぐ見つけることができた。
「対面」という言葉を自然に使うのが麻雀打ちのサガと言えよう。

看板によると無料の駐車場もあるらしい。
エレベーターで4階まで上がる。

週末の夕方ということもあり、店内は多くのお客さんで賑わっていた。

「いらっしゃいませー!」

キレイな女性スタッフが迎えてくれる。
ポンタ天満店とルールは同じらしく、ルール説明はなし。

「何かわからないことがあったら、なんでもお気軽に…男性スタッフにおたずねください」

「君じゃないんかい!」
「私まだ麻雀わからなくて……(笑)」

大阪ということもあってか、しっかり突っ込んでしまった。
すぐにラストがかかり、案内される。

【実戦】

「ポン」

打たれたに反射的に声を出した。

 ドラ

……これか。これがあんまりよくないのかな。
関西サンマは速度が全てと思っていて、ほとんどの役牌は1鳴きしていた。
チートイやリーチもみて、もう少し整ってから鳴いた方がいいのだろうか。
迷いを見透かすように親からリーチが入る。
安牌がなかったので1枚切れているをツモ切ったらこれが御用。
リーチ一発チートイドラドラの18000を放銃とあいなった。

こうして最初の半荘はいいところなく飛んでしまった。
今日も苦しい戦いになりそうだ。

次の半荘だった。

 ドラ

この手牌でが出る。

「――ッ!」

ポンの声が喉のそこまで出かかったが、試しに飲み込んでみた。
今までとは違う世界がそこにあるのか。
手を伸ばした先にはがあった。を切る。

 ドラ

たしかに、を鳴かなくても1手進む有効牌はかなり多い
を鳴いて危険になるよりもこちらの方が安定するのかもしれない。

そうこうしているうちにまたしても親からリーチが入る。ツモってきたのは

 ツモ ドラ

が通っていなかったのでを切る。
そしていよいよをツモってきた。元気よくを並べてのリーチ!

 ドラ

一発でツモってきたのは……! だった。入り目は二度いらない。

「ロン、18000」

結果は同じだったが、今回は一切の悔いはない。
その後、何度かトップを取ることができたが、この最初の2半荘の負債が取り戻せず、負け越しで終わった。

またしても負けてしまったが、今回は少し手ごたえを感じることができた。

やはり関西サンマにおいてキーポイントになるのは役牌の扱いだ。
アガリまで遠い手牌では、鳴こうがどうせアガリづらい。何より手牌が短くなり危険だ。
アガリまで近い手牌では、リーチを目指して高打点を狙った方が良い場面も多い。
何しろドラが16枚もあるので、次にドラを持ってくる確率はそれなりに高い。ポンしてツモを放棄することは、そういう意味でも打点面で損をする。

これくらいだとが出ても我慢してリーチを目指した方が良さそう。

こうなると鳴いた時とスルーした時の速度差が大きく、ポンテンにとった方が良いだろう。

次に関西サンマを打つ時は、鳴きのレンジをもう少し狭めて打ってみようと思う。

必ずやまたリベンジにきたいと思う。

【感想】

ポン太では天満店と千日前店共通で使えるポイントカードをもらえる。

画像見ての通り、少し打っただけなのに既に7320ptのポイントがたまっている。
これらは全てゲーム代として使うことができるので、リベンジしようって気になる。

また、そのポイントをお得にゲットできるイベントを常時開催している。

店内は明るくて清潔で、店員さんは常に卓の近くにいる。そしてお客さんのマナーも良い。
また女流プロも頻繁にゲストにきており、関西サンマを安心してお得に遊べるお店だと思った。

——結局、今年の関西サンマは最後の最後まで負けで終わった。
来年は来年の風が吹く。
そう思いながら帰りの電車に乗ったのであった。

【評価】
刺激度 ★★★~★★★★
清潔感 ★★★★★
サービス ★★★★★
関西サンマの奥深さ ★★★★★
ポイント・イベントお得度 ★★★★★
(なお「刺激度」は動くお楽しみチップを元に 新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートルールを★…として表現)