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望月 雅継の麻雀コラム

2011年11月16日(水)

A1リーグ第8節

皆さんこんにちは。望月です。
今回はA1リーグ第8節の模様をお伝えします。

ここまでのポイントは▲26.6Pと、後期開幕からはポイントを戻してはいますが、決定戦進出に向けてはもう一戦も落とせないところです。
また、マイナスしてしまうと一気に降級争いに組み込まれてしまうため、今節が今期の大一番であることは間違いなさそうです。さて、どんな戦いが繰り広げられたのでしょうか?


今節の対戦相手は、前原雄大プロ、藤崎智プロ、ダンプ大橋プロ。

ダンプ大橋プロとの対戦は必ず荒れ場になると、対戦前にダンププロ本人から教えてもらっていました。
思い返せばなるほどと思えるほど、大きな嵐が毎回吹き荒れている気がします。
彼も私も、これ以上大きく負けられないことから、今回も大荒れの展開となるのでしょうか?

前原プロとの対戦は今期三度目。
前原プロが大きくポイントを積み重ねたのが私との対戦だっただけに、今節も前原プロの踏み込みはいつも以上に深くなるのは必至です。前原プロの時間を作らないことが大きなカギとなりそうです。

そして藤崎プロとは今回がA1リーグでの初対戦。
初の決勝進出だった日本オープンの決勝戦で、優勝目前だった私から勝利をもぎ取っていったのは藤崎プロ。
「俺に負けたおかげで鳳凰位獲れたんだよな~♪」
というのがお約束の挨拶となっている藤崎プロとの久しぶりの対戦は、本当に楽しみです。

しかし、三人とも強者であることは間違いありませんから、より慎重な意識を持って対局に臨みました。


ここ数節、開局にアガリがついたことが好スタートの原因となっているだけに、今節も開局に意識を高めて向かったものの…今節は望月→大橋への2600放銃スタートで幕が開きました。

対局終了後、この放銃についてギャラリーの方から質問がありました。

「放銃したことがひょっとしたらプラスに働いたのではないですか?」

麻雀を打っている人なら誰だって放銃したくないですよね。
自分は放銃せずに、たくさんアガリたい。きっとそう思っているはずです。

でもね、望月はそんなことちっとも思っていないのです。
むしろ、放銃なんていくらしたっていいって思っています。

というのも、麻雀はツモアガリと放銃によって成り立っているゲームですから。

アガリたいという欲を満たすためには、危険を冒さないといけませんよね。
いらない牌は、相手の欲しい牌かもしれない。これって当たり前のことです。

自分がアガリに向かう道中に、相手のアガリがあったのなら、それはもう相手を評価するほかないのです。そして、どれだけ気持ち良く点棒を払えるかどうかが大切だと考えているのですよ。

もちろん、自分がディフェンスしている時の放銃はご法度です。
手役への欲を絶ち、全力で放銃しないようにしなければなりません。

何が言いたいのかというと、アガリに向かうための放銃は是、デイフェンス時の放銃は非。ということなのですよ。


今回の開局での放銃は、自らが切り込んでいく道中での放銃でした。
しかも、大橋プロのテンパイ気配を察知し、五分以上で放銃するだろうとの覚悟に基づいた打牌が咎められた。これはもう、大橋プロを褒める他ないでしょうね。

大切なことは、この放銃を踏まえてこの半荘をどう戦うか?ということが大事なわけでして、この点差をどうこうしようとはこの時点では全く考えていなかったのです。

ただ一つだけ、この後の戦い方をより丁寧に進めようと、それだけを考えながら戦うことを決めたのです。


このアガリによって、大橋プロが先手を取るかと思ったのですが、なんとこの半荘の主役は前原プロ。効果的な局回しから決め手の2000、4000をツモり首位に立つと、全く危なげない戦い方で独走に持ち込みます。
私はというと、放銃後の心の置き方が良かったこともあり、この半荘は30000点をキープすることに成功。前原プロに続く二着で初戦を終えることが出来たのです。


この一回戦の戦い方が良かったのか、続く二回戦は大きめのトップを奪うことに成功。
この時点で、トータルポイントがようやくプラスへ。ここからが勝負所です。

というのも、前々節の三回戦、大きくプラスしていたポイントを三回戦のラスによって帳消しにしてしまった苦い思いがあるからです。
なかなか半荘4回戦全てにおいて全ての時間で集中出来ることはなかなかありません。
中だるみが発生しないためにも、毎回トイレで気持ちを切り替えるのですが、三回戦が始まる前に、私は心の中で毎節必ずその日の目標ポイントの修正を行うのですよ。

今節は、ここまで35P強のプラス。残り2半荘で30Pの上積みを目標に三回戦の卓に座りました。


「滑り出しは丁寧に…」

心の中で呟きながら配牌を取ると、配牌でドラ三枚の好配牌。
気持ちの高ぶりからか、珍しく先手を取るべく二副露。6巡目に満貫のテンパイを果たします。
どこから攻めてこられても、一歩も引かないつもりでツモに手を伸ばします。
するとツモは⑨。胸を張って気持ち良くツモ切ると、親のダンプ大橋プロからロンの声。

手を開くと⑨タンキのメンホン七対子。
またもや三回戦の開局に大きな負荷を追ってしまった自分の不甲斐なさに愕然としましたが、この放銃によって目が覚めました。

今まで以上に丁寧な手牌進行をすることを心がけながら、どんどん劣勢になっていく状況にも顔を上げることなく立ち向かいます。

相手は歴戦の猛者達。私の手牌進行が遅いと見るや、三人がかりでのリーチ攻勢が私を襲います。

しかし…この半荘は三人のほとんどのリーチが空を切ります。
ダンププロと前原プロのメンホン七対子のリーチ合戦が不発に終わったり、点棒移動が脇決着だったりと丁寧に進めている私にとって有利な局進行で南入すると、リーチ棒が2本ある南一局二本場、ここでも親のダンププロと藤崎プロの先制二軒リーチが私を襲います。
それでも焦ることなく現物を合わせる私に、ここで麻雀の神様が微笑むのです。

リャンシャンテンから丁寧に進めると、うまくテンパイを果たした私。そして藤崎プロの現物だけにダマを選択すると望外の2000、3900ツモ。
一気に負債を返済すると、次局は藤崎プロの先制リーチを受け、こちらは3シャンテンから歩を進めテンパイ時に一枚だけ勝負すると、次巡藤崎プロから高めの3900出アガリ。

ダンラスの一人沈みから一気にプラスに転じると、オーラスは3900直撃1300、2600ツモ条件を4巡目にクリアし即リーチ。
一発ツモで(プロ連盟は一発役はありませんが)ダンププロを差し切り大逆転トップとなったのです。

こうなると気を良くして最終戦を迎えることができますよね。


4回戦の開局、今度も配牌でドラのRが暗刻。

④⑤⑥⑦⑧1356RRR北 ドラR

3巡目、ここにツモ⑧で打北とすると、上家の藤崎プロから打7。
さすがにここはスルーで次巡ツモ6。135のリャンカンに受け打⑧。
場には3が2枚。カン2にかなりの手ごたえを感じていましたが、次巡のツモは1。
難しい選択ですが素直に打3とすると次巡はツモ2。
三面張のテンパイを逃してしまいます。
そして10巡目、場に4枚目の7を藤崎プロから放たれ、即座にチー。テンパイを果たします。

対局後、下家の前原プロから、
「あのチーですぐに⑥が流れたぞ。」
と言われましたが(このツモ⑥で2000、4000かリーチを打てば3000、6000を逃しているのですが…)程なく藤崎プロから③が放たれ7700のアガリ。

④⑤⑥⑦⑧11RRR チー756 ロン③ ドラR

このアガリをきっかけに、この半荘も大爆発。
一人浮きでこの半荘は46.2Pの大トップ。

結果は2111で99.4Pと、一気に負債を返済するばかりか、トータルポイントでも72.8Pで第三位まで順位を上げました。

鳳凰位決定戦に進出できるのは三位まで。
それ以下では全く意味がありません。降級ラインから脱した私が見据えるのはやはり鳳凰位奪還。それしかありません。
後期の開幕では約90Pの負債があった私が、後期ここまで160Pのプラスを積み上げてきました。こうなったらやはり頂点を目指さないといけないと思います。

来節は二位荒プロとの直接対決です。
ここでプラスを積み上げることが出来れば、三回目の鳳凰位決定戦進出が現実味を帯びてきます。残り二節、半荘8回全力でぶつかってこようと思います!

ぜひ皆さん期待してくださいね~!
それじゃまた。望月でした~。