望月 雅継の麻雀コラム
2011年12月16日(金)
| 望月 雅継
A1リーグ第9節
皆さんこんにちは。望月です。
だんだん寒くなってきましたね~。寒さが苦手な望月には本当に辛い季節になってきました。
朝はなかなか布団から出ることが出来ないですし、体は硬くなりますし、あんまりいいことはないですよね…。
それでも、冬には大事な対局か目白押しですから、体調管理も含めて気持ちを引き締めないといけませんよね。
さて今回は、A1リーグ第9節の模様をお伝えします。
今節は板川プロの休場により、11名での対局となりました。
対局前に抽選が行われ、私の今節の対戦相手は前原プロ、柴田プロ、老月プロ、右田プロ、ダンプ大橋プロの6名での対局となったわけです。
プロ活動を始めてから15年近くになりますが、6人打ちでの対局は初めて。
抽選により、2回戦と4回戦の抜け番になりましたが…。
瀬戸熊プロが十段戦観戦記に、抜け番がある対局は苦手だと語っていた一文がありましたが、実は私も難しいと感じていたんですね。
出来る事なら5人打ちでの対局がいいなと考えていましたが…抽選ですからね。仕方ありません。
何が難しいかと言いますと、対局を行なっていない間の心の作り方が難しいのです。
また、自分が対局していない間に起こった出来事をどう受け止めるか、これもまた難しい。
どちらも自分自身の心がきちんと出来上がっている状態ならば、何の問題もないと思います。ただ、競っている当該者の成績はやはり気になってしまいますし、その間の過ごし方も人それぞれ。
ライバルの対局を見ている打ち手もあれば、卓から離れて時間を過ごす人もいます。
私は対局前には静かに過ごしたいタイプですから、二回も卓を離れるのはやはり少し抵抗がありますね。
とは言っても、もう決まってしまったわけですから受け入れるしかありませんね。
それでも救いは、一回戦の卓に座れるということです。
これは、対局前のリズムとルーティーンに関係します。
静岡の自宅を出てから対局開始までの時間は約3時間。起きてからは4時間半。その間のリズムはほとんど変えません。
朝起きて食べる食事の内容も、浴室で考えることも、新幹線の乗車中の過ごし方も、毎回必ず一緒。一種のゲン担ぎと捉えてもいいのかもしれませんが、そんな簡単なものではなく、対局前のリズムが大事だと考えているのですよね。
11時試合開始のリズムを作る準備をしていたわけですから、やはり緒戦の椅子に座りたいと考えるのは自然ですよね。それが叶っただけでも今回は良しということで、プラスに考えて対局に臨みました。
今回掲げたテーマは、
『焦らず丁寧に』
というテーマ。
これは、対戦相手うんぬんではなく、あくまで自分がやるべきことを最後まで忠実に行おうということです。相手が誰であっても、どれだけ劣勢になったとしても、リーグ戦最後のゴールテープを切るまでは、最終戦の最終打牌が終わるまでは、絶対に気を抜くことなく戦い抜こうと心に決めていました。
一回戦の対戦相手は前原プロ、柴田プロ、老月プロ。
決定戦進出を争う右田プロは、私の後ろの席に陣取り戦いを見つめます。
開始早々から局面をリードするのはやはり前原プロ。そんな前原プロに戦いを挑むのは柴田プロという図式で対局が進みます。
というのも、この9節の結果如何では二人共に決定戦進出の可能性があるからでしょう。
特に柴田プロの踏み込みはいつもにも増して深く、戦う姿勢が十分に伝わってきます。
そんな中、二人の攻勢を上手く受け止めトップとなったのは老月プロ。
後半戦での老月プロの粘りは実に見事で、一時は降級争いをしていたとは感じられない落ち着き払った対局内容に圧倒された一回戦でした。
私はというと…ノーホーラでの三着。
いつも通りと言えばいつも通り。想定の範囲内と言えばその通り。
良い結果とは言えなかったのかもしれませんが、かなり手ごたえを感じた半荘だったのです。
まずは、場が良く見えていたということ。
相手の思考も思惑も、そして手牌進行もはっきりと見えた上での対応が出来たのです。
そして客観的にみても、自分が参加できる局面が限りなく少なかったということ。
これは裏を返せば、他家三人の出来が良かったとも取れるのですが、そんな中被害を最小限に抑えることが出来たという現実は評価すべきかなと。
いつもなら、さぁここから!と思うところなのですが、今回は抜け番ということで些か拍子抜け。柴田プロと二人で二回戦の戦況を見つめます。
この二回戦、ダンプ大橋プロが大爆発!前原プロも必死で喰らいつき、二人の攻勢によって大連荘が続きます。この半荘に要した時間は二時間強。
ダンプ大橋プロの攻勢を免れたと言っていいのか、それとも長時間の観戦によってリズムが狂ってしまうことを危惧するのか、考え方はいろいろだと思いますが、私は今回の結果をプラスに受け止め次の対局に臨みました。
三回戦は右田プロ、ダンプ大橋プロ、柴田プロと若手中心の組み合わせ。
二回戦の出来から、私を含めた三者はダンプ大橋プロをマークしての戦いとなります。そして私は、右田プロの大ブレークだけは注意しての対局です。
開局早々、ハイテイで満貫を引きあがるなど局面をリードして進めるものの、右田プロも負けじとアガリ返します。二回戦好調だったダンプ大橋プロは打って変わって劣勢に。
結果、三人浮きの三着で終了。一回戦の負債を返済することはできませんでしたが、ほぼゲームプラン通りに局を進める事ができました。
続く四回戦はまたも抜け番。
ここでもダンププロが首位で終了。さらに混戦の模様を呈してきました。
五回戦の対戦相手は、前原プロ、右田プロ、柴田プロ。
この日は半荘ごとに主役が変化する日。今半荘は柴田プロのペース。次々とアガリを重ね、常に局面をリードしていきます。
そんな中、私はこの半荘も我慢の展開が続きます。
前に出ようとも思わないような苦しい局が続きますが、この日は脇での決着が多かったことも私には幸いします。
失点を最小限に抑え迎えたオーラス、私の点数状況は27900点の三着目。ラス目は決定戦進出を争う右田プロ。
右田プロの立場としては、私にラスを押し付けた上原点復帰し、私にマルCでのラスを引かせることがこの半荘での絶対条件になります。そしてオーラス一本場、親番の右田プロから、狙い通りのリーチが入ります。
それでも、この日の私は冷静でした。
実は右田プロからのリーチは想定済み。この時私の手牌は右田プロの現物を置いた形での平和のイーシャンテン。
右田プロのリーチを待ったかのようにテンパイを果たすと、右田プロの一発ツモ牌は私の当たり牌。
私にとっては僥倖の原点復帰。逆に右田プロにとっては最悪の結果。
アガッた形は平和の1000点ですが、二人にとって大きく明暗を分ける形となったのです。
瀬戸熊プロのコラムにもあったように、リーグ戦終盤でのポイントの価値は、序盤の何倍もの意味があります。この半荘での浮きの三着確保は、恐らく何万点もの価値があるのではと対局終了後に感じました。それほど大きな1000点だったのです。
この日の最終戦、六回戦は、右田プロ、老月プロ、ダンプ大橋プロとの対戦。
気を良くして対局に臨んだ私には、全く不安要素はありませんでした。
二度の親番で老月プロに2000、4000と3000、6000をツモられ、トップこそ奪われるものの、ゲーム運びとしては盤石で本日初の二着。
結果、3332で+13.8Pのプラスでトータル86.6Pと、決定戦進出が現実味を帯びてきました。
残された半荘は残り4半荘。
しかし、今期の最終節は上位5人打ち。まだまだ予断は許しません。
4年ぶりの決定戦進出、そして5年ぶりの鳳凰位目指して、最後まで気を抜かずに戦いたいと思っています。
折り返し地点では降級候補筆頭だった私が、今こうして決定戦進出を争えるなんて夢のようですが、あくまで決定戦進出は通過点です。
皆さんにぜひ決定戦での闘牌をお伝えしたいと思っていますので、ぜひ期待してくださいね!
それではまた。望月でした。
だんだん寒くなってきましたね~。寒さが苦手な望月には本当に辛い季節になってきました。
朝はなかなか布団から出ることが出来ないですし、体は硬くなりますし、あんまりいいことはないですよね…。
それでも、冬には大事な対局か目白押しですから、体調管理も含めて気持ちを引き締めないといけませんよね。
さて今回は、A1リーグ第9節の模様をお伝えします。
今節は板川プロの休場により、11名での対局となりました。
対局前に抽選が行われ、私の今節の対戦相手は前原プロ、柴田プロ、老月プロ、右田プロ、ダンプ大橋プロの6名での対局となったわけです。
プロ活動を始めてから15年近くになりますが、6人打ちでの対局は初めて。
抽選により、2回戦と4回戦の抜け番になりましたが…。
瀬戸熊プロが十段戦観戦記に、抜け番がある対局は苦手だと語っていた一文がありましたが、実は私も難しいと感じていたんですね。
出来る事なら5人打ちでの対局がいいなと考えていましたが…抽選ですからね。仕方ありません。
何が難しいかと言いますと、対局を行なっていない間の心の作り方が難しいのです。
また、自分が対局していない間に起こった出来事をどう受け止めるか、これもまた難しい。
どちらも自分自身の心がきちんと出来上がっている状態ならば、何の問題もないと思います。ただ、競っている当該者の成績はやはり気になってしまいますし、その間の過ごし方も人それぞれ。
ライバルの対局を見ている打ち手もあれば、卓から離れて時間を過ごす人もいます。
私は対局前には静かに過ごしたいタイプですから、二回も卓を離れるのはやはり少し抵抗がありますね。
とは言っても、もう決まってしまったわけですから受け入れるしかありませんね。
それでも救いは、一回戦の卓に座れるということです。
これは、対局前のリズムとルーティーンに関係します。
静岡の自宅を出てから対局開始までの時間は約3時間。起きてからは4時間半。その間のリズムはほとんど変えません。
朝起きて食べる食事の内容も、浴室で考えることも、新幹線の乗車中の過ごし方も、毎回必ず一緒。一種のゲン担ぎと捉えてもいいのかもしれませんが、そんな簡単なものではなく、対局前のリズムが大事だと考えているのですよね。
11時試合開始のリズムを作る準備をしていたわけですから、やはり緒戦の椅子に座りたいと考えるのは自然ですよね。それが叶っただけでも今回は良しということで、プラスに考えて対局に臨みました。
今回掲げたテーマは、
『焦らず丁寧に』
というテーマ。
これは、対戦相手うんぬんではなく、あくまで自分がやるべきことを最後まで忠実に行おうということです。相手が誰であっても、どれだけ劣勢になったとしても、リーグ戦最後のゴールテープを切るまでは、最終戦の最終打牌が終わるまでは、絶対に気を抜くことなく戦い抜こうと心に決めていました。
一回戦の対戦相手は前原プロ、柴田プロ、老月プロ。
決定戦進出を争う右田プロは、私の後ろの席に陣取り戦いを見つめます。
開始早々から局面をリードするのはやはり前原プロ。そんな前原プロに戦いを挑むのは柴田プロという図式で対局が進みます。
というのも、この9節の結果如何では二人共に決定戦進出の可能性があるからでしょう。
特に柴田プロの踏み込みはいつもにも増して深く、戦う姿勢が十分に伝わってきます。
そんな中、二人の攻勢を上手く受け止めトップとなったのは老月プロ。
後半戦での老月プロの粘りは実に見事で、一時は降級争いをしていたとは感じられない落ち着き払った対局内容に圧倒された一回戦でした。
私はというと…ノーホーラでの三着。
いつも通りと言えばいつも通り。想定の範囲内と言えばその通り。
良い結果とは言えなかったのかもしれませんが、かなり手ごたえを感じた半荘だったのです。
まずは、場が良く見えていたということ。
相手の思考も思惑も、そして手牌進行もはっきりと見えた上での対応が出来たのです。
そして客観的にみても、自分が参加できる局面が限りなく少なかったということ。
これは裏を返せば、他家三人の出来が良かったとも取れるのですが、そんな中被害を最小限に抑えることが出来たという現実は評価すべきかなと。
いつもなら、さぁここから!と思うところなのですが、今回は抜け番ということで些か拍子抜け。柴田プロと二人で二回戦の戦況を見つめます。
この二回戦、ダンプ大橋プロが大爆発!前原プロも必死で喰らいつき、二人の攻勢によって大連荘が続きます。この半荘に要した時間は二時間強。
ダンプ大橋プロの攻勢を免れたと言っていいのか、それとも長時間の観戦によってリズムが狂ってしまうことを危惧するのか、考え方はいろいろだと思いますが、私は今回の結果をプラスに受け止め次の対局に臨みました。
三回戦は右田プロ、ダンプ大橋プロ、柴田プロと若手中心の組み合わせ。
二回戦の出来から、私を含めた三者はダンプ大橋プロをマークしての戦いとなります。そして私は、右田プロの大ブレークだけは注意しての対局です。
開局早々、ハイテイで満貫を引きあがるなど局面をリードして進めるものの、右田プロも負けじとアガリ返します。二回戦好調だったダンプ大橋プロは打って変わって劣勢に。
結果、三人浮きの三着で終了。一回戦の負債を返済することはできませんでしたが、ほぼゲームプラン通りに局を進める事ができました。
続く四回戦はまたも抜け番。
ここでもダンププロが首位で終了。さらに混戦の模様を呈してきました。
五回戦の対戦相手は、前原プロ、右田プロ、柴田プロ。
この日は半荘ごとに主役が変化する日。今半荘は柴田プロのペース。次々とアガリを重ね、常に局面をリードしていきます。
そんな中、私はこの半荘も我慢の展開が続きます。
前に出ようとも思わないような苦しい局が続きますが、この日は脇での決着が多かったことも私には幸いします。
失点を最小限に抑え迎えたオーラス、私の点数状況は27900点の三着目。ラス目は決定戦進出を争う右田プロ。
右田プロの立場としては、私にラスを押し付けた上原点復帰し、私にマルCでのラスを引かせることがこの半荘での絶対条件になります。そしてオーラス一本場、親番の右田プロから、狙い通りのリーチが入ります。
それでも、この日の私は冷静でした。
実は右田プロからのリーチは想定済み。この時私の手牌は右田プロの現物を置いた形での平和のイーシャンテン。
右田プロのリーチを待ったかのようにテンパイを果たすと、右田プロの一発ツモ牌は私の当たり牌。
私にとっては僥倖の原点復帰。逆に右田プロにとっては最悪の結果。
アガッた形は平和の1000点ですが、二人にとって大きく明暗を分ける形となったのです。
瀬戸熊プロのコラムにもあったように、リーグ戦終盤でのポイントの価値は、序盤の何倍もの意味があります。この半荘での浮きの三着確保は、恐らく何万点もの価値があるのではと対局終了後に感じました。それほど大きな1000点だったのです。
この日の最終戦、六回戦は、右田プロ、老月プロ、ダンプ大橋プロとの対戦。
気を良くして対局に臨んだ私には、全く不安要素はありませんでした。
二度の親番で老月プロに2000、4000と3000、6000をツモられ、トップこそ奪われるものの、ゲーム運びとしては盤石で本日初の二着。
結果、3332で+13.8Pのプラスでトータル86.6Pと、決定戦進出が現実味を帯びてきました。
残された半荘は残り4半荘。
しかし、今期の最終節は上位5人打ち。まだまだ予断は許しません。
4年ぶりの決定戦進出、そして5年ぶりの鳳凰位目指して、最後まで気を抜かずに戦いたいと思っています。
折り返し地点では降級候補筆頭だった私が、今こうして決定戦進出を争えるなんて夢のようですが、あくまで決定戦進出は通過点です。
皆さんにぜひ決定戦での闘牌をお伝えしたいと思っていますので、ぜひ期待してくださいね!
それではまた。望月でした。