望月 雅継の麻雀コラム
2013年01月16日(水)
| 望月 雅継
A1リーグ最終節
新年あけましておめでとうございます。
今年もこの雀サクッコラムを何卒よろしくお願いいたします。
新年一発目の今回は、A1最終節の模様をお伝えしたいと思います。
前節の失敗が響き、現在の私のポジションは降級位置の11位。最終節は下位の組み合わせは順位順に卓組が組まれますので、今節の対戦相手は、
ダンプ大橋プロ(9位▲90.9P)×右田勇一郎プロ(10位▲92.3P)×望月雅継(11位▲100.9P
)×石渡正志プロ(12位▲114.1P)
という組み合わせになりました。
今回の降級争いは稀に見る大激戦でして、別卓の近藤プロは8位ながらも▲71.3Pということで8位から12位までが僅か40Pに犇めき合っているような状態で最終節を迎えたのです。
本来この位置にいることは不本意ですが、これも全て自らの打牌が導いた結果ですから受け入れなければなりません。
決定戦進出を意識して戦った結果が今のポジションなのですからね。
しかし、この位置を悲観している時間はありません。
この結果を踏まえ、最終節をどう戦うか?そしてどうやって残留するかが最大のテーマですから、そのための準備を入念にする必要があるでしょう。
年末年始の忙しい時間を縫うように、今年も私は別日対局ラッシュでした。
別日対局というのは、対局に日程が合わない場合、別の日に対局を行うことを指すのですが、今年度も私は地元のリーグ戦と日程がかなりバッティングしてしまい通常のリーグ戦を満足にこなすことが出来なかったのです。
ということで、年末年始にまとめて対局を行うことになったのですが…その対局数は何と24半荘。
半期のリーグ戦よりも多い対局数を、僅か一か月間の間に行なうことになりました。
先月のリーグ戦を終えて実感したのは、打ち込み不足とバランスの悪さ。
麻雀自体は打っているのですが、真剣な場での打ち込みが足りないという事と、押し引きと手組みのバランスの全てが調子の悪さと相成って、悪い方向に進んでいたことに気が付いたのです。
静岡リーグの別日対局とはいえ、そのようなバランスの悪さを解消するのにはとても役に立ちました。
対局数を重ねる度に、調子の悪さは少しずつですが上向きになり、本来の私の持ち味である局面打開において、場がクリアに見えるようになってきました。
いかに自分が今まで前掛かりに麻雀を打ってしまっていたか、ということや、手牌と局面に打牌が合っていないケースが多かったことに改めて気づき、別日対局の後半には以前までとはいきませんが大分バランスを取り戻してくることが出来ました。
その結果、今節を迎えるに当たり出したテーマは、
「勝負所を間違えない」
「手牌ではなく局面に合った打牌選択をする」
「最終戦に可能性の残る位置をキープする」
この三点をテーマに掲げました。
僅か一か月前の自分の思考の中には忘れかけていたようなことに気がついたのです。
それはやはり、稽古の賜物だということなのでしょうね。
そして迎えた最終節の初戦、いきなり四暗刻の手が入ります。
しかし結果は流局に。
それでも、ここ数戦とは違った感触を感じたのです。
ジリジリと、思い空気の中で進むのは最終節特有のモノなのでしょう。自分は心の中で、
「勝負所を間違えてはダメだ。楽する打牌を選ばないように。」
と、ずっと心の中で呟いていました。
後悔の無い打牌を打ち続けるために、自分の心を制御するのに必死だったのです。
それでも、丁寧な打牌を繰り返し失点は防ぐものの、やはり相手はA1リーグの猛者達です。
下家の右田プロはいつも通りの軽快な仕掛けで局面を制し、石渡プロもまた、持ち味の粘りを見せ確実にプラスをキープ。
苦しいのはダンププロで、ジリジリと点棒を減らしていきます。
この展開は自分にとって決して喜ばしいものではありませんが、それでも、必死に喰らいつくと、初戦は何とか浮きの2着をキープ。
別卓の近藤プロはトップを取った模様で安全圏に。
この結果、一回戦終了時には右田プロが一歩抜け出し、以下私、石渡プロ、ダンププロの順となったのです。
続く二回戦は、ダンププロが大爆発します。
誰も戦うことの出来ない中、一人で65000点近く稼ぎ、先程の負債を一気に返す特大トップ。
逆に、初戦トップの右田プロがプラスを吐き出しマイナスへ。
私は苦しいながらも無駄な失点をすることなく切り抜け、沈みの2着となり残留ポジションを死守します。
二回戦終了時にはダンププロ、私、右田プロ、石渡プロの並びとなりました。
とはいえ、四人の点差はまだまだ小さく、一回の戦いで一気に順位が入れ替わる可能性が秘めていますので油断は禁物です。
そして、残留争いが大きく動いた三回戦に進みます。
東1局、南家の私は7巡目に以下のテンパイを果たします。
四五六3345①④⑤⑥NN ツモN ドラ①
ドラの①を切れば高め三色のテンパイに。
平時ならドラを切ってのリーチまであるところなのですが、石渡プロの捨て牌が不穏に感じていた私は、ここは安全にと打3とドラ単騎のテンパイを組みました。
勝負してくる人が①を切る可能性も十分にありますし、攻め返された時は自風の南を切れば問題ないですからね。
この時はまだまだ余裕があったせいか、アガリ逃しになるはずの高め6を引いたとしても、3と振り返ればいいじゃん!くらいの余裕ある構えでいたのが良かったのかも知れません。
すると9巡目に右田プロが打6。
瞬間アガリ逃しが発生したと少しだけ感じましたが、思い返せば私がドラの①を切れば全く局面が変わってきます。右田プロが6を切る保証は全くありません。
さらに11巡目、私のツモが3。
これには少しだけ心が揺れましたが、そもそもドラの①を切る気が無いのですから全く問題が無い所です。
そして風向きが変わる瞬間が訪れます。
15巡目、親の石渡プロが八をチー。七八九で晒します。
「やはりチャンタ系か…。ドラが重なっていそうだな…。」
残り四回の親番、連荘に向けて石渡プロが動いた瞬間、私がツモったのはなんとドラの①!
望外の2,000・4,000で一気に抜け出すことに成功したのです。
このポイントではまだまだ楽観はできません。
しかし、こういった展開で手にした点数は絶対に失ってはいけないですし、更なる加点をしてこの半荘のトップを安泰にしたいと考えていました。
東4局、親の右田プロから早いリーチが入ります。
普段の自分でしたら丁寧に受けてチャンスを窺う所なのですが、この瞬間の私の思考は全く違ったものでした。
「ここが勝負局だな…。」
リーチを受けた同巡、私もテンパイを果たします。
五五23467889⑥⑦⑧⑨ ドラ7
役無しドラ1のペンカン7待ち。
普段なら絶対に引くところですが、腹を括って打⑨。(後に聞くと、この⑨は右田プロの入り目だったそうです。)
数巡後、私のツモは待望の5。打8としてさらにダマテンを続行。
このような展開で押すことの少ない私が攻めているという事は誰の目にも明白です。
脇の二人も丁寧に牌を選んでいきます。
すると…右田プロが掴んだのは私の待ち望んだ1。
五五23456789⑥⑦⑧ ロン1 ドラ7
この7,700でトップを不動のモノにした私は、石渡プロの猛烈な追い上げを凌いで50000点のトップ。この日のトータルを+30P強として、残留に向けて大きな一歩を踏み出したのでした。
最終戦を前に全体のポイントが発表されました。
上位は大きく離れているので、降級に関係したポイントだけ書きますと、
7位近藤プロ▲59.8P、
8位朝武プロ▲64.4P、
9位望月▲67.7P、
10位ダンププロ▲96.3P、
11位右田プロ▲115.4P、
12位石渡プロ▲118.8P
という経過となりました。
同卓のダンププロとは28.6P差、右田プロとは47.7P差、石渡プロとは51.1P差ということで、先程のトップのおかげで大分楽なポイント差になったのです。
…が、まだまだ全く油断はできません。
プロ連盟は順位点に12Pの加減方式を採用していまして、二人浮きの場合トップラスで順位点だけで16P縮まる計算になります。
自分がラスを引いた場合、ダンププロがトップなら12600点差、右田プロがトップなら31700点差がついてしまえば再逆転となってしまうのです。
逆に言えば、自分が30000点をキープしていれば追手はまず届きません。
ターゲットはダンププロになるわけですからかなり楽な展開に持ち込むことが出来そうです。
という状況で最終戦がスタートしました。
自分にとってかなり優位な状況で始まったはずが、開局から暗雲に襲われます。
まず、親の右田プロがリーチをツモアガリ2,600オール。
この時点でダンププロをいきなり交わして残留ポジションに再浮上します。
そして次局1本場、親の右田プロがなんとダブリー!
このダブリーに私が飛び込み、3,900は4,200。
この瞬間、並びが出来て私がラスに転落。
こうなると、周りの二人も俄然やる気が出ます。
ターゲットが二人になるわけですから、戦い方にかなり幅が出来るからです。
私にラスを押し付けたままで戦えば、後は自らの素点との勝負。
展開次第では、石渡プロにまで大きなチャンスとなった訳です。
そして同2本場、またも右田プロからリーチ。
ここに飛び込んでしまえば、この後の展開が本当に苦しくなるのは明白です。
しかし、この時の私は思っていた以上に冷静でした。
右田プロに対し真っ向から戦いを挑み、そして競り勝つことに成功。
連荘の続く右田プロの親を落とすことに成功したのです。
こうなってしまえば、後は丁寧に局を消化することに全精力を注ぎます。
放銃は避け、何とか小場で推移するようなゲーム運びに徹します。
そうすれば、たとえラスのままでいたとしても自分は残留ポジションに身を置くことが出来るからなのです。
私の願いが通じたのか、重い場が続き、周りも思うように加点できません。
時は進んで南3局、石渡プロの親番。
現状では右田プロが残留ポジションですので局回し、ダンププロは何としても原点に復帰すること、石渡プロはトップを捲るまで連荘すること、といったように各自の役割が明確に見えたこの瞬間に、残留者が決定します。
ダンププロが気合いの5巡目リーチ。力強くツモる手になかなか思い描く牌は訪れなかったのですが、最終ツモの17巡目に力強く2,000・4,000をツモり上げ、右田プロを最逆転。
オーラスに右田プロが条件を満たすリーチを打つものの流局。
この結果、私とダンププロが残留、右田プロと石渡プロが降級という事になりました。
戦い終えてみると、本当に苦しい戦いだったなと思い返す反面、ここに至るまでの経緯が悪すぎたことに対する反省の念が湧きあがってきました。
そしてさらに、A1リーグのステージの高さを再認識したとともに、更なる精進を重ねなければ、鳳凰位奪還などは夢のまた夢に終わってしまうという事も再確認できました。
とは言っても、ここでの苦しい戦いは私の麻雀人生における大きな財産になったことは間違いありません。この教訓を生かし、また新たなバージョンアップを図りたいと考えています。
来期のA1リーグには私と同じ静岡支部の仲間の猿川プロも昇級し参戦します。そしてお世話になってきた古川プロも見事A1復帰を果たしました。
今期よりもさらに厳しい戦いになることは間違いありません。
来期開幕までのシーズンオフの間に、自分が出来ることは全て行い、来季こそは自分の思い描く戦いが出来るようキチンと準備したいと思っています。
皆さんにご心配をおかけして申し訳ありませんでした。
また来期も頑張りますので応援してくださいね!
それじゃまた次回。望月でした~。
今年もこの雀サクッコラムを何卒よろしくお願いいたします。
新年一発目の今回は、A1最終節の模様をお伝えしたいと思います。
前節の失敗が響き、現在の私のポジションは降級位置の11位。最終節は下位の組み合わせは順位順に卓組が組まれますので、今節の対戦相手は、
ダンプ大橋プロ(9位▲90.9P)×右田勇一郎プロ(10位▲92.3P)×望月雅継(11位▲100.9P
)×石渡正志プロ(12位▲114.1P)
という組み合わせになりました。
今回の降級争いは稀に見る大激戦でして、別卓の近藤プロは8位ながらも▲71.3Pということで8位から12位までが僅か40Pに犇めき合っているような状態で最終節を迎えたのです。
本来この位置にいることは不本意ですが、これも全て自らの打牌が導いた結果ですから受け入れなければなりません。
決定戦進出を意識して戦った結果が今のポジションなのですからね。
しかし、この位置を悲観している時間はありません。
この結果を踏まえ、最終節をどう戦うか?そしてどうやって残留するかが最大のテーマですから、そのための準備を入念にする必要があるでしょう。
年末年始の忙しい時間を縫うように、今年も私は別日対局ラッシュでした。
別日対局というのは、対局に日程が合わない場合、別の日に対局を行うことを指すのですが、今年度も私は地元のリーグ戦と日程がかなりバッティングしてしまい通常のリーグ戦を満足にこなすことが出来なかったのです。
ということで、年末年始にまとめて対局を行うことになったのですが…その対局数は何と24半荘。
半期のリーグ戦よりも多い対局数を、僅か一か月間の間に行なうことになりました。
先月のリーグ戦を終えて実感したのは、打ち込み不足とバランスの悪さ。
麻雀自体は打っているのですが、真剣な場での打ち込みが足りないという事と、押し引きと手組みのバランスの全てが調子の悪さと相成って、悪い方向に進んでいたことに気が付いたのです。
静岡リーグの別日対局とはいえ、そのようなバランスの悪さを解消するのにはとても役に立ちました。
対局数を重ねる度に、調子の悪さは少しずつですが上向きになり、本来の私の持ち味である局面打開において、場がクリアに見えるようになってきました。
いかに自分が今まで前掛かりに麻雀を打ってしまっていたか、ということや、手牌と局面に打牌が合っていないケースが多かったことに改めて気づき、別日対局の後半には以前までとはいきませんが大分バランスを取り戻してくることが出来ました。
その結果、今節を迎えるに当たり出したテーマは、
「勝負所を間違えない」
「手牌ではなく局面に合った打牌選択をする」
「最終戦に可能性の残る位置をキープする」
この三点をテーマに掲げました。
僅か一か月前の自分の思考の中には忘れかけていたようなことに気がついたのです。
それはやはり、稽古の賜物だということなのでしょうね。
そして迎えた最終節の初戦、いきなり四暗刻の手が入ります。
しかし結果は流局に。
それでも、ここ数戦とは違った感触を感じたのです。
ジリジリと、思い空気の中で進むのは最終節特有のモノなのでしょう。自分は心の中で、
「勝負所を間違えてはダメだ。楽する打牌を選ばないように。」
と、ずっと心の中で呟いていました。
後悔の無い打牌を打ち続けるために、自分の心を制御するのに必死だったのです。
それでも、丁寧な打牌を繰り返し失点は防ぐものの、やはり相手はA1リーグの猛者達です。
下家の右田プロはいつも通りの軽快な仕掛けで局面を制し、石渡プロもまた、持ち味の粘りを見せ確実にプラスをキープ。
苦しいのはダンププロで、ジリジリと点棒を減らしていきます。
この展開は自分にとって決して喜ばしいものではありませんが、それでも、必死に喰らいつくと、初戦は何とか浮きの2着をキープ。
別卓の近藤プロはトップを取った模様で安全圏に。
この結果、一回戦終了時には右田プロが一歩抜け出し、以下私、石渡プロ、ダンププロの順となったのです。
続く二回戦は、ダンププロが大爆発します。
誰も戦うことの出来ない中、一人で65000点近く稼ぎ、先程の負債を一気に返す特大トップ。
逆に、初戦トップの右田プロがプラスを吐き出しマイナスへ。
私は苦しいながらも無駄な失点をすることなく切り抜け、沈みの2着となり残留ポジションを死守します。
二回戦終了時にはダンププロ、私、右田プロ、石渡プロの並びとなりました。
とはいえ、四人の点差はまだまだ小さく、一回の戦いで一気に順位が入れ替わる可能性が秘めていますので油断は禁物です。
そして、残留争いが大きく動いた三回戦に進みます。
東1局、南家の私は7巡目に以下のテンパイを果たします。
四五六3345①④⑤⑥NN ツモN ドラ①
ドラの①を切れば高め三色のテンパイに。
平時ならドラを切ってのリーチまであるところなのですが、石渡プロの捨て牌が不穏に感じていた私は、ここは安全にと打3とドラ単騎のテンパイを組みました。
勝負してくる人が①を切る可能性も十分にありますし、攻め返された時は自風の南を切れば問題ないですからね。
この時はまだまだ余裕があったせいか、アガリ逃しになるはずの高め6を引いたとしても、3と振り返ればいいじゃん!くらいの余裕ある構えでいたのが良かったのかも知れません。
すると9巡目に右田プロが打6。
瞬間アガリ逃しが発生したと少しだけ感じましたが、思い返せば私がドラの①を切れば全く局面が変わってきます。右田プロが6を切る保証は全くありません。
さらに11巡目、私のツモが3。
これには少しだけ心が揺れましたが、そもそもドラの①を切る気が無いのですから全く問題が無い所です。
そして風向きが変わる瞬間が訪れます。
15巡目、親の石渡プロが八をチー。七八九で晒します。
「やはりチャンタ系か…。ドラが重なっていそうだな…。」
残り四回の親番、連荘に向けて石渡プロが動いた瞬間、私がツモったのはなんとドラの①!
望外の2,000・4,000で一気に抜け出すことに成功したのです。
このポイントではまだまだ楽観はできません。
しかし、こういった展開で手にした点数は絶対に失ってはいけないですし、更なる加点をしてこの半荘のトップを安泰にしたいと考えていました。
東4局、親の右田プロから早いリーチが入ります。
普段の自分でしたら丁寧に受けてチャンスを窺う所なのですが、この瞬間の私の思考は全く違ったものでした。
「ここが勝負局だな…。」
リーチを受けた同巡、私もテンパイを果たします。
五五23467889⑥⑦⑧⑨ ドラ7
役無しドラ1のペンカン7待ち。
普段なら絶対に引くところですが、腹を括って打⑨。(後に聞くと、この⑨は右田プロの入り目だったそうです。)
数巡後、私のツモは待望の5。打8としてさらにダマテンを続行。
このような展開で押すことの少ない私が攻めているという事は誰の目にも明白です。
脇の二人も丁寧に牌を選んでいきます。
すると…右田プロが掴んだのは私の待ち望んだ1。
五五23456789⑥⑦⑧ ロン1 ドラ7
この7,700でトップを不動のモノにした私は、石渡プロの猛烈な追い上げを凌いで50000点のトップ。この日のトータルを+30P強として、残留に向けて大きな一歩を踏み出したのでした。
最終戦を前に全体のポイントが発表されました。
上位は大きく離れているので、降級に関係したポイントだけ書きますと、
7位近藤プロ▲59.8P、
8位朝武プロ▲64.4P、
9位望月▲67.7P、
10位ダンププロ▲96.3P、
11位右田プロ▲115.4P、
12位石渡プロ▲118.8P
という経過となりました。
同卓のダンププロとは28.6P差、右田プロとは47.7P差、石渡プロとは51.1P差ということで、先程のトップのおかげで大分楽なポイント差になったのです。
…が、まだまだ全く油断はできません。
プロ連盟は順位点に12Pの加減方式を採用していまして、二人浮きの場合トップラスで順位点だけで16P縮まる計算になります。
自分がラスを引いた場合、ダンププロがトップなら12600点差、右田プロがトップなら31700点差がついてしまえば再逆転となってしまうのです。
逆に言えば、自分が30000点をキープしていれば追手はまず届きません。
ターゲットはダンププロになるわけですからかなり楽な展開に持ち込むことが出来そうです。
という状況で最終戦がスタートしました。
自分にとってかなり優位な状況で始まったはずが、開局から暗雲に襲われます。
まず、親の右田プロがリーチをツモアガリ2,600オール。
この時点でダンププロをいきなり交わして残留ポジションに再浮上します。
そして次局1本場、親の右田プロがなんとダブリー!
このダブリーに私が飛び込み、3,900は4,200。
この瞬間、並びが出来て私がラスに転落。
こうなると、周りの二人も俄然やる気が出ます。
ターゲットが二人になるわけですから、戦い方にかなり幅が出来るからです。
私にラスを押し付けたままで戦えば、後は自らの素点との勝負。
展開次第では、石渡プロにまで大きなチャンスとなった訳です。
そして同2本場、またも右田プロからリーチ。
ここに飛び込んでしまえば、この後の展開が本当に苦しくなるのは明白です。
しかし、この時の私は思っていた以上に冷静でした。
右田プロに対し真っ向から戦いを挑み、そして競り勝つことに成功。
連荘の続く右田プロの親を落とすことに成功したのです。
こうなってしまえば、後は丁寧に局を消化することに全精力を注ぎます。
放銃は避け、何とか小場で推移するようなゲーム運びに徹します。
そうすれば、たとえラスのままでいたとしても自分は残留ポジションに身を置くことが出来るからなのです。
私の願いが通じたのか、重い場が続き、周りも思うように加点できません。
時は進んで南3局、石渡プロの親番。
現状では右田プロが残留ポジションですので局回し、ダンププロは何としても原点に復帰すること、石渡プロはトップを捲るまで連荘すること、といったように各自の役割が明確に見えたこの瞬間に、残留者が決定します。
ダンププロが気合いの5巡目リーチ。力強くツモる手になかなか思い描く牌は訪れなかったのですが、最終ツモの17巡目に力強く2,000・4,000をツモり上げ、右田プロを最逆転。
オーラスに右田プロが条件を満たすリーチを打つものの流局。
この結果、私とダンププロが残留、右田プロと石渡プロが降級という事になりました。
戦い終えてみると、本当に苦しい戦いだったなと思い返す反面、ここに至るまでの経緯が悪すぎたことに対する反省の念が湧きあがってきました。
そしてさらに、A1リーグのステージの高さを再認識したとともに、更なる精進を重ねなければ、鳳凰位奪還などは夢のまた夢に終わってしまうという事も再確認できました。
とは言っても、ここでの苦しい戦いは私の麻雀人生における大きな財産になったことは間違いありません。この教訓を生かし、また新たなバージョンアップを図りたいと考えています。
来期のA1リーグには私と同じ静岡支部の仲間の猿川プロも昇級し参戦します。そしてお世話になってきた古川プロも見事A1復帰を果たしました。
今期よりもさらに厳しい戦いになることは間違いありません。
来期開幕までのシーズンオフの間に、自分が出来ることは全て行い、来季こそは自分の思い描く戦いが出来るようキチンと準備したいと思っています。
皆さんにご心配をおかけして申し訳ありませんでした。
また来期も頑張りますので応援してくださいね!
それじゃまた次回。望月でした~。