望月 雅継の麻雀コラム
2013年06月17日(月)
| 望月 雅継
A1リーグ第3節
皆さんこんにちは。望月です。
今回は、A1リーグ第3節の模様をお伝えします。
今回痛感したことはズバリ「体調管理の大切さ」です。
毎回リーグ戦の際の、私のルーティーンは決まっています。
朝は対局開始4時間半前の6時半に起床し、ゆっくりと朝食を食べ、(必ずご飯と卵料理を食べるように決めています)そして対戦相手の事を想像しながらお風呂に入ります。
戦い方のシミュレーション、対戦相手のデータの整理、劣勢に立たされた時の心の置き方など、自分が出来る限りの準備をするのです。
そして新幹線の出発時間30分前に家を出発し、車内で飲むコーヒーを買って、対局開始まで穏やかな気持ちで過ごすように決めています。
しかし…
今回は対局前から少し様子が違っていました。
緊張からなのか、それとも体調不良からなのか、朝から強い腹痛に襲われていて、家で一度、新幹線で一度トイレに駆け込む始末。
普段から腹痛は日常茶飯事なので、「またいつものことだろう。」と軽く見ていたのが間違いでした…。
今回の対戦相手は、柴田プロ、近藤プロ、猿川プロ。
この三人とは二度目の対戦となります。前節プラスで終わったものの、柴田プロとの対戦は苦手なイメージもありますし、第一節で戦った猿川プロ、近藤プロの二人との対戦は、二人が揃っての組み合わせというのはかなり難しい戦いになるのでは?という前原プロの話通り、前回はとても苦しめられたこともあって、かなり警戒しながらの対戦となりました。
…が、今回の敵は相手だけではなかったのです。
対局が始まってすぐ、東二局に差し掛かった頃には、顔から脂汗が出て顔面蒼白、とてつもない腹痛に襲われていたのです。
体調不良は集中力の低下を齎します。
放銃を繰り返したわけではないのですが、じりじりと失点を繰り返し、あっという間に劣勢に立たされます。
挽回のチャンスが無かったわけではありません。
南入してすぐ、メンホンのテンパイを果たした私。
前々巡に上家の柴田プロからが放たれ、前巡に柴田プロがチー。
そして巡ってきたこのチャンス手なのですが…
局面から考えるとここはダマの一手。
しかし、柴田プロの仕掛けによって仕上がった形と捉えた場合はリーチの選択もあるところ。今考えても難しい瞬間には違いありませんが、アガリがここまでついていない以上ここはおとなしくダマに構えるべきだったと反省しています。
しかし、腹痛に襲われている自分には冷静な判断が出来ませんでした。
リーチをすれば楽になれると思ったのか、気がついたらリーチの発声をしている自分がいました。
私のリーチは高打点のケースが多いと知っている三者は当然受けに回ります。
待ちが良いとは言え、ここは流局。ヤミに構えた場合の結果はわかりませんが、自分の選択が正しいものでなかったことはまた事実です。
同じようなケースがもう一つ。
近藤プロの親番で、その近藤プロが三フーロ。役牌は絡んでいなく、トイトイ一本の仕掛けです。
その時の私の手牌は、七対子ドラドラのイーシャンテン。ドラは一枚。
そこに飛んできたのはドラ。七対子ドラドラをテンパイします。
瞬間はヤミテンに構えたのですが、次巡のツモは場に一枚切れの東。近藤プロが切っている牌です。
自分の体勢が十分であるなら、ここは押し切ってもいい場面。逆に劣勢であるならば、ここは慎重に構えなければならない局面であるのは明白です。
しかし、この時の私の思考は、全く間違った思考が頭の中を占めていたのです。
「ドラで放銃することは無くなったのだし、近藤さんの現物であればリーチしてもいいんじゃないかな?」
この思考は全くの逆。
親の三フーロに対しての子方のリーチという事は、それなりの理由や打点、さらには勝算があるはず。A1リーガーであれば当たり前の思考なのに、リーチの受け手に対しての思考まで及ばなかったのは私の敗因ですよね。
丁寧にヤミに構えれば、東を掴んだ相手から出アガリできた可能性もありますし、さらには近藤プロの攻勢にも受けることが出来ますよね。今考えれば当たり前のアクションなのに、結果は終盤に私が近藤プロの当たり牌を掴んで3,900点の放銃。苦しんでいた近藤プロを助ける結果となってしまいました。
この放銃もあって1回戦はノーホーラでの一人沈みのラスで終了。緒戦から35P程の負債を抱えてのスタートとなってしまいました。
体調不良も判断ミスも放銃も、全ては自己責任。
こうなってしまったことは仕方ないと割り切って、すぐに次戦の準備に取り組まなければなりません。会場のトイレに駆け込んで事なきを得ると、観戦に来ていた古橋プロに腹痛の薬を買ってきてもらうようにお願いし、2回戦に入ります。
2回戦も我慢の展開は続きます。
小場での推移が続く中、私の初アガリは南3局。メンタンピン三色のリーチも安目の出アガリで3,900。ラス目から三着へ浮上します。
そして迎えたオーラス。
加点が出来れば原点復帰、さらには1,300・2,600のツモアガリでトップになる局面で、私は3巡目に白をポンしてこの形。
ポン ドラ
この形から…上家の猿川プロが切ったに声が出なかったのです。
ここでチーをしていても、結果は猿川プロのアガリだったのですが、そういう問題ではありませんよね。思考力も判断力も弱っている証拠です。猿川プロに2,600を放銃して3着に終わると、続く3回戦でも瞬間にトップ目に立ちながら、
このイーシャンテンから猿川プロに8,000を放銃して万事休す。
一気にマイナスに転落し、またもや三着で3回戦も終了となりました。
ここまでで私のマイナスは▲45P強。
ここで考えなければいけないことは、大きく挽回しようと思う事ではなく、この負債をどの程度に抑えられるかという事です。無理して踏み込みを大きくすると、このポイントを、年間を通して戻すことが不可能になってしまいます。ここでの目標はこの半荘をプラスで終えることが第一というように気持ちを切り替えました。
幸いなことに、古橋プロが買ってきてくれた薬のおかげか、腹痛も大分治まってきたこともプラスに働きます。
開局早々、近藤プロが猿川プロから24,000を出アガリ独走状態に持ち込みますが、私の目標はこの半荘をプラスで終えることですから全く慌てませんでした。
私の見せ場はこの半荘でも僅か。
それでも、そのワンチャンスをこの日初めてモノにします。
6巡目、2枚切れのカンのテンパイ。
2枚切れというのが状態の悪さを示していますが、それは仕方ない所。
このは誰が掴んでも出る牌だと思っていましたが、緒戦でのミスがあっただけにここはおとなしくヤミに構えます。(普段は絶対リーチしそうなんですけどね…)
すると近藤プロからリーチ。
自分が持ってきたのは。通りそうな牌ではありますがこの時は冷静になっていました。
現在ラスの猿川プロの捨て牌にが一枚。自分があまり良くないことを見越して打。とのシャンポンに受け変えました。
打点が下がる打牌はあまりしないのですが、ここは仕方ない所。
するとを掴んだ猿川プロからがこぼれ8,000点のアガリ。この点数を死守してこの半荘を2着で終え、この日は▲30.9Pで対局を終えました。
この数字を悲観的に捉えるか、ポジティブに捉えるかは自分次第です。
順位も大幅に下げましたし、トータルポイントも▲50Pを超えてしまいました。それでも、この状況下の中これだけのマイナスで終えることが出来たとプラスに捉えて次節に向かいたいと思っています。まずは体調管理、これに尽きますね。
これからの季節は急激な温度変化に体調を崩しがちになってきます。
そんな中、万全の準備をしてこれからの戦いに臨んでいきたいと思っています。
今月末は十段戦も控えています。次回はその辺りもお話したいなぁと考えていますのでお楽しみに。それじゃまた。望月でした~!
今回は、A1リーグ第3節の模様をお伝えします。
今回痛感したことはズバリ「体調管理の大切さ」です。
毎回リーグ戦の際の、私のルーティーンは決まっています。
朝は対局開始4時間半前の6時半に起床し、ゆっくりと朝食を食べ、(必ずご飯と卵料理を食べるように決めています)そして対戦相手の事を想像しながらお風呂に入ります。
戦い方のシミュレーション、対戦相手のデータの整理、劣勢に立たされた時の心の置き方など、自分が出来る限りの準備をするのです。
そして新幹線の出発時間30分前に家を出発し、車内で飲むコーヒーを買って、対局開始まで穏やかな気持ちで過ごすように決めています。
しかし…
今回は対局前から少し様子が違っていました。
緊張からなのか、それとも体調不良からなのか、朝から強い腹痛に襲われていて、家で一度、新幹線で一度トイレに駆け込む始末。
普段から腹痛は日常茶飯事なので、「またいつものことだろう。」と軽く見ていたのが間違いでした…。
今回の対戦相手は、柴田プロ、近藤プロ、猿川プロ。
この三人とは二度目の対戦となります。前節プラスで終わったものの、柴田プロとの対戦は苦手なイメージもありますし、第一節で戦った猿川プロ、近藤プロの二人との対戦は、二人が揃っての組み合わせというのはかなり難しい戦いになるのでは?という前原プロの話通り、前回はとても苦しめられたこともあって、かなり警戒しながらの対戦となりました。
…が、今回の敵は相手だけではなかったのです。
対局が始まってすぐ、東二局に差し掛かった頃には、顔から脂汗が出て顔面蒼白、とてつもない腹痛に襲われていたのです。
体調不良は集中力の低下を齎します。
放銃を繰り返したわけではないのですが、じりじりと失点を繰り返し、あっという間に劣勢に立たされます。
挽回のチャンスが無かったわけではありません。
南入してすぐ、メンホンのテンパイを果たした私。
前々巡に上家の柴田プロからが放たれ、前巡に柴田プロがチー。
そして巡ってきたこのチャンス手なのですが…
局面から考えるとここはダマの一手。
しかし、柴田プロの仕掛けによって仕上がった形と捉えた場合はリーチの選択もあるところ。今考えても難しい瞬間には違いありませんが、アガリがここまでついていない以上ここはおとなしくダマに構えるべきだったと反省しています。
しかし、腹痛に襲われている自分には冷静な判断が出来ませんでした。
リーチをすれば楽になれると思ったのか、気がついたらリーチの発声をしている自分がいました。
私のリーチは高打点のケースが多いと知っている三者は当然受けに回ります。
待ちが良いとは言え、ここは流局。ヤミに構えた場合の結果はわかりませんが、自分の選択が正しいものでなかったことはまた事実です。
同じようなケースがもう一つ。
近藤プロの親番で、その近藤プロが三フーロ。役牌は絡んでいなく、トイトイ一本の仕掛けです。
その時の私の手牌は、七対子ドラドラのイーシャンテン。ドラは一枚。
そこに飛んできたのはドラ。七対子ドラドラをテンパイします。
瞬間はヤミテンに構えたのですが、次巡のツモは場に一枚切れの東。近藤プロが切っている牌です。
自分の体勢が十分であるなら、ここは押し切ってもいい場面。逆に劣勢であるならば、ここは慎重に構えなければならない局面であるのは明白です。
しかし、この時の私の思考は、全く間違った思考が頭の中を占めていたのです。
「ドラで放銃することは無くなったのだし、近藤さんの現物であればリーチしてもいいんじゃないかな?」
この思考は全くの逆。
親の三フーロに対しての子方のリーチという事は、それなりの理由や打点、さらには勝算があるはず。A1リーガーであれば当たり前の思考なのに、リーチの受け手に対しての思考まで及ばなかったのは私の敗因ですよね。
丁寧にヤミに構えれば、東を掴んだ相手から出アガリできた可能性もありますし、さらには近藤プロの攻勢にも受けることが出来ますよね。今考えれば当たり前のアクションなのに、結果は終盤に私が近藤プロの当たり牌を掴んで3,900点の放銃。苦しんでいた近藤プロを助ける結果となってしまいました。
この放銃もあって1回戦はノーホーラでの一人沈みのラスで終了。緒戦から35P程の負債を抱えてのスタートとなってしまいました。
体調不良も判断ミスも放銃も、全ては自己責任。
こうなってしまったことは仕方ないと割り切って、すぐに次戦の準備に取り組まなければなりません。会場のトイレに駆け込んで事なきを得ると、観戦に来ていた古橋プロに腹痛の薬を買ってきてもらうようにお願いし、2回戦に入ります。
2回戦も我慢の展開は続きます。
小場での推移が続く中、私の初アガリは南3局。メンタンピン三色のリーチも安目の出アガリで3,900。ラス目から三着へ浮上します。
そして迎えたオーラス。
加点が出来れば原点復帰、さらには1,300・2,600のツモアガリでトップになる局面で、私は3巡目に白をポンしてこの形。
ポン ドラ
この形から…上家の猿川プロが切ったに声が出なかったのです。
ここでチーをしていても、結果は猿川プロのアガリだったのですが、そういう問題ではありませんよね。思考力も判断力も弱っている証拠です。猿川プロに2,600を放銃して3着に終わると、続く3回戦でも瞬間にトップ目に立ちながら、
このイーシャンテンから猿川プロに8,000を放銃して万事休す。
一気にマイナスに転落し、またもや三着で3回戦も終了となりました。
ここまでで私のマイナスは▲45P強。
ここで考えなければいけないことは、大きく挽回しようと思う事ではなく、この負債をどの程度に抑えられるかという事です。無理して踏み込みを大きくすると、このポイントを、年間を通して戻すことが不可能になってしまいます。ここでの目標はこの半荘をプラスで終えることが第一というように気持ちを切り替えました。
幸いなことに、古橋プロが買ってきてくれた薬のおかげか、腹痛も大分治まってきたこともプラスに働きます。
開局早々、近藤プロが猿川プロから24,000を出アガリ独走状態に持ち込みますが、私の目標はこの半荘をプラスで終えることですから全く慌てませんでした。
私の見せ場はこの半荘でも僅か。
それでも、そのワンチャンスをこの日初めてモノにします。
6巡目、2枚切れのカンのテンパイ。
2枚切れというのが状態の悪さを示していますが、それは仕方ない所。
このは誰が掴んでも出る牌だと思っていましたが、緒戦でのミスがあっただけにここはおとなしくヤミに構えます。(普段は絶対リーチしそうなんですけどね…)
すると近藤プロからリーチ。
自分が持ってきたのは。通りそうな牌ではありますがこの時は冷静になっていました。
現在ラスの猿川プロの捨て牌にが一枚。自分があまり良くないことを見越して打。とのシャンポンに受け変えました。
打点が下がる打牌はあまりしないのですが、ここは仕方ない所。
するとを掴んだ猿川プロからがこぼれ8,000点のアガリ。この点数を死守してこの半荘を2着で終え、この日は▲30.9Pで対局を終えました。
この数字を悲観的に捉えるか、ポジティブに捉えるかは自分次第です。
順位も大幅に下げましたし、トータルポイントも▲50Pを超えてしまいました。それでも、この状況下の中これだけのマイナスで終えることが出来たとプラスに捉えて次節に向かいたいと思っています。まずは体調管理、これに尽きますね。
これからの季節は急激な温度変化に体調を崩しがちになってきます。
そんな中、万全の準備をしてこれからの戦いに臨んでいきたいと思っています。
今月末は十段戦も控えています。次回はその辺りもお話したいなぁと考えていますのでお楽しみに。それじゃまた。望月でした~!