望月 雅継の麻雀コラム
2014年05月07日(水)
| 望月 雅継
麻雀が強くなるお話 その7
皆さんこんにちは。望月です。
A1リーグ第1節B卓のレポートがアップされました。
詳細はこちらから。
負けた内容を書くのはやっぱりちょっと辛い部分もあるのかもしれないのですけど、今回の戦いは納得しているだけに、何とか書き上げることが出来ました。
今まではこちら雀サクッコラムにて自戦記を書いておりましたが、今回は連盟HPにアップされた内容でご勘弁を。
ってことで今回も『麻雀が強くなるお話』の続きを書いていこうかって思っています。
前回書いた内容としては、麻雀牌を大きく分類するってお話でしたよね。
字牌を三元牌と風牌に、数牌は5を中心に対になっているから、1、2、3、4、5の5種類に分類できるんだっていうお話でした。
それでは本題に入っていきたいと思います。
まず最初に触れたいのは数牌の3(7)牌。
今回は重要な牌の順番に考えていく事にしましょう。
この3(7)牌って名前がついているんですけどご存じでしたか。
麻雀に詳しい方なら当たり前のお話かもしれませんし、初めて聞くよって方も多いかもしれません。
3(7)牌の事を、『尖張牌』(センチャンパイ)と呼びます。
麻雀の牌には、奇数牌には全て呼び方があるんですよね~。知ってましたか?
残りは次の説明の際に書くことにして…
この3(7)牌、尖張牌って呼んだり、略して尖牌って呼んだりしていますが、何故この3(7)牌が重要なのでしょうか?
それはシュンツを構成する牌の仕組みを理解することが重要です。
シュンツは何種類あるのでしょうか?一つずつ数えていく事にしましょう。
123、234、345、456、567、678、789の7種類なんですね。知ってましたか?
その内、3(7)牌が使われているシュンツの数を数えてみましょう。
な、なんと…
3(7)牌って7種中6種類ものシュンツに使われているってことなのですよ!
それってほとんどのシュンツで使われているってことなのです。唯一使われていないのは456のみ。
ということは…
シュンツを作る上で、3(7)牌というのは極めて重要な役割を果たすということなのです。
もう少し遡って考えましょう。
シュンツを構成する為に必要な前段階はターツでしたよね。
ターツには、ペンチャンターツ、カンチャンターツ、リャンメンターツの3種類のターツがありました。
この中でシュンツを最も作りやすいターツはリャンメンターツでしたよね。
リャンメンターツは23、34、45、56、67、78の6種類あった事を覚えていますか?
この中で、23、34、67、78にはずばり3(7)牌が使われていますし、残りの45、56は3(7)牌が待ち牌になるということを覚えておいてください。
次にカンチャンターツです。
こちらは、13、24、35、46、57、68、79の7種類でしたよね。
この中で、3(7)牌を使っているのは、13、35、57、79の4種類。
24と68のカンチャンターツは3(7)牌が待ち牌になります。
そして46のカンチャンターツは、3(7)牌を引くことでリャンメンターツに変化するのですよ。
つまり、シュンツを構成する上でほとんど3(7)牌を使うことになることがわかりますよね。
ということは、3(7)牌はメンツ構成に非常に有効な牌であるということが言えるでしょう。
裏を返すと、3(7)牌は、相手の手牌構成に組み込まれる可能性が極めて高い牌であり、且つ、場に放たれにくい牌であると言えるのです。
これを踏まえて、ペンチャンターツの話に戻りたいと思います。
ペンチャンターツは、シュンツを作る上で、リャンメンターツに変化するのに2手掛かるため、カンチャンターツの方が優れたターツだとお話したことを覚えていますか?
実はそれだけではないのです。
ペンチャンターツの形は12か89。つまりペンチャンターツの待ちは3か7だという事です。
場に放たれにくく、しかも使用価値が高い尖張牌の3(7)牌を待ち牌にするペンチャンターツは、そういった面でも使い勝手が悪いターツだという事なのです。
カンチャンターツについても同様です。
カンチャンターツを二つに分類すると、13、24、68、79と、リャンメンターツに変化しやすい優れたカンチャンターツの、35、46、57の二種類に分類することが出来るっていうお話をしましたよね。
今度は、13、24、68、79について考えてみると、最初から手組みに尖張牌の3(7)牌が組み込まれている13と79と、尖張牌が待ち牌になっている68、79とでは、若干ですが13、79の方が優れた(アガりやすい?)カンチャンターツだと言えるのかも知れません。
もちろん、ドラの関係や、手役の関係上、どうしても3(7)牌が待ちになるケースもあると思います。もちろんそれでいいと思いますよ。しかし、手役やドラが関係ない時には、他に選択できるターツや、優れた単独孤立牌があるようならそちらを使って新たな手組みをする方が、かえってアガリには近づくケースが多いのですよ。
話は少し逸れてしまいましたが、つまりこの3(7)牌の行方次第で、手牌構成のスピードが変わるということを理解して頂けたらと思います。
これを逆手に取ってディフェンスに活用しようとすると、メンツ手(シュンツ手)に限定して考えるとするならば、場に3(7)牌が放たれた相手の手牌進行のスピードや手組みがわかる事があるという事です。
序盤に3(7)牌を切ってくる相手がいたとしましょう。
その相手の手組みがシュンツ手だと限定して考えると、3(7)を場に放つだけの手牌に育っている可能性が高いと考えても良さそうです。
もし、切った3(7)を手牌にまだ使っていると仮定すると、その3(7)牌をまたぐ牌、つまり1-4待ちや2-5待ちの受けが残っていると考えることが出来ますし、その3(7)牌を全く使っていない形であるならば、その切った牌とは上下逆のメンツ構成や、別の色のシュンツ系を想定することが出来ますよね。そこから相手の手組みや打点、待ちを想像するためのきっかけになることが多いのです。
麻雀は絶対が無いゲームです。
しかし、絶対無いということも言える瞬間がやってくることがあります。
例えば、1、9、字牌の内、1種類でも4枚場に顔を出せば、国士無双が否定できますし、1が4枚切れれば、その色の一気通貫や123の三色同順が否定できますよね。
そういった小さなことの積み重ねから、相手の手牌やスピードを図りながら他家との間合いを詰めていくんですね。
このように、1枚の牌の情報が、大きく局面を左右することも多いのが麻雀です。
これからしばらく、牌の持つ情報を深く掘り下げていこうと思っています。
「そんなこと知ってるよ!」というようなわかりやすいことから、「へぇ~、初めて知ったよ!!」というようなプロ的な思考まで、いろいろな内容を織り交ぜてお伝えできればいいかなって思っています。
皆さんぜひ次回もお楽しみに♪
それじゃまた。望月でした~!
A1リーグ第1節B卓のレポートがアップされました。
詳細はこちらから。
負けた内容を書くのはやっぱりちょっと辛い部分もあるのかもしれないのですけど、今回の戦いは納得しているだけに、何とか書き上げることが出来ました。
今まではこちら雀サクッコラムにて自戦記を書いておりましたが、今回は連盟HPにアップされた内容でご勘弁を。
ってことで今回も『麻雀が強くなるお話』の続きを書いていこうかって思っています。
前回書いた内容としては、麻雀牌を大きく分類するってお話でしたよね。
字牌を三元牌と風牌に、数牌は5を中心に対になっているから、1、2、3、4、5の5種類に分類できるんだっていうお話でした。
それでは本題に入っていきたいと思います。
まず最初に触れたいのは数牌の3(7)牌。
今回は重要な牌の順番に考えていく事にしましょう。
この3(7)牌って名前がついているんですけどご存じでしたか。
麻雀に詳しい方なら当たり前のお話かもしれませんし、初めて聞くよって方も多いかもしれません。
3(7)牌の事を、『尖張牌』(センチャンパイ)と呼びます。
麻雀の牌には、奇数牌には全て呼び方があるんですよね~。知ってましたか?
残りは次の説明の際に書くことにして…
この3(7)牌、尖張牌って呼んだり、略して尖牌って呼んだりしていますが、何故この3(7)牌が重要なのでしょうか?
それはシュンツを構成する牌の仕組みを理解することが重要です。
シュンツは何種類あるのでしょうか?一つずつ数えていく事にしましょう。
123、234、345、456、567、678、789の7種類なんですね。知ってましたか?
その内、3(7)牌が使われているシュンツの数を数えてみましょう。
な、なんと…
3(7)牌って7種中6種類ものシュンツに使われているってことなのですよ!
それってほとんどのシュンツで使われているってことなのです。唯一使われていないのは456のみ。
ということは…
シュンツを作る上で、3(7)牌というのは極めて重要な役割を果たすということなのです。
もう少し遡って考えましょう。
シュンツを構成する為に必要な前段階はターツでしたよね。
ターツには、ペンチャンターツ、カンチャンターツ、リャンメンターツの3種類のターツがありました。
この中でシュンツを最も作りやすいターツはリャンメンターツでしたよね。
リャンメンターツは23、34、45、56、67、78の6種類あった事を覚えていますか?
この中で、23、34、67、78にはずばり3(7)牌が使われていますし、残りの45、56は3(7)牌が待ち牌になるということを覚えておいてください。
次にカンチャンターツです。
こちらは、13、24、35、46、57、68、79の7種類でしたよね。
この中で、3(7)牌を使っているのは、13、35、57、79の4種類。
24と68のカンチャンターツは3(7)牌が待ち牌になります。
そして46のカンチャンターツは、3(7)牌を引くことでリャンメンターツに変化するのですよ。
つまり、シュンツを構成する上でほとんど3(7)牌を使うことになることがわかりますよね。
ということは、3(7)牌はメンツ構成に非常に有効な牌であるということが言えるでしょう。
裏を返すと、3(7)牌は、相手の手牌構成に組み込まれる可能性が極めて高い牌であり、且つ、場に放たれにくい牌であると言えるのです。
これを踏まえて、ペンチャンターツの話に戻りたいと思います。
ペンチャンターツは、シュンツを作る上で、リャンメンターツに変化するのに2手掛かるため、カンチャンターツの方が優れたターツだとお話したことを覚えていますか?
実はそれだけではないのです。
ペンチャンターツの形は12か89。つまりペンチャンターツの待ちは3か7だという事です。
場に放たれにくく、しかも使用価値が高い尖張牌の3(7)牌を待ち牌にするペンチャンターツは、そういった面でも使い勝手が悪いターツだという事なのです。
カンチャンターツについても同様です。
カンチャンターツを二つに分類すると、13、24、68、79と、リャンメンターツに変化しやすい優れたカンチャンターツの、35、46、57の二種類に分類することが出来るっていうお話をしましたよね。
今度は、13、24、68、79について考えてみると、最初から手組みに尖張牌の3(7)牌が組み込まれている13と79と、尖張牌が待ち牌になっている68、79とでは、若干ですが13、79の方が優れた(アガりやすい?)カンチャンターツだと言えるのかも知れません。
もちろん、ドラの関係や、手役の関係上、どうしても3(7)牌が待ちになるケースもあると思います。もちろんそれでいいと思いますよ。しかし、手役やドラが関係ない時には、他に選択できるターツや、優れた単独孤立牌があるようならそちらを使って新たな手組みをする方が、かえってアガリには近づくケースが多いのですよ。
話は少し逸れてしまいましたが、つまりこの3(7)牌の行方次第で、手牌構成のスピードが変わるということを理解して頂けたらと思います。
これを逆手に取ってディフェンスに活用しようとすると、メンツ手(シュンツ手)に限定して考えるとするならば、場に3(7)牌が放たれた相手の手牌進行のスピードや手組みがわかる事があるという事です。
序盤に3(7)牌を切ってくる相手がいたとしましょう。
その相手の手組みがシュンツ手だと限定して考えると、3(7)を場に放つだけの手牌に育っている可能性が高いと考えても良さそうです。
もし、切った3(7)を手牌にまだ使っていると仮定すると、その3(7)牌をまたぐ牌、つまり1-4待ちや2-5待ちの受けが残っていると考えることが出来ますし、その3(7)牌を全く使っていない形であるならば、その切った牌とは上下逆のメンツ構成や、別の色のシュンツ系を想定することが出来ますよね。そこから相手の手組みや打点、待ちを想像するためのきっかけになることが多いのです。
麻雀は絶対が無いゲームです。
しかし、絶対無いということも言える瞬間がやってくることがあります。
例えば、1、9、字牌の内、1種類でも4枚場に顔を出せば、国士無双が否定できますし、1が4枚切れれば、その色の一気通貫や123の三色同順が否定できますよね。
そういった小さなことの積み重ねから、相手の手牌やスピードを図りながら他家との間合いを詰めていくんですね。
このように、1枚の牌の情報が、大きく局面を左右することも多いのが麻雀です。
これからしばらく、牌の持つ情報を深く掘り下げていこうと思っています。
「そんなこと知ってるよ!」というようなわかりやすいことから、「へぇ~、初めて知ったよ!!」というようなプロ的な思考まで、いろいろな内容を織り交ぜてお伝えできればいいかなって思っています。
皆さんぜひ次回もお楽しみに♪
それじゃまた。望月でした~!