望月 雅継の麻雀コラム
2014年05月22日(木)
| 望月 雅継
麻雀が強くなるお話 その8
皆さんこんにちは。望月です。
A1リーグ第2節が終了しました。今回もマイナスで▲30.0P。振り返ってみると、またもや苦しい対局だったと思います。
それでもまだまだ先は長いですから、次回の対局までしっかりと調整して、決定戦進出に向けて頑張りたいと思います。
さて、前回は尖張牌についてお話をしました。覚えていますか?
3(7)牌はシュンツを構成するために極めて重要な牌だというお話をしました。
今回は5についてお話したいと思います。
5って何ていうか知ってますか?
5はね、心牌(しんぱい)って言うんですよ~。
麻雀の牌の中心となる牌、だから中心の心で心牌なんですよ。
この5は、真ん中にあるだけに使い勝手がいいんじゃないかって思っていませんか?
また、最近の麻雀には赤ドラが入っているケースが多く、ほとんど5に赤が入っていることが多いので、近年の麻雀では5がかなり重要になっているのは間違いないでしょうね。
しかし、メンツ構成に関して考えると、実は5は使いにくい牌に分類しても良いのかもしれません。
それは何故かと言いますと、5は、麻雀牌の上下を分断する牌だからなのです。
5が使われているシュンツを考えてみましょう。
5を使っているのは、345、456、567の三種類ですよね。
今度はターツです。
5を使っているターツは、35、45、56、57の4種類。
シュンツを見ても、ターツを見ても、どちらも重要なシュンツやターツであるように感じますよね。リャンメンターツの45と56、そしてカンチャンターツの中でも優れたカンチャンターツである35と57。シュンツも345、456、567と牌の中でも中心となる部分で作っているシュンツですから、とても大切な牌であることは間違いなさそうです。
しかしこの5について考えなければならない事、それは単独孤立牌であるケースと、場に放たれた場合のケースなんですね。
単独孤立牌である5に必要な牌は、3~7までの中張牌。
シュンツやメンツになりやすいのでは…と思うのですが、シュンツになった場合は45か56。
必ず受けに尖張牌の3と7が待ちになってしまいます。
3(7)牌はメンツ構成の最重要牌で、他家としても切り出したくない牌だと言えるでしょう。
ツモアガリの事だけを考えて打つのなら問題はないのですが、場に放たれにくい牌が待ちになってしまうだけに、出アガリの期待はあまり出来ないかもしれませんね。
また、自分のメンツ構成に必要でない場合のケースを考えてみましょう。
・メンツ構成に全く関係の無いケース。
・複合形から場に放たれるケース。
・裏スジに掛かるケース。
メンツ構成に全く関係が無いケースで場に放たれるケースはどういった場合か?
5が全く関係ないという事は、その放たれた5と同じ色の牌は手中に無いという事が言えるでしょう。
という事は、この5は相手のメンツ構成には関係の無い、相手の手牌を想像する時にはノイズになる牌なのですよね。そんな5が場に放たれる時は恐らく中盤から終盤。相手の手がかなり整っていると考えた方が良さそうです。
次に複合形の場合です。
いろいろな形がありますが、単純なのは455からの5、556からの5、445からの5、566からの5、などが考えられます。こういった形から5が場に放たれるのも中盤から終盤ですよね。この場合は相手の手牌構成や待ちに直結する場合がほとんどですから、このケースも5が場に放たれた場合は注意して相手の動向を見守る事が必要でしょう。
最後に裏スジに掛かるケースです。この場合が一番大切なのかもしれません。
どういったケースかと言いますと、235からの打5、578からの5。
どちらの場合も当然5を切るのですが、こういった場合の5は序盤に切られることが極めて多いことがわかりますか?
5が切られた場合、残りのターツは23か69。
待ちが1-4か6-9になるのですよね。これが有名な『序盤の5切りは1-4と6-9』という形です。これが上下を分断する牌という所以です。
ここで大切な事は、序盤の5切りから1-4か6-9の受けが残るという事で、残りのメンツ構成の形が透けてしまう可能性があるという事です。
例えば1-4か6-9か、どちらかの形が判別できたと仮定しましょうか。
5と同色の9を切った瞬間、6-9の受けは否定され、残る形が1-4となった場合のケースを考えます。
□□□□□□□□□□□23って可能性が高いってことですよね。
9が切られたってことは、同色の上目のメンツ及びターツがほとんど手中に無いってことがわかりますか?
なぜなら235□□□で□の部分がもし同色だとしたら、5を複合形として使用する方がいいからなんです。あり得る形としては、235789って形。もし5を切った後9をツモ切ったとしたら、手中にもう一メンツあるとしたら考えられるのはほとんどが上記の形なんですね。それ以外の牌姿があるとしたら、5は切らない方がいいからってことです。
複合形になるのにも関わらず、5を切るってケースだとしたら、他の色でメンツ候補が出来上がっている形だからスピードが速いって事。5を切られた後に時間が掛かるだとか、手出しが多い場合は、その色が無く他の色が複合形になっている場合が多いのです。
また、そのターツが透けることで他の部分のメンツ構成が考えやすいってこともありますね。
一番わかりやすいのが三色です。
見えた部分のターツと同じ並びの牌を切るときには注意が必要です。受けになっているか出来上がっているかはわからないので、5が切れて9が切れた場合、別の色の1234を切った場合はある程度の打点になっているケースが多いので、切るなら6789を切った方が三色に放銃することは少ないと言えますよね。
さらには、考えられる手役は別の色で当たって高いのはチャンタ系の手ですよね。
だから外掛かった牌を切るときや初牌の字牌を切るときは注意が必要ですし。
もちろん、これは序盤に5が切られた時に考えることで絶対ではないので、頭の片隅に置いておく程度で良いのかもしれません。しかし、相手のレベルが上がってきたときにはこれくらいの僅かな情報でも重要なサインとなることが多いので、注意して局面を見る様にしているのですよ。
否定できる情報を拾って、その形を頭の中から消去していく。
そして残った形、浮かび上がった形や手役を絞って、勝負していい牌とそうでない牌との違いを考えながら打牌を繰り返しているんですよね。この牌は通りやすいけど当たったら高い!だとか、この牌は危険筋だけど、ドラがなければ当たっても安い!だとかね。
たった一枚の牌の情報から、数々の情報の元になるような事が浮かび上がってくるのが麻雀の面白さであり深さですよね。次回も続けて牌の性質について考えていきたいとおもいますので楽しみにしてくださいね!
それじゃまた。望月でした~!
A1リーグ第2節が終了しました。今回もマイナスで▲30.0P。振り返ってみると、またもや苦しい対局だったと思います。
それでもまだまだ先は長いですから、次回の対局までしっかりと調整して、決定戦進出に向けて頑張りたいと思います。
さて、前回は尖張牌についてお話をしました。覚えていますか?
3(7)牌はシュンツを構成するために極めて重要な牌だというお話をしました。
今回は5についてお話したいと思います。
5って何ていうか知ってますか?
5はね、心牌(しんぱい)って言うんですよ~。
麻雀の牌の中心となる牌、だから中心の心で心牌なんですよ。
この5は、真ん中にあるだけに使い勝手がいいんじゃないかって思っていませんか?
また、最近の麻雀には赤ドラが入っているケースが多く、ほとんど5に赤が入っていることが多いので、近年の麻雀では5がかなり重要になっているのは間違いないでしょうね。
しかし、メンツ構成に関して考えると、実は5は使いにくい牌に分類しても良いのかもしれません。
それは何故かと言いますと、5は、麻雀牌の上下を分断する牌だからなのです。
5が使われているシュンツを考えてみましょう。
5を使っているのは、345、456、567の三種類ですよね。
今度はターツです。
5を使っているターツは、35、45、56、57の4種類。
シュンツを見ても、ターツを見ても、どちらも重要なシュンツやターツであるように感じますよね。リャンメンターツの45と56、そしてカンチャンターツの中でも優れたカンチャンターツである35と57。シュンツも345、456、567と牌の中でも中心となる部分で作っているシュンツですから、とても大切な牌であることは間違いなさそうです。
しかしこの5について考えなければならない事、それは単独孤立牌であるケースと、場に放たれた場合のケースなんですね。
単独孤立牌である5に必要な牌は、3~7までの中張牌。
シュンツやメンツになりやすいのでは…と思うのですが、シュンツになった場合は45か56。
必ず受けに尖張牌の3と7が待ちになってしまいます。
3(7)牌はメンツ構成の最重要牌で、他家としても切り出したくない牌だと言えるでしょう。
ツモアガリの事だけを考えて打つのなら問題はないのですが、場に放たれにくい牌が待ちになってしまうだけに、出アガリの期待はあまり出来ないかもしれませんね。
また、自分のメンツ構成に必要でない場合のケースを考えてみましょう。
・メンツ構成に全く関係の無いケース。
・複合形から場に放たれるケース。
・裏スジに掛かるケース。
メンツ構成に全く関係が無いケースで場に放たれるケースはどういった場合か?
5が全く関係ないという事は、その放たれた5と同じ色の牌は手中に無いという事が言えるでしょう。
という事は、この5は相手のメンツ構成には関係の無い、相手の手牌を想像する時にはノイズになる牌なのですよね。そんな5が場に放たれる時は恐らく中盤から終盤。相手の手がかなり整っていると考えた方が良さそうです。
次に複合形の場合です。
いろいろな形がありますが、単純なのは455からの5、556からの5、445からの5、566からの5、などが考えられます。こういった形から5が場に放たれるのも中盤から終盤ですよね。この場合は相手の手牌構成や待ちに直結する場合がほとんどですから、このケースも5が場に放たれた場合は注意して相手の動向を見守る事が必要でしょう。
最後に裏スジに掛かるケースです。この場合が一番大切なのかもしれません。
どういったケースかと言いますと、235からの打5、578からの5。
どちらの場合も当然5を切るのですが、こういった場合の5は序盤に切られることが極めて多いことがわかりますか?
5が切られた場合、残りのターツは23か69。
待ちが1-4か6-9になるのですよね。これが有名な『序盤の5切りは1-4と6-9』という形です。これが上下を分断する牌という所以です。
ここで大切な事は、序盤の5切りから1-4か6-9の受けが残るという事で、残りのメンツ構成の形が透けてしまう可能性があるという事です。
例えば1-4か6-9か、どちらかの形が判別できたと仮定しましょうか。
5と同色の9を切った瞬間、6-9の受けは否定され、残る形が1-4となった場合のケースを考えます。
□□□□□□□□□□□23って可能性が高いってことですよね。
9が切られたってことは、同色の上目のメンツ及びターツがほとんど手中に無いってことがわかりますか?
なぜなら235□□□で□の部分がもし同色だとしたら、5を複合形として使用する方がいいからなんです。あり得る形としては、235789って形。もし5を切った後9をツモ切ったとしたら、手中にもう一メンツあるとしたら考えられるのはほとんどが上記の形なんですね。それ以外の牌姿があるとしたら、5は切らない方がいいからってことです。
複合形になるのにも関わらず、5を切るってケースだとしたら、他の色でメンツ候補が出来上がっている形だからスピードが速いって事。5を切られた後に時間が掛かるだとか、手出しが多い場合は、その色が無く他の色が複合形になっている場合が多いのです。
また、そのターツが透けることで他の部分のメンツ構成が考えやすいってこともありますね。
一番わかりやすいのが三色です。
見えた部分のターツと同じ並びの牌を切るときには注意が必要です。受けになっているか出来上がっているかはわからないので、5が切れて9が切れた場合、別の色の1234を切った場合はある程度の打点になっているケースが多いので、切るなら6789を切った方が三色に放銃することは少ないと言えますよね。
さらには、考えられる手役は別の色で当たって高いのはチャンタ系の手ですよね。
だから外掛かった牌を切るときや初牌の字牌を切るときは注意が必要ですし。
もちろん、これは序盤に5が切られた時に考えることで絶対ではないので、頭の片隅に置いておく程度で良いのかもしれません。しかし、相手のレベルが上がってきたときにはこれくらいの僅かな情報でも重要なサインとなることが多いので、注意して局面を見る様にしているのですよ。
否定できる情報を拾って、その形を頭の中から消去していく。
そして残った形、浮かび上がった形や手役を絞って、勝負していい牌とそうでない牌との違いを考えながら打牌を繰り返しているんですよね。この牌は通りやすいけど当たったら高い!だとか、この牌は危険筋だけど、ドラがなければ当たっても安い!だとかね。
たった一枚の牌の情報から、数々の情報の元になるような事が浮かび上がってくるのが麻雀の面白さであり深さですよね。次回も続けて牌の性質について考えていきたいとおもいますので楽しみにしてくださいね!
それじゃまた。望月でした~!