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望月 雅継の麻雀コラム

2014年08月11日(月)

麻雀が強くなるお話 その13

皆さんこんにちは。望月です。
いよいよ今回が99回目のコラムですよ~!
月に二回の更新ですから4年以上もの間このコラムを執筆させて頂いていることになるんですよね~。なんか感慨深いなぁって思っていますよ。

内容のある事ばかり書いているわけじゃなくって、いろんな想いを自由に書かせてもらっているなって感じています。もっと皆さんの雀力向上に役立つ内容が書ければいいのですが…。

実は私は、麻雀の戦術や知識について、数年前まではあまり書かない方がいいのでは…と考えていました。

それは自分自身の考えを世に出すことは、自分にとってあまりプラスに働かないのではとの想いからでした。しかし、時代は映像時代に突入し、自分の選択や打牌が世の中の多くの麻雀ファンの皆さんの目に触れることになってきたのです。

また、解説などの仕事が増えるにつれ、自分の麻雀観を伝えていかない事には発言に説得力が無くなるという事も理由の一つです。

麻雀プロであるなら、一打一打の打牌やアクションに理由がなくてはなりません。また、その打牌の裏側にある覚悟と責任についても語る必要がありますよね。

ですから、このコラムを通じて、対局している時にどんな事を考えて麻雀を打っているのか、普段はどんな事を考えて麻雀と向き合っているのか、私の考えている基本的な技術や戦術はどのようなモノであるのか、いろいろな事をお伝えしなければいけないと感じたからこそ、このコラムで執筆させて頂いているのでしょうね。


これからも一生懸命書かせて頂きたいと思っていますので、この先150回、200回とご愛顧頂きます様、よろしくお願いいたします。


さて今回は、4(6)牌について考えていきたいと思います。さらには、前回お伝えした2(8)牌についてももう一度触れていくとのお話でした。


牌の性質のお話をここまでしてきましたが、数牌の説明の中では一番最後となってしまった4(6)牌。しかし4(6)牌の必要度が低いというわけではありません。
実は4(6)牌というのは、現代麻雀において極めて重要な役割を果たす牌なのです。

それは何故なのか?
そのカギを握るのは赤5牌の存在です。

今一般的に行われている麻雀には、かなりの確率で赤5牌が採用されています。(もちろん麻雀プロが行う競技麻雀には赤5牌は入っていませんが。)

マンズ、ピンズ、ソウズに各1枚ずつ入っているのが一般的でしょうが、ピンズの⑤だけ2枚入っていたりするパターンもありますし、インフレルールでは全ての5が赤になっているケースもあるでしょう。

5が常にドラだということはどういったことなのでしょうか?

赤を使い切ってアガりたい。
赤の受け入れを常に残したい。

このような思考が生まれて当然ですよね。

という事は、赤を使ったメンツやターツの比重が大きくなるという事ですよね。

46のカン5待ちや、赤を使った35のカン4待ち、57のカン6待ちが通常よりも多く出現するようになるのですよ。


ここで触れる35、46、57というカンチャンターツは、以前『優れたカンチャンターツ』だというお話をしました。ここでの“優れた”という意味は、どちらの両隣を引いてもリャンメンターツに変化するといった意味での“優れた”カンチャンターツだったのですが、今回触れるこの35、46、57のカンチャンターツの意味は少し違います。

手牌変化や受け入れの面で優れているのではなく、あくまで赤5を使い切る為の使用頻度の上昇ですから、手牌構成や手役構成にはあまり関係が無く、ただ単純に使用価値が上がり場に放たれにくくなるといったことが言えるのでしょう。


この赤5牌の影響は他にもあります。
手牌構成が赤5を中心に組まれることや、ドラの枚数が以前の麻雀よりも増えた為、手役の重要性が(特に単独2翻役が)下がってしまったことです。

反面、簡単に作れる役、特に役牌とタンヤオの価値が上がったといってもいいでしょう。
役牌の仕掛けは赤無しの対局より早くなりますし、タンヤオの重要度といったら、比較にならないくらいに大切な手役になっていますよね。赤5牌を確実に使い切ることが出来る手役ですから。

5を使い切る、手牌をタンヤオに寄せる、ということはどういうことか?
それは手牌を内に寄せていくということですよね。

2(8)牌の時に触れましたが、実は場に牌が多く放たれると、手中の牌の性質が変化するのですよ。
2(8)牌の場合、同色の1(9)牌が4枚切られると、その2(8)牌が一番外側の牌になりますから、2(8)牌の持っている性質が1(9)牌と同じになるのです。

以前このようなお話をしたと思います。
ということは、同色の1(9)牌が4枚切られると、4(6)牌など他の牌も一つずつ横にスライドして、持っている牌の性質が変化するんですね。
2(8)牌が1(9)牌に、3(7)牌が2(8)牌に、そして4(6)牌が3(7)牌の性質を持つように変化することになるのです。


つまり4(6)牌は、使用頻度が上がるだけでなく、同色の1(9)牌が4枚切られた場合には尖張牌としての性質を持ち合わせることになるのですよ。

シュンツを構成する上では非常に大切な役割となる尖張牌の性質も兼ね備えるとなると、この4(6)牌の価値は格段に上昇しますよね。

このような性質の変化までお話すると、現代麻雀において本当に必要な牌は3(7)牌ではなく、5牌でもなく、4(6)牌なのかもしれませんよ。

しかし、やはり重要なのは3(7)牌なのは間違いありません。
ここまでの重要度で並べてみると、

3(7)牌>4(6)牌≧5牌>>>2(8)牌>>1(9)牌

といったところでしょうか。


ただ、局面によっては、

4(6)牌≧3(7)牌

や、

3(7)牌>5牌≧4(6)牌

となる瞬間もあるので注意が必要です。


その微妙な牌の性質の変化を見極めるには、相手の手中にどんな牌が使われているのかということと、場に何が切られているか?ということです。

つまり、山に残っている牌を考えることによって、手牌構成の牌の意味そのものも変化してしまうということなのです。

極端な話で言いますと、7がいくら尖張牌だといっても、8と9が4枚ずつ場に顔を出しているような状況下においては、7が1(9)牌と同じ性質を持った牌に成り下がってしまうということなんですよね。そういった状況下においては、6が2(8)牌になり、5が3(7)牌になるということなんですね。

しかし、1の方から考えると5はやはり5牌としての性質を持っているわけで、5は5牌と3(7)牌の性質を兼ね備えた牌になるってことなんです。ちょっと難しいかな?


もちろん、考えなければならないことの優先順位としては、まずは自分の手牌、そして場況から相手の手牌が優先されることは紛れもない事実なのですが、こういった牌の性質の局面から、自分の手牌構成や場況対応をしてみることも面白いのかも知れませんよ。かなり難しい分野であることは間違いありませんが。

というように、ここまでは数牌の性質についてお話してきました。
次回からは、字牌について考えていきたいと思います。


さぁいよいよ次回は記念すべき100回目ですね~。
何を書こうか今から悩んでいますが、これからも皆さんに楽しく読んで頂けるような内容にしたいと思っています。次回も是非お楽しみに♪

それじゃまた。望月でした~!