望月 雅継の麻雀コラム
2011年02月16日(水)
| 望月 雅継
AⅡリーグ最終節
ど~も。望月です。
ようやく一年間の長いリーグ戦が終了しました。
結果はというと…
なんとか二位でAⅠリーグ昇級を果たしました~!パチパチ(笑)
結果だけ見れば、昇級という素晴らしい形で終えたわけですが、内容はというと…(涙)
一年間の反省をも含めた形で振り返っていきたいと思います。
今回のAⅡリーグ最終節を迎えるに当たって、一番大事に考えていたことはまず体調管理。
プロは体が資本ですし、いい結果を齎す為には健康体で対局を迎えることが一番肝心ですからね。
『よく食べて、よく眠ること』
この時期に風邪を引かない為には、これが一番大切です。
そして、
『手洗い、うがいを忘れないこと』
麻雀荘を経営する私は、いつ何時でも不特定多数の方々と接することになるわけでして、どこからウイルスを頂戴するかなんてわかりませんよね。ましてや麻雀は手を使ってする競技なのですから、常にそういった部分にまで気を遣わなければなりません。
事実、この時期になると毎年のように風邪を引く虚弱体質の私なのですから、念には念を入れてもいいですよね。
外出した時には必ず『手洗い、うがい』それも、必ずうがい薬を用いてね。
消毒用のアルコールがあるところでは(当然当店にも完備です)、気が付けば消毒するように心がけました。
そしてとどめは、
『早めのパブロン!』
これが私の必勝法でもありますんでね。
ちょっとでも違和感を感じたらすぐに薬を飲むようにしてるんです。
おかげで、多少不調日はあったものの、なんとか健康体で対局に臨むことができました。
そして当日。
今回のAⅡリーグは都合により五人打ちとなってまして、今回は現在二位のダンプ大橋プロ、
勝又プロ、斉藤プロ、四柳プロとの対戦。そして抜け番は最終節に限り現在の順位順ということになりまして、私望月は一回戦の抜け番ということになりました。
この時点で、なんだかすご~く嫌な予感はしていたのですが…
というのも、私は自他ともに認める極端なスロースターターな訳でして。
いつも五人打ちの時はスタートはなるべくなら卓に座っていたいって思ってるんですよね。だって抜け番だと、他の四人は結果はどうあれ、肩が温まった状態で二回戦を向かえる反面、自分は手探りのままスタートしなくてはならないのですから。
あっ、断っておきますけど、これはあくまで“私が”感じていることでして、万人がそうだって言っているわけではないですからね。それも苦手って訳じゃなく、どっちかというと“打ちたい!”ってことですから。
そんな感じで始まった緒戦(他のプロは二回戦)、東2局私の親番に事件が発生しました。
なんと勝又プロが四暗刻をツモったのです!いや~、お見事。
7と九のシャンポンで九をツモ。前巡の私の打牌候補には7が。
切っておけば…なんて事は全く考えないんですけどね、勝又プロの対面に座った私の眼には、その彼の自摸動作の美しさが飛び込んできたわけですよ。
普段と全く変わらない所作でのツモ動作。
背筋に一本筋の通った彼のフォームはいつも美しいのですが、彼の立ち居振る舞いを見て、
「さすがプロだなっ。さすがAリーガーだなっ!」
と感じたのです。
もちろん彼の実力は十分に理解しているつもりです。Cリーグ時代から何度も手合せして、私はたくさんの苦汁を飲まされているわけですから。
そんな彼の姿を見た私には、この時点ではまだ、AⅠリーグの高い壁が大きく圧し掛かるとは夢にも思いませんでした。
何故ならまだこの四暗刻を被ったとしても、順位点を入れてラスに終わったとしても、まだまだ十分な貯金があったのですから。
開始時、二位のダンプ大橋プロとのポイント差は13P。三位とは150Pの開きがありました。
一回戦、僅かながらにマイナスに終わったダンプ大橋プロとの差は18P。このラスを引いても、まだまだ優勝を狙えるポジションにいますし、勝又プロとは200P近く離れてスタートしたのですから、まだまだ意識する場面ではありませんよね。
ただ、自分の状態が並み以下なのは意識しなくてはいけないところ。
チー ポン
こんな牌姿から、いつもは当然打なのが私のスタイル。
もちろん門前ならですけど、仕掛けていて形が決まらない最終形が残ったケースはフラットに打つことにしていますので。
しかし、常時ではないからこその開局早々の役満の親被り。
ここはあえて変化球をと打。程なく7700での出上がり。
これが、悪かったのでしょうか?
そんなことはないと信じたいのですが、残念ながらこれが私の最初で最後の見せ場となったのです。
ここからの勝又プロが強かった。
誰にも止められない連荘に私は防戦一方。
ここ最近は受けを主体にしているだけに、前にでるきっかけすら作らせてもらえません。
また、降級争いをしている二人も必死です。
受ける私を尻目に、魂のこもった打牌で応戦します。
結果、私はジリジリと点数を減らし1万点を切ったラス。
もちろん受け入れる準備もしていましたし、まだまだ逆転優勝も狙えます。
こんなことくらいでへこたれる様な稽古もしていませんしね。
気持ちを切り替えて迎えた2回戦。
苦しいことは変わらないながらも、粘りに粘って沈みの2着。
マイナスを増やしたものの、再度ダンプ大橋プロを捲って首位に立ちます。
しかし、ここからが悪かった。
三回戦、相変わらず防戦一方で点数を減らしていく中、心掛けも手組みも変化してしまったのです。
知らず知らずのうちにテンパイを急ぐ手牌構成になり、結果には表れないながらもバランスを欠くような内容に、今思えば自分らしくないなぁ~って思うんですよね。
でも、その時の自分の精神状況を振り返ってみると、なんとか食い下がろうという思いが強すぎたんでしょうね。勝ちに急いでいるわけじゃないんですけどね、どうにかしなくちゃいけないってずっと思ってました。
そして迎えたオーラスの親番、普段仕掛けない役牌の一鳴きからの満貫放銃。
そういったケアレスミスがないからこの位置まで駆け上がってこれたのに、自分らしさを帳消しにするような、本当にもったいない一打を打ってしまったのです。
もちろん、数字的にも本当に大きな放銃で、満貫を放銃してラスに転落。
打つと打たないとでは大違い。
最終戦を残し、首位のダンプ大橋プロとは27P差。
先ほどの放銃がなければ15P差だったわけで、これなら逆転優勝もかなり現実的だったのですけど…
最終戦は、当然のように開局からダンプ大橋プロが絶好調。
何もできずにノーホーラのラスを受け入れ、私のAⅡリーグは幕を閉じました。
が…実はこれで終わりではなかったのです。
最終戦開始前、私と勝又プロが約75P差。4位の山田プロとは約80P離れていました。
私と勝又プロとは同卓でしたので、差は縮まったものの順位は変わらず。
残すは別卓の山田プロの結果待ちなのですが…
山田プロが大爆発!!
私が見たときには72000点持ちのマルAトップ状態(一人浮きのトップ)。
もう一度跳満を引きあがると、なんと私と順位が入れ替わるところまで追いつめていたのです。
しかし結果は順位は変わることなく終局。これで、私の来期のAⅠ復帰が確定したのです。
思えば、昨年の不調からここまで、本当に長く苦しい道程でした。
麻雀プロとしての在り方を考え直したり、プレーヤーとしての自らの資質を見つめなおしたり、その全てがこのAⅠ復帰で報われた気がします。
内容は決して褒められたものではないですし、最終戦、こうやって追い込まれたことも大きな課題の一つではありますが、一年間積み上げたポイントがあってこそ昇級することができたのも事実です。優勝できなかったことは素直に悔しいですが、これは来年度の鳳凰位決定戦まで取っておくことにしますね(笑)
4月からはようやく、AⅠリーグでの戦いを皆さんにお伝えできるかと思います。
AⅡ以上に強敵揃いとはなりますが、AⅠでも自分らしい麻雀を最後まで打ち続けたいと思っています。これからも応援よろしくお願いいたします。
ようやく一年間の長いリーグ戦が終了しました。
結果はというと…
なんとか二位でAⅠリーグ昇級を果たしました~!パチパチ(笑)
結果だけ見れば、昇級という素晴らしい形で終えたわけですが、内容はというと…(涙)
一年間の反省をも含めた形で振り返っていきたいと思います。
今回のAⅡリーグ最終節を迎えるに当たって、一番大事に考えていたことはまず体調管理。
プロは体が資本ですし、いい結果を齎す為には健康体で対局を迎えることが一番肝心ですからね。
『よく食べて、よく眠ること』
この時期に風邪を引かない為には、これが一番大切です。
そして、
『手洗い、うがいを忘れないこと』
麻雀荘を経営する私は、いつ何時でも不特定多数の方々と接することになるわけでして、どこからウイルスを頂戴するかなんてわかりませんよね。ましてや麻雀は手を使ってする競技なのですから、常にそういった部分にまで気を遣わなければなりません。
事実、この時期になると毎年のように風邪を引く虚弱体質の私なのですから、念には念を入れてもいいですよね。
外出した時には必ず『手洗い、うがい』それも、必ずうがい薬を用いてね。
消毒用のアルコールがあるところでは(当然当店にも完備です)、気が付けば消毒するように心がけました。
そしてとどめは、
『早めのパブロン!』
これが私の必勝法でもありますんでね。
ちょっとでも違和感を感じたらすぐに薬を飲むようにしてるんです。
おかげで、多少不調日はあったものの、なんとか健康体で対局に臨むことができました。
そして当日。
今回のAⅡリーグは都合により五人打ちとなってまして、今回は現在二位のダンプ大橋プロ、
勝又プロ、斉藤プロ、四柳プロとの対戦。そして抜け番は最終節に限り現在の順位順ということになりまして、私望月は一回戦の抜け番ということになりました。
この時点で、なんだかすご~く嫌な予感はしていたのですが…
というのも、私は自他ともに認める極端なスロースターターな訳でして。
いつも五人打ちの時はスタートはなるべくなら卓に座っていたいって思ってるんですよね。だって抜け番だと、他の四人は結果はどうあれ、肩が温まった状態で二回戦を向かえる反面、自分は手探りのままスタートしなくてはならないのですから。
あっ、断っておきますけど、これはあくまで“私が”感じていることでして、万人がそうだって言っているわけではないですからね。それも苦手って訳じゃなく、どっちかというと“打ちたい!”ってことですから。
そんな感じで始まった緒戦(他のプロは二回戦)、東2局私の親番に事件が発生しました。
なんと勝又プロが四暗刻をツモったのです!いや~、お見事。
7と九のシャンポンで九をツモ。前巡の私の打牌候補には7が。
切っておけば…なんて事は全く考えないんですけどね、勝又プロの対面に座った私の眼には、その彼の自摸動作の美しさが飛び込んできたわけですよ。
普段と全く変わらない所作でのツモ動作。
背筋に一本筋の通った彼のフォームはいつも美しいのですが、彼の立ち居振る舞いを見て、
「さすがプロだなっ。さすがAリーガーだなっ!」
と感じたのです。
もちろん彼の実力は十分に理解しているつもりです。Cリーグ時代から何度も手合せして、私はたくさんの苦汁を飲まされているわけですから。
そんな彼の姿を見た私には、この時点ではまだ、AⅠリーグの高い壁が大きく圧し掛かるとは夢にも思いませんでした。
何故ならまだこの四暗刻を被ったとしても、順位点を入れてラスに終わったとしても、まだまだ十分な貯金があったのですから。
開始時、二位のダンプ大橋プロとのポイント差は13P。三位とは150Pの開きがありました。
一回戦、僅かながらにマイナスに終わったダンプ大橋プロとの差は18P。このラスを引いても、まだまだ優勝を狙えるポジションにいますし、勝又プロとは200P近く離れてスタートしたのですから、まだまだ意識する場面ではありませんよね。
ただ、自分の状態が並み以下なのは意識しなくてはいけないところ。
チー ポン
こんな牌姿から、いつもは当然打なのが私のスタイル。
もちろん門前ならですけど、仕掛けていて形が決まらない最終形が残ったケースはフラットに打つことにしていますので。
しかし、常時ではないからこその開局早々の役満の親被り。
ここはあえて変化球をと打。程なく7700での出上がり。
これが、悪かったのでしょうか?
そんなことはないと信じたいのですが、残念ながらこれが私の最初で最後の見せ場となったのです。
ここからの勝又プロが強かった。
誰にも止められない連荘に私は防戦一方。
ここ最近は受けを主体にしているだけに、前にでるきっかけすら作らせてもらえません。
また、降級争いをしている二人も必死です。
受ける私を尻目に、魂のこもった打牌で応戦します。
結果、私はジリジリと点数を減らし1万点を切ったラス。
もちろん受け入れる準備もしていましたし、まだまだ逆転優勝も狙えます。
こんなことくらいでへこたれる様な稽古もしていませんしね。
気持ちを切り替えて迎えた2回戦。
苦しいことは変わらないながらも、粘りに粘って沈みの2着。
マイナスを増やしたものの、再度ダンプ大橋プロを捲って首位に立ちます。
しかし、ここからが悪かった。
三回戦、相変わらず防戦一方で点数を減らしていく中、心掛けも手組みも変化してしまったのです。
知らず知らずのうちにテンパイを急ぐ手牌構成になり、結果には表れないながらもバランスを欠くような内容に、今思えば自分らしくないなぁ~って思うんですよね。
でも、その時の自分の精神状況を振り返ってみると、なんとか食い下がろうという思いが強すぎたんでしょうね。勝ちに急いでいるわけじゃないんですけどね、どうにかしなくちゃいけないってずっと思ってました。
そして迎えたオーラスの親番、普段仕掛けない役牌の一鳴きからの満貫放銃。
そういったケアレスミスがないからこの位置まで駆け上がってこれたのに、自分らしさを帳消しにするような、本当にもったいない一打を打ってしまったのです。
もちろん、数字的にも本当に大きな放銃で、満貫を放銃してラスに転落。
打つと打たないとでは大違い。
最終戦を残し、首位のダンプ大橋プロとは27P差。
先ほどの放銃がなければ15P差だったわけで、これなら逆転優勝もかなり現実的だったのですけど…
最終戦は、当然のように開局からダンプ大橋プロが絶好調。
何もできずにノーホーラのラスを受け入れ、私のAⅡリーグは幕を閉じました。
が…実はこれで終わりではなかったのです。
最終戦開始前、私と勝又プロが約75P差。4位の山田プロとは約80P離れていました。
私と勝又プロとは同卓でしたので、差は縮まったものの順位は変わらず。
残すは別卓の山田プロの結果待ちなのですが…
山田プロが大爆発!!
私が見たときには72000点持ちのマルAトップ状態(一人浮きのトップ)。
もう一度跳満を引きあがると、なんと私と順位が入れ替わるところまで追いつめていたのです。
しかし結果は順位は変わることなく終局。これで、私の来期のAⅠ復帰が確定したのです。
思えば、昨年の不調からここまで、本当に長く苦しい道程でした。
麻雀プロとしての在り方を考え直したり、プレーヤーとしての自らの資質を見つめなおしたり、その全てがこのAⅠ復帰で報われた気がします。
内容は決して褒められたものではないですし、最終戦、こうやって追い込まれたことも大きな課題の一つではありますが、一年間積み上げたポイントがあってこそ昇級することができたのも事実です。優勝できなかったことは素直に悔しいですが、これは来年度の鳳凰位決定戦まで取っておくことにしますね(笑)
4月からはようやく、AⅠリーグでの戦いを皆さんにお伝えできるかと思います。
AⅡ以上に強敵揃いとはなりますが、AⅠでも自分らしい麻雀を最後まで打ち続けたいと思っています。これからも応援よろしくお願いいたします。