馬場 裕一の麻雀コラム
2011年03月08日(火)
| 馬場 裕一
成瀬朱美プロの一打
●東2局●北家●5巡目
ツモ ドラ
4年前の今頃、僕は第2期夕刊フジ杯の準備に追われていました。
大幅にシステムが変更され、ルールの整備や会場の確保、スタッフの手配等にテンヤワンヤ。
特に頭を悩ませたのが出場メンバーの選定でした。
いろいろな事情により、有望な新人女子プロが必要とされていたのです。
「この娘はどうでしょう」
ある日スタッフの1人が、一冊の雑誌を僕に差し出しました。
雑誌名は「麻雀@(まーじゃんあっと)」。
オンライン麻雀情報誌と銘打った専門誌です。
表紙を飾っていたのは可愛い女性――
僕「誰?」
スタッフ「麻雀@のイメージガールだそうです」
僕「タレントさん?」
スタッフ「いえ、麻雀プロです」
僕「ええ~っ!?」w(°0°)w
こんな可愛い女性が女子プロをやっていたなんて全然知りませんでした。
聞けば、まだプロになったばかりだというではありませんか。
僕は決断しました。
「この娘に出てもらおう」
かくしてその新人プロは、新生の夕刊フジ杯に出場することになったのです。
しかし、彼女の第1節の成績は散々でした。
ほとんどラスを引いて断然の最下位。
新人だからしょうがない、これがキャリアの差と、僕たち運営サイドはそれなりに納得しました。
だけど、彼女はそうではなかったらしい。
見た目の柔らかな印象と違って、彼女は無類の負けず嫌いだったのでしょう。
独学か、それとも誰かの指導を受けたのか、夕刊フジ杯のリーグ戦を重ねる度に、彼女のレベルは上がっていったのです。
同時に順位のほうもグングン上昇。
リーグ戦が終わる頃には何とトップで予選をクリアしたのでした。
続く決勝戦も彼女の勢いは止まりません。
結果は見事優勝(≧▼≦)
「第2期麻雀女王」のタイトルを奪取したのであります。
さらに翌年(第3期麻雀女王)も優勝して、2連覇達成。
こうして彼女は名実共に、日本プロ麻雀協会を代表する女流プロへと成長を遂げたのでした。
ここまで書けば、彼女の正体はもうおわかりでしょう。
癒し系女流プロとして全国数多くのファンから熱い支持を得ている成瀬朱美プロ、その人であります。
“なるちゃん”こと成瀬朱美プロの「癒し系オーラ」は本当に凄い。
どんなに荒くれた乱暴雀士も、彼女と卓を囲めばたった1局で「紳士」に変身してしまいます。
そうせざるを得ない空気が卓上を包み込むのです。
もちろん意図的な「作り」ではありません。
成瀬プロはあくまでも自然体で、その空気というかオーラを全身から発するのです。
信じられない方は、一度彼女と卓を囲んでみてください。
半荘1回打てば、例外なく「成瀬ファン」になってしまうことは間違いないでしょう。
もちろん彼女の魅力は「癒し」だけではない。
その打ち筋にもキラリと光るものがあります。
ツモ ドラ
上図の手牌をご覧ください。
南4局、つまりオーラスの西家です。
7巡目に 六竹 を引いてきました。
西家は現在3着。
ただし満貫をアガればトップという状況。
さて、あなたなら何を切りますか?
ソーズにイーペーコーの可能性があるので、おそらく孤立牌の 六筒 を切るという人が少なくないでしょう。
しかし成瀬プロは少考した後、ここから 一竹 を切り出しました。
満貫のアガリを目指すためにタンヤオ678の三色を狙いにむかったのです。
結果は9巡目に 七竹 を引いて打 一竹 。
次に 六筒 が重なってテンパイ。
ツモ
これではリーチをかけても出アガリ満貫にはなりませんが、成瀬プロは迷わず 二竹 を横に曲げて「リーチ!」
「ツモ専(ツモアガリ専従)」に賭けて勝負に出たのです。
すると一発で 八万 をツモ!
一発ツモ ドラ 裏ドラ
しかも裏ドラがアンコの 三万 !w(°0°)w
満貫どころか倍満のアガリに仕上げて、大トップをものにしたのでありました。
このように条件に合わせた手作りを得意とするのが成瀬流。
考えてみれば「順位取り麻雀」の夕刊フジ杯を連覇するのも、当然のことだったのかもしれません。
ツモ ドラ
4年前の今頃、僕は第2期夕刊フジ杯の準備に追われていました。
大幅にシステムが変更され、ルールの整備や会場の確保、スタッフの手配等にテンヤワンヤ。
特に頭を悩ませたのが出場メンバーの選定でした。
いろいろな事情により、有望な新人女子プロが必要とされていたのです。
「この娘はどうでしょう」
ある日スタッフの1人が、一冊の雑誌を僕に差し出しました。
雑誌名は「麻雀@(まーじゃんあっと)」。
オンライン麻雀情報誌と銘打った専門誌です。
表紙を飾っていたのは可愛い女性――
僕「誰?」
スタッフ「麻雀@のイメージガールだそうです」
僕「タレントさん?」
スタッフ「いえ、麻雀プロです」
僕「ええ~っ!?」w(°0°)w
こんな可愛い女性が女子プロをやっていたなんて全然知りませんでした。
聞けば、まだプロになったばかりだというではありませんか。
僕は決断しました。
「この娘に出てもらおう」
かくしてその新人プロは、新生の夕刊フジ杯に出場することになったのです。
しかし、彼女の第1節の成績は散々でした。
ほとんどラスを引いて断然の最下位。
新人だからしょうがない、これがキャリアの差と、僕たち運営サイドはそれなりに納得しました。
だけど、彼女はそうではなかったらしい。
見た目の柔らかな印象と違って、彼女は無類の負けず嫌いだったのでしょう。
独学か、それとも誰かの指導を受けたのか、夕刊フジ杯のリーグ戦を重ねる度に、彼女のレベルは上がっていったのです。
同時に順位のほうもグングン上昇。
リーグ戦が終わる頃には何とトップで予選をクリアしたのでした。
続く決勝戦も彼女の勢いは止まりません。
結果は見事優勝(≧▼≦)
「第2期麻雀女王」のタイトルを奪取したのであります。
さらに翌年(第3期麻雀女王)も優勝して、2連覇達成。
こうして彼女は名実共に、日本プロ麻雀協会を代表する女流プロへと成長を遂げたのでした。
ここまで書けば、彼女の正体はもうおわかりでしょう。
癒し系女流プロとして全国数多くのファンから熱い支持を得ている成瀬朱美プロ、その人であります。
“なるちゃん”こと成瀬朱美プロの「癒し系オーラ」は本当に凄い。
どんなに荒くれた乱暴雀士も、彼女と卓を囲めばたった1局で「紳士」に変身してしまいます。
そうせざるを得ない空気が卓上を包み込むのです。
もちろん意図的な「作り」ではありません。
成瀬プロはあくまでも自然体で、その空気というかオーラを全身から発するのです。
信じられない方は、一度彼女と卓を囲んでみてください。
半荘1回打てば、例外なく「成瀬ファン」になってしまうことは間違いないでしょう。
もちろん彼女の魅力は「癒し」だけではない。
その打ち筋にもキラリと光るものがあります。
ツモ ドラ
上図の手牌をご覧ください。
南4局、つまりオーラスの西家です。
7巡目に 六竹 を引いてきました。
西家は現在3着。
ただし満貫をアガればトップという状況。
さて、あなたなら何を切りますか?
ソーズにイーペーコーの可能性があるので、おそらく孤立牌の 六筒 を切るという人が少なくないでしょう。
しかし成瀬プロは少考した後、ここから 一竹 を切り出しました。
満貫のアガリを目指すためにタンヤオ678の三色を狙いにむかったのです。
結果は9巡目に 七竹 を引いて打 一竹 。
次に 六筒 が重なってテンパイ。
ツモ
これではリーチをかけても出アガリ満貫にはなりませんが、成瀬プロは迷わず 二竹 を横に曲げて「リーチ!」
「ツモ専(ツモアガリ専従)」に賭けて勝負に出たのです。
すると一発で 八万 をツモ!
一発ツモ ドラ 裏ドラ
しかも裏ドラがアンコの 三万 !w(°0°)w
満貫どころか倍満のアガリに仕上げて、大トップをものにしたのでありました。
このように条件に合わせた手作りを得意とするのが成瀬流。
考えてみれば「順位取り麻雀」の夕刊フジ杯を連覇するのも、当然のことだったのかもしれません。