望月 雅継の麻雀コラム
2011年06月15日(水)
| 望月 雅継
A1リーグ第3節
皆さんこんにちは。望月です。
今回はA1リーグ第3節の自戦記をお伝えしたいと思います。
ここまでマイナス40P弱と劣勢が続いていますので、ここは是が非でもプラスで終わりたいところ。とはいえ、まだ前半戦ですのでどこまで自分の麻雀を打つことが出来るかを今回のテーマに掲げ、対局に臨みました。
今回の対戦相手は、伊藤優孝プロ、前原雄大プロ、石渡正志プロの三名。特に前原プロとは2節連続の対戦で、前節は大きくプラスポイントを叩かれているだけに何とかしたいところではありますが…
そんな思惑とは裏腹に、前原プロが開局から飛ばします。
4000オールを皮切りに、次々と加点を続けます。
私望月はと言いますと、前原プロの連荘中、三局全て仕掛けを打っての前原プロのアガリ。
その全てがテンパイでの競り負けとなり、イヤ~な感じでのスタートとなりました。
元々門前志向が強い私ですが、今期は以前とは少しだけ違うスタイルで戦おうと考えています。それは、『戦う』ということ。以前より少しだけ踏み込みを深くして、手数を多くすることにより、局面から消えてしまうことなく最後まで粘り強く戦うといったイメージです。
それは、鳳凰位決定戦を観戦して気が付いた、自分のウイークポイントの払拭の為なのです。日本のトッププレーヤーとの対局では、オフェンスとディフェンスのバランスが問われます。大きく構えて高打点を狙う私のスタイルの欠点は、手牌が揃わないと場から“消えてしまう”こと。アガリの精度も高くスピードが速いA1リーグでは、自分の持ち味が消されてしまう恐れがあると考えたからです。
これも全て鳳凰位奪還の為のマイナーチェンジなのです。もちろん門前重視なのは変わらないのですが、いろいろな形での戦い方を攻撃のバリエーションに入れていかないとこれからは苦しくなりますからね。
点数を持った時の前原プロの盤石な戦い方は、イヤというほど経験しています。
ここが難しい所なのですが、こういったときは自分一人で何とかするのではなく、残りの三者が協力体制で戦うことも必要なのです。この日は、三人の意思がうまくリンクし、局面に逢った対応の仕方で前原プロを抑え込もうと応戦を始めます。
この日は石渡プロの出来が素晴らしく、前原プロを抑える役目は石渡プロが担います。前原プロの攻撃をキチンと受け止めた上での捌きで前原プロの攻勢をいなします。
伊藤プロもついていく中、やはり私は劣勢を強いられます。
それでも、何とか粘っての微差の3着。ただ、前原プロは一人浮きの大トップ。前節に続いて大きくポイントを伸ばしたのです。
続く二回戦、局面をリードしたのは初戦ラススタートながら内容は抜群だった石渡プロ。
大きく加点し、こちらも一人浮きのトップ。私は粘っての2着確保が精一杯。内容的には満足できる半荘なのですが、結果には繋がらない戦いが続き、なんだか嫌な感じ。そんな思いが次の半荘で形として表れてしまうのです。
三回戦、細かく加点してプラスで推移しているところで、一瞬ですが相手のマークを外してしまったのです。
配牌から受け気味の手牌、ドラもなく、自分の手牌進行よりも相手の動向に注意していた…はずでした。しかし自分の思いとは裏腹に、手牌はメンホン七対子へ。瞬間手牌への色気を感じてしまったのです。丁寧に安全牌を河に置けばいいのに、一枚切れの西を河に放つと、マークしていたはずの石渡プロからロンの声。
石渡プロの手牌は七対子ドラ2の6400。
こういった放銃をしないのが自分の持ち味であり生命線なのに、アガリに対し欲を出さないことがテーマの局だったのに、ここまでのA1リーグで一番後悔の残る放銃となってしまいました。
このような放銃は今まで築き上げてきたもの全てを壊します。
マイナスに転落した私がこの流れを止められるはずなどなく、相手の攻勢をただ受け入れるだけの形で当然のラス。大きく負債を増やす結果となりました。
4回戦が始まる前、私はトイレの個室に一人籠りました。
余談になりますが、私は半荘と半荘の間の休憩時間には必ずトイレに行くようにしています。それは、その半荘で起こった出来事を全て反芻し反省し、そして忘れる事。さらに、新たなゲームプランを構築することで、どんな状況にも対応できるようにしておくためです。
しかし今回は、いつもの休憩時間とは違うイメージを持って個室に入ったのです。
ここまでの不甲斐ない内容の戦いを全て反省し、忘れることまでは同じです。
しかしこの瞬間は、何か新たな『覚悟』を決めるというか、腹を括るというか、とにかく戦うことをもう一度思い出すといったような感じだったと記憶しています。ここで大きくマイナスしてしまうと、リーグ戦序盤とはいえ後がなくなってしまうということ。そして今後のプロ人生にも大きく影響してしまう可能性があるということ。いろんな決意を胸に最終戦に挑んだのです。
最終戦も苦難の展開が続きます。
東二局、親前原プロの5巡目リーチに半身になりながら向かっていくものの、結果は7700の放銃で一人大きく離される形に。
しかしこれでふっきれた私は、ここからようやく攻勢に出ます。
前原プロから満貫を奪い返すと、細かく加点し待望のトップ目に。
終盤は相手の攻撃を何とか堪え、A1リーグ半荘12回目にして初めてのトップを取ることができました。
ポイントは小さいけれど、トップはトップ。
久しぶりにこんなに嬉しいトップを取りましたよ。とはいってもまだまだ大きなマイナスであることは事実です。このトップをきっかけに、今後のリーグ戦を上手く乗り切ることがこれからの課題であり使命だと思っています。
A1リーグに復帰した今年度、もちろん目標は鳳凰位奪還です。
しかし現実はそう簡単にはいかないですよね。歴戦の猛者たちが相手ですから。
ここまでは我慢続きの対局ばかりでしたが、スロースターターな私としてはまぁこんな感じといったところなのかもしれません。昨年も前期は酷かったですし。
ここをちゃんと踏ん張って、ぜひ春には笑うことが出来るように頑張りたいと思います。これからも応援してくださいね!それじゃまた。望月でした~。
今回はA1リーグ第3節の自戦記をお伝えしたいと思います。
ここまでマイナス40P弱と劣勢が続いていますので、ここは是が非でもプラスで終わりたいところ。とはいえ、まだ前半戦ですのでどこまで自分の麻雀を打つことが出来るかを今回のテーマに掲げ、対局に臨みました。
今回の対戦相手は、伊藤優孝プロ、前原雄大プロ、石渡正志プロの三名。特に前原プロとは2節連続の対戦で、前節は大きくプラスポイントを叩かれているだけに何とかしたいところではありますが…
そんな思惑とは裏腹に、前原プロが開局から飛ばします。
4000オールを皮切りに、次々と加点を続けます。
私望月はと言いますと、前原プロの連荘中、三局全て仕掛けを打っての前原プロのアガリ。
その全てがテンパイでの競り負けとなり、イヤ~な感じでのスタートとなりました。
元々門前志向が強い私ですが、今期は以前とは少しだけ違うスタイルで戦おうと考えています。それは、『戦う』ということ。以前より少しだけ踏み込みを深くして、手数を多くすることにより、局面から消えてしまうことなく最後まで粘り強く戦うといったイメージです。
それは、鳳凰位決定戦を観戦して気が付いた、自分のウイークポイントの払拭の為なのです。日本のトッププレーヤーとの対局では、オフェンスとディフェンスのバランスが問われます。大きく構えて高打点を狙う私のスタイルの欠点は、手牌が揃わないと場から“消えてしまう”こと。アガリの精度も高くスピードが速いA1リーグでは、自分の持ち味が消されてしまう恐れがあると考えたからです。
これも全て鳳凰位奪還の為のマイナーチェンジなのです。もちろん門前重視なのは変わらないのですが、いろいろな形での戦い方を攻撃のバリエーションに入れていかないとこれからは苦しくなりますからね。
点数を持った時の前原プロの盤石な戦い方は、イヤというほど経験しています。
ここが難しい所なのですが、こういったときは自分一人で何とかするのではなく、残りの三者が協力体制で戦うことも必要なのです。この日は、三人の意思がうまくリンクし、局面に逢った対応の仕方で前原プロを抑え込もうと応戦を始めます。
この日は石渡プロの出来が素晴らしく、前原プロを抑える役目は石渡プロが担います。前原プロの攻撃をキチンと受け止めた上での捌きで前原プロの攻勢をいなします。
伊藤プロもついていく中、やはり私は劣勢を強いられます。
それでも、何とか粘っての微差の3着。ただ、前原プロは一人浮きの大トップ。前節に続いて大きくポイントを伸ばしたのです。
続く二回戦、局面をリードしたのは初戦ラススタートながら内容は抜群だった石渡プロ。
大きく加点し、こちらも一人浮きのトップ。私は粘っての2着確保が精一杯。内容的には満足できる半荘なのですが、結果には繋がらない戦いが続き、なんだか嫌な感じ。そんな思いが次の半荘で形として表れてしまうのです。
三回戦、細かく加点してプラスで推移しているところで、一瞬ですが相手のマークを外してしまったのです。
配牌から受け気味の手牌、ドラもなく、自分の手牌進行よりも相手の動向に注意していた…はずでした。しかし自分の思いとは裏腹に、手牌はメンホン七対子へ。瞬間手牌への色気を感じてしまったのです。丁寧に安全牌を河に置けばいいのに、一枚切れの西を河に放つと、マークしていたはずの石渡プロからロンの声。
石渡プロの手牌は七対子ドラ2の6400。
こういった放銃をしないのが自分の持ち味であり生命線なのに、アガリに対し欲を出さないことがテーマの局だったのに、ここまでのA1リーグで一番後悔の残る放銃となってしまいました。
このような放銃は今まで築き上げてきたもの全てを壊します。
マイナスに転落した私がこの流れを止められるはずなどなく、相手の攻勢をただ受け入れるだけの形で当然のラス。大きく負債を増やす結果となりました。
4回戦が始まる前、私はトイレの個室に一人籠りました。
余談になりますが、私は半荘と半荘の間の休憩時間には必ずトイレに行くようにしています。それは、その半荘で起こった出来事を全て反芻し反省し、そして忘れる事。さらに、新たなゲームプランを構築することで、どんな状況にも対応できるようにしておくためです。
しかし今回は、いつもの休憩時間とは違うイメージを持って個室に入ったのです。
ここまでの不甲斐ない内容の戦いを全て反省し、忘れることまでは同じです。
しかしこの瞬間は、何か新たな『覚悟』を決めるというか、腹を括るというか、とにかく戦うことをもう一度思い出すといったような感じだったと記憶しています。ここで大きくマイナスしてしまうと、リーグ戦序盤とはいえ後がなくなってしまうということ。そして今後のプロ人生にも大きく影響してしまう可能性があるということ。いろんな決意を胸に最終戦に挑んだのです。
最終戦も苦難の展開が続きます。
東二局、親前原プロの5巡目リーチに半身になりながら向かっていくものの、結果は7700の放銃で一人大きく離される形に。
しかしこれでふっきれた私は、ここからようやく攻勢に出ます。
前原プロから満貫を奪い返すと、細かく加点し待望のトップ目に。
終盤は相手の攻撃を何とか堪え、A1リーグ半荘12回目にして初めてのトップを取ることができました。
ポイントは小さいけれど、トップはトップ。
久しぶりにこんなに嬉しいトップを取りましたよ。とはいってもまだまだ大きなマイナスであることは事実です。このトップをきっかけに、今後のリーグ戦を上手く乗り切ることがこれからの課題であり使命だと思っています。
A1リーグに復帰した今年度、もちろん目標は鳳凰位奪還です。
しかし現実はそう簡単にはいかないですよね。歴戦の猛者たちが相手ですから。
ここまでは我慢続きの対局ばかりでしたが、スロースターターな私としてはまぁこんな感じといったところなのかもしれません。昨年も前期は酷かったですし。
ここをちゃんと踏ん張って、ぜひ春には笑うことが出来るように頑張りたいと思います。これからも応援してくださいね!それじゃまた。望月でした~。