馬場 裕一の麻雀コラム
2011年07月14日(木)
| 馬場 裕一
荒正義プロの一打
[本日の手牌]
●南4局●東家●13巡目●マイナス17000点のラス
ツモ ドラ カンドラ
先日、第7回モンド王座決定戦の対局が終了いたしました。
モンド王座とは、MONDOTV「麻雀プロリーグ」のチャンピオンたちで争われる最高峰の闘い。
制覇したのは荒正義プロでした。
おめでとうございます!\(^O^)/
いやあ、それにしても荒さんは強かった~。
現役最強のプロと言っても過言ではないでしょう。
そのぐらい「強さ」に安定感があったのです。
僕が荒さんと初めてお会いしたのは高校生の頃かな。
当時の荒さんは若手麻雀プロの中でもプリンス的存在でした。
1978年に第5期王位戦で優勝して、メジャープロの仲間入りを果たした荒さん。
阿佐田哲也先生は荒さんの麻雀を観て「楷書のような打ち方をする」と記していたことを思い出します。
きちっとした手順と手筋、遊びのないいわゆる辛い打ち方を見て「楷書のよう」と評したのかもしれません。
下図の手牌を見てください。
ツモ ドラ
オーラス(南4局)の西家です。
7巡目にドラの 六万 を引いてきました。
西家は持ち点13700点のラス目。
3着の東家とは11900点差、2着の北家とは13000点差、トップの南家とは20300点差という状況。
さて、あなたなら何を切りますか?
西家は荒さん。
荒さんはここから 一竹 を切り出しました。
受け入れの広さなら 三竹 切りですが、荒さんはハネ満のアガリを狙って 三竹 を雀頭に固定したのです。
次巡 八筒 を引いて打 二竹 。
10巡目に 七筒 を引いてテンパイ。
ツモ ドラ
荒さんは迷わず 四筒 を横に曲げて即リーチ。
4巡後にあっさり 四万 をツモりあげました。
裏ドラが1枚でもあれば2着浮上だったのですが、残念ながら乗らずで満貫止まりの3着。
最低目標(ラス抜け)はクリアしたのであります。
そんな荒さんの凄味が伝わる手牌がこれ↓
ドラ カンドラ
東4局の東家で、ご覧のようにダブ 東 をポン、 一万 をアンカンして 三万 六万 待ちのテンパイ。
この時点で荒さんはマイナス17000点のラス目。
ぜひとも連荘を重ねたいところ。
だが実は5巡目に、トップ目の西家からリーチをかけられていたのです。
▼西家の捨て牌
そして13巡目に荒さんが引いてきた牌が 五竹 。
ツモ ドラ カンドラ
荒さんは4巡目に 二竹 を捨てていました。
つまり 三万 を切るとフリテンになってしまうという状況。
あなたなら、何を切りますか?
ちょっと弱気になって 四万 とか 四竹 といった現物牌に手をかけてしまう人もいるんじゃないでしょうか。
しかし荒さんは少考した後 三万 を勝負しました。
あえてフリテンの 二竹 五竹 待ちに受けたのです。
同巡、リーチの西家が 二竹 ツモ切り。
これに合わせて北家も打 二竹 。
すると荒さんが間髪いれずに「チー!」。
チー
ここから 三万 を切って、またフリテンのテンパイに受けたのです。
そして次巡、なんと 三万 をツモ!w(°0°)w
フリテンからフリテンに受け代えての親満!
ちなみに西家の待ちは 五竹 八竹 でした。
相手のロン牌を押さえてのフリテン親満なのですから恐れ入ります。
こういうシノギこそ「荒流」の真骨頂といえるでしょうね。
●南4局●東家●13巡目●マイナス17000点のラス
ツモ ドラ カンドラ
先日、第7回モンド王座決定戦の対局が終了いたしました。
モンド王座とは、MONDOTV「麻雀プロリーグ」のチャンピオンたちで争われる最高峰の闘い。
制覇したのは荒正義プロでした。
おめでとうございます!\(^O^)/
いやあ、それにしても荒さんは強かった~。
現役最強のプロと言っても過言ではないでしょう。
そのぐらい「強さ」に安定感があったのです。
僕が荒さんと初めてお会いしたのは高校生の頃かな。
当時の荒さんは若手麻雀プロの中でもプリンス的存在でした。
1978年に第5期王位戦で優勝して、メジャープロの仲間入りを果たした荒さん。
阿佐田哲也先生は荒さんの麻雀を観て「楷書のような打ち方をする」と記していたことを思い出します。
きちっとした手順と手筋、遊びのないいわゆる辛い打ち方を見て「楷書のよう」と評したのかもしれません。
下図の手牌を見てください。
ツモ ドラ
オーラス(南4局)の西家です。
7巡目にドラの 六万 を引いてきました。
西家は持ち点13700点のラス目。
3着の東家とは11900点差、2着の北家とは13000点差、トップの南家とは20300点差という状況。
さて、あなたなら何を切りますか?
西家は荒さん。
荒さんはここから 一竹 を切り出しました。
受け入れの広さなら 三竹 切りですが、荒さんはハネ満のアガリを狙って 三竹 を雀頭に固定したのです。
次巡 八筒 を引いて打 二竹 。
10巡目に 七筒 を引いてテンパイ。
ツモ ドラ
荒さんは迷わず 四筒 を横に曲げて即リーチ。
4巡後にあっさり 四万 をツモりあげました。
裏ドラが1枚でもあれば2着浮上だったのですが、残念ながら乗らずで満貫止まりの3着。
最低目標(ラス抜け)はクリアしたのであります。
そんな荒さんの凄味が伝わる手牌がこれ↓
ドラ カンドラ
東4局の東家で、ご覧のようにダブ 東 をポン、 一万 をアンカンして 三万 六万 待ちのテンパイ。
この時点で荒さんはマイナス17000点のラス目。
ぜひとも連荘を重ねたいところ。
だが実は5巡目に、トップ目の西家からリーチをかけられていたのです。
▼西家の捨て牌
そして13巡目に荒さんが引いてきた牌が 五竹 。
ツモ ドラ カンドラ
荒さんは4巡目に 二竹 を捨てていました。
つまり 三万 を切るとフリテンになってしまうという状況。
あなたなら、何を切りますか?
ちょっと弱気になって 四万 とか 四竹 といった現物牌に手をかけてしまう人もいるんじゃないでしょうか。
しかし荒さんは少考した後 三万 を勝負しました。
あえてフリテンの 二竹 五竹 待ちに受けたのです。
同巡、リーチの西家が 二竹 ツモ切り。
これに合わせて北家も打 二竹 。
すると荒さんが間髪いれずに「チー!」。
チー
ここから 三万 を切って、またフリテンのテンパイに受けたのです。
そして次巡、なんと 三万 をツモ!w(°0°)w
フリテンからフリテンに受け代えての親満!
ちなみに西家の待ちは 五竹 八竹 でした。
相手のロン牌を押さえてのフリテン親満なのですから恐れ入ります。
こういうシノギこそ「荒流」の真骨頂といえるでしょうね。