馬場 裕一の麻雀コラム
2011年09月21日(水)
| 馬場 裕一
佐藤かづみプロの一打
●東3局●北家●7巡目
ツモ ドラ
前回にちょっと触れた「夕刊フジ杯争奪・第5期麻雀女王決定戦」。
決勝戦の全対局がニコニコ生放送で完全実況生中継されたのですが、何と7万5千人近く(正確には74566人)もの麻雀ファンが来場!
平日の夕方の放送でこの数字は本当にスゴイんです。
その追い風を受けてか、今月下旬に開幕する「第6期夕刊フジ杯」はさらにスケールアップすることになりました。
今までは東京だけで行なわれていたリーグ戦が大阪、名古屋でも開催されることになったのです!
これで大阪、名古屋在住の女子プロの皆さんにもメディアの注目が集まるわけですね。
もしかしたら西日本からニューヒロインが誕生するかもしれません。
ちなみに第6期夕刊フジ杯は「雀サクッ」さんで詳しく報道していただきます。
東西女子プロたちの熱い闘いにご注目ください!
さて、夕刊フジ杯の現チャンピオン、即ち「第5期麻雀女王」の座に就いたのは、もうご存知の佐藤かづみプロ(最高位戦所属)です。
その「男前」の麻雀で、7万5千人の視聴者をシビれさせたことは記憶に新しいところ。
ひとつ「男前」麻雀をご紹介いたしましょう。
せっかくですから、ニコ生で放送された決勝戦の打ち筋を引用します。
決勝1回戦のオーラス。
西家の佐藤プロは6巡目に[二万]をツモって次の手牌。
ツモ ドラ
ご覧のように[四筒][七筒]待ちのタンヤオのテンパイが入りました。
この時点で各家の持ち点は次のとおり。
東家 42900点
南家 ▲11300点(箱下)
西家 33600点
北家 34800点
佐藤プロ(西家)は浮いているにもかかわらず3着。
トップの東家とは10700点差、2着の北家とは800点差という状況です。
佐藤プロは[五竹]を切ってヤミテンに構えました。
このまま[四筒][七筒]が出ればアガって2着。
ドラの[四万]を引いたら[七万]を切ってリーチにむかい、逆転トップを狙う腹づもりだったのでしょう(ツモれば満貫でトップ)。
すると2巡後に引いてきた牌が[五筒]。
ツモ ドラ
佐藤プロは少考した後[六筒]を切り出しました。
待ちは狭くなるもののツモり三暗刻の形に受けたのです。
佐藤プロはヤミテン。
そこへ10巡目に東家が[五筒]を切ってきました。
アガれば2着です。
しかし佐藤プロは、これを当然のようにスルー。
そして次巡、見事と言うべきか[五筒]をツモりあげたのでした。
ツモ ドラ
満貫のツモアガリで逆転トップ!
いやあ、男子プロでもなかなかこうは打てない、素晴らしい「男前」の麻雀ですよね!
もちろん「男前」だけでタイトルを獲ることはできません。
佐藤プロの麻雀には、もうひとつ別の顔がありました。
それは「繊細」です。
ツモ ドラ
東3局の北家です。
7巡目に[七竹]をツモってきました。
[発]はション牌。
あなたなら、何を切りますか?
おそらく[二竹]か[発]に手をかける人がほとんどでしょう。
しかし佐藤プロは少考した後[九筒]を切り出したのです。
中盤(7巡目)に入ってこの牌姿ではション牌の[発]は鳴かせたくない。
[二竹]は234の三色の可能性があるので、まだ放したくない。
ドラが[九竹]なので[七竹]はしばらく残しておきたい。
そういったことを考えて佐藤プロは[九筒]に手をかけたのでした。
ね、この[九筒]切り、とても「繊細」な一打でしょ?
次巡[北]を引いて打[七筒]。
次に[五万]を引いたので234の三色を見切る打[二竹]。
10巡目に[六竹]を引いて[北]を切り、次巡[一筒]を引いて打[発]。
そして12巡目に[二筒]を引いて次の手牌。
ツモ ドラ
本来ならツモ切るか[一筒]を切りたいところですが、佐藤プロは[五竹]を切り出しました。
なぜ、こんな愚形のテンパイを取ったのか。
それは場にピンズが安かったからです。
ピンズに変化があればアガリの可能性は高いと判断したのです。
その読み通り、15巡目のツモが[五筒]。
ツモ ドラ
こうなると[二筒]を切ってピンフのテンパイに受ける人が多いと思いますが、佐藤プロはなんと[一筒]切りであえてシャンポン待ちに受けました。
その直後、東家が[二筒]をツモ切って「ロン」。
これはもう佐藤プロの「読み勝ち」のアガリといっていいでしょう。
このように「男前」と「繊細」が佐藤プロの持ち味であり、その麻雀が彼女を第5期麻雀女王の座へ就かせたのであります。
ツモ ドラ
前回にちょっと触れた「夕刊フジ杯争奪・第5期麻雀女王決定戦」。
決勝戦の全対局がニコニコ生放送で完全実況生中継されたのですが、何と7万5千人近く(正確には74566人)もの麻雀ファンが来場!
平日の夕方の放送でこの数字は本当にスゴイんです。
その追い風を受けてか、今月下旬に開幕する「第6期夕刊フジ杯」はさらにスケールアップすることになりました。
今までは東京だけで行なわれていたリーグ戦が大阪、名古屋でも開催されることになったのです!
これで大阪、名古屋在住の女子プロの皆さんにもメディアの注目が集まるわけですね。
もしかしたら西日本からニューヒロインが誕生するかもしれません。
ちなみに第6期夕刊フジ杯は「雀サクッ」さんで詳しく報道していただきます。
東西女子プロたちの熱い闘いにご注目ください!
さて、夕刊フジ杯の現チャンピオン、即ち「第5期麻雀女王」の座に就いたのは、もうご存知の佐藤かづみプロ(最高位戦所属)です。
その「男前」の麻雀で、7万5千人の視聴者をシビれさせたことは記憶に新しいところ。
ひとつ「男前」麻雀をご紹介いたしましょう。
せっかくですから、ニコ生で放送された決勝戦の打ち筋を引用します。
決勝1回戦のオーラス。
西家の佐藤プロは6巡目に[二万]をツモって次の手牌。
ツモ ドラ
ご覧のように[四筒][七筒]待ちのタンヤオのテンパイが入りました。
この時点で各家の持ち点は次のとおり。
東家 42900点
南家 ▲11300点(箱下)
西家 33600点
北家 34800点
佐藤プロ(西家)は浮いているにもかかわらず3着。
トップの東家とは10700点差、2着の北家とは800点差という状況です。
佐藤プロは[五竹]を切ってヤミテンに構えました。
このまま[四筒][七筒]が出ればアガって2着。
ドラの[四万]を引いたら[七万]を切ってリーチにむかい、逆転トップを狙う腹づもりだったのでしょう(ツモれば満貫でトップ)。
すると2巡後に引いてきた牌が[五筒]。
ツモ ドラ
佐藤プロは少考した後[六筒]を切り出しました。
待ちは狭くなるもののツモり三暗刻の形に受けたのです。
佐藤プロはヤミテン。
そこへ10巡目に東家が[五筒]を切ってきました。
アガれば2着です。
しかし佐藤プロは、これを当然のようにスルー。
そして次巡、見事と言うべきか[五筒]をツモりあげたのでした。
ツモ ドラ
満貫のツモアガリで逆転トップ!
いやあ、男子プロでもなかなかこうは打てない、素晴らしい「男前」の麻雀ですよね!
もちろん「男前」だけでタイトルを獲ることはできません。
佐藤プロの麻雀には、もうひとつ別の顔がありました。
それは「繊細」です。
ツモ ドラ
東3局の北家です。
7巡目に[七竹]をツモってきました。
[発]はション牌。
あなたなら、何を切りますか?
おそらく[二竹]か[発]に手をかける人がほとんどでしょう。
しかし佐藤プロは少考した後[九筒]を切り出したのです。
中盤(7巡目)に入ってこの牌姿ではション牌の[発]は鳴かせたくない。
[二竹]は234の三色の可能性があるので、まだ放したくない。
ドラが[九竹]なので[七竹]はしばらく残しておきたい。
そういったことを考えて佐藤プロは[九筒]に手をかけたのでした。
ね、この[九筒]切り、とても「繊細」な一打でしょ?
次巡[北]を引いて打[七筒]。
次に[五万]を引いたので234の三色を見切る打[二竹]。
10巡目に[六竹]を引いて[北]を切り、次巡[一筒]を引いて打[発]。
そして12巡目に[二筒]を引いて次の手牌。
ツモ ドラ
本来ならツモ切るか[一筒]を切りたいところですが、佐藤プロは[五竹]を切り出しました。
なぜ、こんな愚形のテンパイを取ったのか。
それは場にピンズが安かったからです。
ピンズに変化があればアガリの可能性は高いと判断したのです。
その読み通り、15巡目のツモが[五筒]。
ツモ ドラ
こうなると[二筒]を切ってピンフのテンパイに受ける人が多いと思いますが、佐藤プロはなんと[一筒]切りであえてシャンポン待ちに受けました。
その直後、東家が[二筒]をツモ切って「ロン」。
これはもう佐藤プロの「読み勝ち」のアガリといっていいでしょう。
このように「男前」と「繊細」が佐藤プロの持ち味であり、その麻雀が彼女を第5期麻雀女王の座へ就かせたのであります。