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2013年04月12日(金)
| 夕刊フジ杯 |
2013年04月12日(金)
第7期夕刊フジ杯争奪麻雀女王決定戦の個人戦決勝が4月12日に東京で行われました。
参加選手は、関西から池沢 麻奈美プロ(ひまわり)、水瀬 千尋プロ(ニュー雀TOP)
関東から豊後 葵プロ(FUN)、水崎 ともみプロ(clubNPM)の四名。
モンド杯の出場権にもなる今大会。緊張の中始まった第一戦南3局。
ラス目の水崎プロが役牌を二つ仕掛け、ドラ色に寄せているという煮詰まった場の中、トップ目に立っていた水瀬プロが東を暗槓し、カン5sのリーチを打ち勝負に出る。
しかし、なんとか点数が欲しく色に寄せていることは読めるものの、速度は読みづらい水崎プロがこの時既に南・發・混一色・ドラ2のハネマン、147s待ちをテンパイ。この当たり牌を水瀬プロが掴んでしまう。これにより水瀬プロは一気にラス目へと転落。
ポン ドラ ロン
次局、オーラスとなる水瀬プロの親番。前局の失点が致命傷かと思われた水瀬プロだが、「ハネマンを振り込んだら親満をツモればいい」と言わんばかりにドラの北を暗刻にしてのリーチ。これをツモり上げ、再び水瀬プロがトップに返り咲く。続く一本場は、ラス目の豊後プロがカン2mのリーチをツモり、リーチのみの手ではあるが自身の順位を一つ上げて終局。
水瀬40.4 池沢7.4 豊後▲17.6 水崎▲30.2
続く第二戦。関西二名が連帯という結果に終わった第一戦であったが、関東の二名ももちろん黙ってはいない。
絶え間なく攻め続け点数を積み上げる豊後プロと、要所要所で確実に得点し、リードを保つ水崎プロがそれぞれ1着・2着の並びでオーラスを迎える。
そしてオーラス。ここで魅せてくれたのは豊後プロ。
全員が一着順1万点差以内で並び、豊後プロ以外の全員が満貫ツモを目指す局面。2着の水崎プロが36mの先制リーチを入れる。
この同巡、豊後プロにも4pと南のシャボでテンパイが入るが、切り出さなければならない牌は超危険牌のドラ・生牌である白。
実は蓋を開けてみると水崎プロのリーチは平和のみで、大人しくしていればそうそう問題はない状況だったのだが、実際の対局者からすれば満貫ツモ条件での2着目のリーチは相当なプレッシャーになるものである。
ここで豊後プロは白を切っての真っ向勝負!この白はラス目の親・水瀬プロにポンされる形となるが、池沢プロもその鳴きによって浮いていた白を処理しつつテンパイ。リーチ・混一色・西の、ツモるとハネ満という大物手リーチで追いかける。続く同巡、水瀬プロも白・ドラ3の69mで満貫テンパイを入れ、オーラスに全員がテンパイという混迷極まる事態に。
東家 水瀬 ポン
南家 水崎
西家 池沢
北家 豊後
勝負の行方が全く分からない捲りあいになるかと思われたが、水瀬プロがテンパイを入れた次の水崎プロのツモ牌が、なんと豊後プロの和了牌となる南。自力でトップを取りに行き、勝負に出た豊後プロが3名の両面テンパイを見事かわし切り、トップを勝ち取った。
これによって豊後プロが一歩抜き出るものの、2回戦終了時点としては比較的平たいスコアの並びとなった。
豊後35.2 水瀬0.9 池沢▲13.9 水崎▲22.2
最終戦の条件を見据えた打ち方が必要となる、重要な第三戦。
七対子ドラ2などを和了った水瀬プロが抜き出る形となったが、最終戦の条件を楽にするため、オーラス間際、三者の間で熾烈な二着争いが起こる。
オーラスを迎えた時点での三者の点棒はそれぞれ、池沢14400、水崎21700、豊後19900。
オーラス0本場は親の池沢プロが仕掛けを入れ、それを各者が警戒する形になり、池沢プロの一人テンパイ。点棒はそれぞれ池沢17400、水崎20700、豊後18900となる。
続く一本場。池沢プロが再び中ポンの1500点テンパイを入れ、0本場の時と同じような展開になるかと思われた。・・・が、流局目前に水瀬プロが切った池沢プロの現物4pを豊後プロがチー。ギリギリでテンパイを入れ、水崎プロとの順位を入れ替え2位に立つ。
続く2本場、点棒は池沢18900、水崎19200、豊後20400。豊後プロはタンヤオのみの仕掛けですぐさま25pのテンパイを入れ、2着を死守しにいく。
もし前局が池沢の一人テンパイなら池沢20400、水崎19700、豊後17900となり、1000点では仕掛けにくい状況になっていたので、このテンパイ料は豊後プロにとって非常に大きかっただろう。
逆に水瀬プロにとっては、目下2着目の豊後プロを助ける形になり、後々を考えると痛い一打だったと言える。
この豊後プロのテンパイになんとか親の池沢プロも追いつき、14pのリーチを掛ける。が、豊後プロの和了となる2pを掴み、決着。
最終戦を残し、上下二人ずつに分断される結果となった。
水瀬52.4 豊後38.2 水崎▲43.0 池沢▲47.6
運命の最終戦。大トップが必要になった水崎プロ、池沢プロの二名も優勝の目を残そうと必死に親番での粘りを見せたが、南1局に水崎プロの、南2局に池沢プロの親が流れ、事実上の水瀬プロ・豊後プロの着順勝負となる。
水瀬28300、豊後19500で迎えた南3局の水瀬プロの親番、豊後プロは高め2000点の手で水瀬プロの親を流しに行くが、打点の見えない仕掛けに対し、ドラを離さない丁寧な打ち回しで、水瀬プロがテンパイを入れる。
水瀬プロはここで仮にノーテンでも一応のリードを保ちながらオーラスを迎えられるので、無理をしないのも選択の一つだったが、豊後プロの親の前にできるだけ差を付けておきたい・優勝は自分で勝ち取りにいきたいという意志が見て取れた。
続く一本場8巡目、豊後プロが45679sの形のカン8sでリーチ・ドラ1の先制リーチを打つ。
ドラ
自分の河に2sがあるものの、9s以外はタンヤオ牌の平和形で構成されており、これもリーチに行くには非常に勇気のいる牌姿である。
おそらく前局の水瀬プロの連荘を見て、大人しくしていては和了に来られる、ドラ1で先手を取れたからここは勝負、という考えが豊後プロにあったのだろう。
結果として、手替わりを待った打ち回しなら和了を拾えた可能性のあるツモではあったが、目論見通り水瀬プロはシャンテンから降りに回り、水瀬プロの小さなリードでオーラスを迎えることに。
そしていよいよ最終戦オーラス。二名の条件はそれぞれ、水瀬プロは自身が和了るか、豊後プロのノーテン流局で優勝。豊後プロは水瀬プロを捲った後、着順を落とさず親を流すことができれば優勝。
2本場から始まったオーラス1局目は、両者テンパイで静かに流局する。
決着となった3本場。下家の豊後プロにテンパイを入れさせないように、捨て牌にも気を配りながら打たなければならない水瀬プロ、何としてもテンパイを入れ、点数を稼ぎたい豊後プロだが、その両者にずっとテンパイが入らないまま残り2巡を迎える。
まさかこのまま豊後プロのノーテンでの決着か・・・と思われたが、ここで水瀬プロが役有りテンパイとなるラス8pをツモ。この8sは豊後プロにテンパイを入れさせる可能性のある牌だが、これを勝負してカン3sのテンパイに受ける。
ツモ
すると次巡、豊後プロにもテンパイとなる6sが入る。しかし、無情にもこれによって出ていくリーチ宣言牌の3sは、今テンパイしたばかりの水瀬プロの和了牌だった。
ツモ
最後はまさに文字通りの一巡の差を物にし、水瀬プロが自身の和了で優勝を勝ち取った。
表彰式ではそれぞれの涙が印象的で、選手たちが大会に掛けていた思いの強さが感じられました。
また、結果は無念でしたが、優勝の目がなくなってからも最後まで丁寧に打ち続け、勝負を盛り立ててくれた池沢プロ、水崎プロ、そして最後まで熱い打牌とキャラクターで視聴者を魅了しつづけた豊後プロの3名及び、
生放送で素晴らしい解説をして下さった馬場プロ、梶本プロ、魚谷プロ、佐藤プロの4名にも心からの感謝と賛辞を送りたいと思います。ありがとうございました。
そして見事第七期夕刊フジ杯女王に輝いた水瀬千尋プロ、おめでとうございました!
2013年04月12日(金)