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麻雀業界ニュース

1970年01月01日(木)

| 夕刊フジ杯 |

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大阪1組は一番の混戦ブロックである。

個人はI・RO・HAの逢川恵夢プロと蒼樹里沙プロが

100pをクリアしてボーダーを超えてきた。

が、それ以外はやや混戦気味。

チームでは、I・RO・HAが抜けているが、

雀奴やらいらい荘&牌テンション

にもチャンスがあるという状態。

また個人戦も可能性があるのが 中山千鶴プロ、可南プロ。

3組以上の混戦となっております。


大阪1組はとある女性の成長に驚かされた。

アマチュアとして参加した2名のうちの1名 

雀奴チームの蒼樹さなえさんである。

昨年度は、普段3人打ちばかり打っているという彼女の麻雀は

明らかに経験不足であった。

しかし今年登場した彼女は去年の彼女とは全く違っていた。

先行するI・RO・HAを追う展開であったが、彼女がI・RO・HAを追い詰める。



大阪は各ブロック個人戦のボーダーを 100pを目安としていた。

現状 110pの逢川プロ、101.8pの蒼樹プロを1回戦は温存して

各チームが挑んだ1回戦。

チーム準決勝進出の望みをかけて登板した里見プロ。

里見プロはこれまで夕刊フジ杯では未だノートップ。

ここで初トップを獲れば、チーム準決勝へ進出の可能性が

一気に高くなる。

その里見プロに立ちふさがったのが、前述した蒼樹さんであった。


この夕刊フジ杯で、3回目となるトップを獲る。

対する里見プロは、5500点差の2着。

この半荘もあと一歩届かなかった。


続く2回戦、らいらい荘&牌テンションは勝負がけとなる

可南プロが登場した。


可南プロは、チームもそうなのだが、現在個人戦では少しマイナスと

どちらでも2連勝、しかも1回は大きなトップが条件となる。


リズムの鳥井プロも本日は3連投が確定している。

協会主催の女流スプリントでも台風の目ともなった彼女だが、

第1節1回戦でトップを獲って以来、先輩達に翻弄されている

様に感じる。

チームでもあるリズムの副店長の彼女だが、4人打ちの

経験の浅さが悪い方にでている展開が続いている。

ただ、チーム愛が強いのを所々で見せている。


リズムの制服を着て対局したり、カメラ前でその制服を

見せたりとチームのPRを積極的に行っていた。


今期の夕刊フジを募集するにあたり、こういったチーム愛を

持った選手の出場を期待していた。

1組の雀奴、リズム、らいらい荘&牌テンション等は

チーム愛はかなり上位にランク付されるチームだと思う。


この大阪1組は「解説泣かせ」の組である。

他の組は、複数選手が来ている場合、打たない選手は

解説をお願いしているのだが、雀奴、らいらい荘&牌テンションは

全くそれに応じてくれない。

対局者の真後ろに椅子を置いて、対局中は常に観戦しているのだ。

可南プロの祈る姿が、何回か放送されたがそういった

ところからも、チーム愛が伝わってくる。



I・RO・HAは中山プロ、雀奴は蒼樹さなえさんが続投した

2回戦。ここで可南プロが3回戦に望みを繋ぐ大きな大きな

トップを獲る。

50000点オーバーのトップ。

チームメイトの里見プロが、なにより可南プロ本人が

欲しかった欲しかった大きなトップをこの土壇場で獲った。

2着には、I・RO・HAの中山プロが滑り込んだ。

I・RO・HAにとってこの2着は非常に大きい。

なぜなら、実は1回戦終了時、チームでは雀奴にトップを

マクられていた。それを再度逆転した。

少しでも有利な条件で最終半荘を迎えらるのは大きい。


3回戦はそのまま2回戦のメンバーの対局となった。

蒼樹プロは、現状個人では5位。

大阪2組、名古屋で4名がこの101.8pをクリアしないと

個人戦での出場が決まる。9位以下に、名古屋の選手が

固まっているので4名は上がってこないとの判断だろうか?

逢川プロはその蒼樹プロの1つ上の4位。

この二人を温存して3回戦が始まった。


しかし、調子がいいのが蒼樹さんであった。

オーラスを迎えて、トップと僅差の2着目しかもラス親。

オーラス条件 中山プロ満貫ツモ 蒼樹さんをマクってトップ

可南プロ チーム条件は現実的な数字ではないが、

このまま逃げ切り、しかも8000点をあがれば

個人で蒼樹プロのスコアを抜く。

蒼樹さんは流局でチームトップが確定する。

条件を見据えた手作りをしていた追いかける2人だったが、

そこで蒼樹さんの声がひびく。「2400」。

たった2400点なのだが、それは非常に大きな大きなアガりで、

二人の夢を打ち砕いた。

きっちり条件を満たす手作りをした中山プロ。

一手変われば条件を満たせた可南プロ。

しかし、蒼樹さんの手に一歩届かなかった。

その1本場は、可南プロの1人テンパイで終局した。

最終的に蒼樹さんと可南プロの差は100点。

たった100点だが、その差は大きなものであった。


とある女流プロから終了後、ラインが入った。

次回出場は、全くの未定だが今回はチームを背負えて

非常に楽しい戦いだった。が、やはり貢献できなくて

自分の未熟さを改めて痛感したというものであった。


夕刊フジ杯も今年で3年目となる。

もちろん感情を会場で表す女流プロもいらっしゃいますが、

ほとんどの女流は人前では悔しさ等を表しません。


本音を隠して応援してくれたファンの前で

明るく振舞うのです。

こういう大会には、悔しさに耐えて明るく元気に会場を

去る人の方が圧倒的に多い。

実力を全く発揮できなかった選手。

緊張感に負けてしまった選手。

実力差を痛感させられた選手。

どんな選手も、会場を去る時は普通の顔をして去っていきます。

みんなが抱えている本当の感情はわかりませんが、

自分の目には、そういった選手の方が印象に残るのです。


大阪1組結果

1位 雀奴           +116.5p

2位 I・RO・HA         + 70.4p

3位 らいらい荘&牌テンション + 19.1p

4位 リズム          ▲206.0p

 

 

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