zeRoの麻雀ひとり旅 ~第十八回:大阪府大阪市北区「麻雀ハウス ポン太 天満駅前店」~
zeRoの麻雀ひとり旅
第十八回:大阪府大阪市北区「麻雀ハウス ポン太 天満駅前店」
「勝ち」と「価値」
3年前、私はカレンダーを全く必要としていなかった。単純に一切の予定が入っていなかったからだ。現在もプロでも経営者でもないただの天鳳民の1人なのだが、いつのまにか観戦記に出版、コラム、配信、ゲスト、リーグ戦運営……など、麻雀関係の予定だけでカレンダーはびっしりと埋まっている。人の縁や時の流れというものは面白いものだな……と感じる。
誰にも必要とされていなかったあの頃と比べると、誰かの役に立っているのでは……という自己満足だけでも生きがいを感じることができる。晩年に差し掛かっているが(笑)とても充実した人生を送れていると思う。
しかし、かといって楽観はできない。麻雀プロが勝つことでしか認められないのと同様に、私も勝たなければいけない。私にとっての「勝ち」とは、天鳳位の達成であり、より面白い文章の提供であり、麻雀普及や戦術普及に貢献すること、である。
人の価値は、少し緩んだだけですぐに劣化する。もともと中途半端な立ち位置の私の価値なんて吹けば飛んでしまうほど薄く、継続的に活動していくことでしか認められないのだ。
来訪
冷たく吹きすさぶ風に11月某日、そんな私は大阪の天満にいた。
大阪環状線天満駅から徒歩1分……とのことだが、お目当ての店は改札口を出てすぐにみつかった。1分どころか15秒くらいで行くことができるだろう。
関西サンマが打てるお店「ポン太 天満店」である。
この看板をみると無料駐車場も用意されている模様。
エレベーターで3階まであがり……
店の扉を開くと……
白い店内に最新卓が並んでいた。決して広いとは言えないが、余計なモノが置いておらず、キレイに整頓されているので窮屈さは感じない。金曜の夕方だったが、フリーは3・4卓立っていた。初めてのことを告げ、待ち席に腰を下ろす。
若くて感じの良い店員さんからルール説明を受ける。
ポン太はオーソドックスな関西サンマのようだ。35000点持ちの40000点返し。完全1ハン縛りの5が全赤、ポン太牌という華牌あり。
細かいところまで丁寧に説明してもらったが、晩年を迎えつつある私にはほとんど覚えられない。
そこで、私が初めて行ったサンマのお店でこれだけは覚えておくという部分を5つだけ挙げよう。
- 完全先付かアリアリか → 完全先付。
- フリテンは → 認められない。テンパイにもならず、見逃した同巡のツモもダメ。
- 祝儀対象 → 一発と裏、4枚のポン太牌のうち1枚入っている緑ポン太牌を使って、門前和了。
- 4枚使いチートイ → あり。
- ツモ時の点数計算 → 満額計算(親ハネツモ→9000ALL 子ハネツモ→4000・8000)。
基本的にはこの5つで事足りる。役満の祝儀とか、チョンボの裁定など、レアな現象はその場で聞けばいいのだ。
なお、細かいルールを知りたい方はHPまで
ポン太にはソフトルールとノーマルルールの2種類用意されている。
普通細かいところに慣れるまではソフトな方からいくのがデジタルだが、私の勝負師の血がそうさせるのか、陳腐な見栄があるのか、必ずよりハードなルールを指定してしまう。
実戦
説明が終わると同時に、タイミングよくノーマルルールの卓にラストがかかり、案内される運びとなった。
東一局南家でのこと。
ドラ表示牌に華牌がめくれて、「おお」と対面の常連さんらしき方が言う。
画像右の緑ポン太牌がめくれた局にアガると、お店から1500ptもらえるらしい。
なるほど……気合を入れた私の手牌は、中盤を過ぎてこうなっていた。
くっつき牌を選ぶ局面。打牌候補としては
私は序盤に
「すいません」
例
⇒
打
結果的には、ツモ
さて、ポン太のウリの1つは女流プロが多数来店する点がある。
中でも常勤している最高位戦日本プロ麻雀協会所属の足立玲プロ
は、私の一推しだ。
この日も足立pは店内を所狭しと駆け回り、多くのお客さんと交流していた。さらに足立pは本走一番手で卓に入り、麻雀を打っていた。彼女みたいにかわいい子が卓につくとそれだけでほんわかした気分になるし、麻雀における多少の不条理も許せてしまうから不思議だ。
接客中の足立pを見ていると、多くのお客さんから愛されていると感じた。
他にもポン太は先ほど紹介したサービスの他にも、多くのポイントサービスを行っている。
新規特典として私も5000pt頂いた。さきほど紹介した「ドラ表示緑ポン太牌」によるptサービスの他にも、毎月変わるイベントがあったり、LINE@会員になったり友人紹介をしたりしてもptはもらえる。
このptは主にゲーム代として使えるから驚きだ。(1pt=1円換算)
マナーやルールに関して丁寧に説明があったように、お客さんのマナーもすこぶるよく、安心してリーズナブルに楽しめるのがポン太のウリだと感じた。
あ、あとフリー専門で、貸し卓は受け付けていないのは斬新だと思った。
卓数の都合だと思うが、それでも少しでも利益を上乗せしたいから……と両方やるのが普通で、フリー専門店というのは聞いたことがない。
中途半端に貸し卓を入れるくらいなら、フリーのお客さんに気持ちよく楽しんでもらおう……という素晴らしい配慮だと思う。
退店
結局私が良かったのは最初だけで、あとはずるずると負けてしまった。
帰ろうとすると、足立pがエレベーターまで見送りに来てくれた。ここは1つ慰めてもらおうかと何か話そうとした。が、その危険を察してか男性店員も駆けつけてきた。仕方なく普通に挨拶してそのまま帰った(笑)
というのは冗談で、足立pはあそこに居場所をみつけ、自分の価値を見出しているのだな……と感じた。一見不要そうに見えても価値の高いあの2sのように、私もこの激動の麻雀界において価値を提供し続けることはできるのだろうか。
帰りの風も冷たく、私の足取りは重かった。
評価
刺激度 ★★★~★★★★
清潔感 ★★★★★
サービス ★★★★★
足立pかわいい ★★★★★
(なお「刺激度」は動くお楽しみチップを元に 新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートルールを★…として表現)