zeRoの麻雀ひとり旅 ~第二十四回:三重県四日市市「麻雀 クランキー」~
遥か頂
私の趣味の1つに登山がある。
遥か先に見える頂上へたどり着くためには、目の前の一歩一歩を積み重ねていかなければいけない点が麻雀に通ずるものがある……と、登りながらよく感じる。
名古屋からだと、三重県にある鈴鹿山脈が非常にアクセス良く、季節問わずよく登りにいった。有名なのはロープウェイもある御在所岳だろう。
実は、本日行く雀荘は、そんな鈴鹿山脈のお膝元にある。
名古屋から伊勢湾岸道路をひたすら西に走ると、30分もかからないうちに四日市のインターに着く。登山の日にはまだ夜が明けていない暗い時間に、頂上の景色やその後の温泉を楽しみにしながらこの道を飛ばしていったものだ。(安全運転)
そんなことを思い出しながら、四日市の駅前に着いた。
お店が用意してくれている近くの無料駐車場に車を停め、アーケードの中に一歩踏み入れる。
するとすぐに見つかった。
おしゃれなバーを思わせるような開けた階段を上り、ドアを開くと…
入店
「いらっしゃいませ!」
フリーが3卓回っており、元気な店員さんの声に迎えられた。
空いている卓に腰掛け、まずはサービスだという1本目のドリンクを注文する。
無難にお茶を注文。
そして店員さんから丁寧なルールやシステムの説明を受けたのだが、あまりにもいろいろ書きたいことが多い。長くならないようにざっくりと解説しよう。
まずはルール。
「クランキー」は中部地方では数少ない「条件付き東南戦」が楽しめるお店だ。
系列店の「やん」も「条件付き東南戦」だが、あちらはシステムが非常にソフト。そしてここ「クランキー」は新宿ルールに非常に近い。システムに差をつけることによって、お客さんに棲み分けしてもらおうという意図が伺える。
特殊なのは
特殊牌たちだ。
に赤が入っていて、ドラ扱いで鳴いてもボーナスポイントの対象になる。
全部5じゃないので、マンズは下を大事にしたり、ソウズは上を大事にしたり……と、慣れるまで対応が大変そう。さらに金が入っており、こちらは赤牌に比べて、ボーナスポイントが倍になる。
白ポッチはリーチ後にツモればオールマイティ。一発じゃなくてもいい。
赤と金の位置こそ違えど、新宿さながらのバチバチとした戦いが想像できる。
続いてシステムやサービス。
まず
トップや来店などでポイントを競う月間レース的なもの。
そして
賞金首イベント。
メンバーに挑戦を挑み、勝つとポイントがもらえるというもの。
挑戦する回数を選べたり、強いメンバーほど賞品が豪華だったりと、内容が凝っていて面白い。
そして特筆すべきなのは……
天鳳の段位戦と全く同じシステムで、ポイント評価されること。
お店で成績を管理して、成績上位者にはご褒美がある。
画像のように短期でのイベントも行っているのだ。
その他にも……
女流プロを定期的にゲストとして呼んだり……と、まぁとにかくいろいろやっている。
多彩なルールとシステムの紹介だけで終わってしまいそうな勢いだが、一応実戦レポートも記しておこう(笑)
実戦
この日は私の来店に合わせてか、『終日ゲーム代半額』という大赤字覚悟のイベントが行われていた。そして多くのお客さんで賑わっていた。
私はその中をあちこち移動させてもらって打ったのだが、終始調子が良かったと思う。
慣れるまでは大変と思っていた特殊牌も、マンズの下だけケアしておけばよい、と途中で気付いた。
まずピンズはいつもの感覚でOK。
ソウズはと、上下に分かれているので強く意識しなくてもOK。
マンズはだけなので、そこだけケア……という意識だ。
さて、実戦で印象的だったのが、マンガンをツモればトップになれる……というオーラス。
私は7巡目に
ドラ
こんな手牌を迎えていた。
のイーシャンテンで、チャンス手だ。
ここへ、ふっとをツモってきた。
ツモ ドラ
手拍子でを切ろうとしたが、ふと手が止まった。
(待てよ…これはウザク本などでよく見る牌姿じゃないか?)
もちろん受け入れ枚数としては打が一番広い。
しかしツモのペンリーチはいかにも苦しい。
の受け入れを消去すると、打という選択肢が浮上してくる。
打はツモやツモが機能している点が盲点となりがちだが、 受け入れ枚数も五分。
タンヤオが付加される可能性が高く、この状況下では一番手の選択と言えよう。
あまりお目にかからない牌姿なので、これでいいのか? という確認もした上で私はを切った。
すぐにをツモってきてリーチ。
ツモ ドラ
一発でをツモり、逆転に成功した。
条件付き東南戦だと、僅差のオーラス など、痺れる局面を味わう頻度が通常の東南戦より多いので、かなり疲れてしまう。
その分充実度が高い、とも言えよう。
そんな疲れが出てしまったのか、終盤は牌を見落としたり、鳴くべき牌に声が出なかったり……と、非常に情けない麻雀になってしまった。
前半の貯金を崩す形で、ギリギリプラスで実戦を終了した。
感想
何度も他の「条件付き東南戦」のお店に行ったことがあるが、クランキーほど和やかなお店はないのではないか……と思った。メンバーやお客さん同士の会話も多く、それでいてマナー面でしっかりしていた。
「ワイワイ」と「キッチリ」のバランスが、フリー麻雀荘の永遠の課題だと言えるが、クランキーはそのへんのバランスがきっちりしている印象だ。
多彩なイベントや成績管理などを含めて、通いたくなる仕掛けを常に考えているお店の努力を感じた。
また貸し卓も1卓1000円とお値打ちで、さらに1卓1300円で落ち着いて打てる個室も用意されている。
帰りの車の中、疲れてミスを頻発させてしまったことを振り返りながら、やはり一歩一歩の歩みが大事なんだな……と登山の帰りと重ねながら気を引き締めたのであった。
評価
刺激度 ★★★★★
清潔感 ★★★★
サービス★★★★★
熱くて楽しい空間!★★★★★
(なお「刺激度」は動くお楽しみチップを元に 新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートルールを★…として表現)