アットホーム | 雀荘特集


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zeRoの麻雀ひとり旅

第二十七回:和歌山県和歌山市「シンバル」

心の隙間 和歌山県

電車に乗り込んだときのふわっとした暖かさが心地よい。
朝の光によって、椅子の毛足がきらきらしている。

わたしは電車で和歌山県に向かっていた。
久しぶりの「ゼロ旅」は、和歌山県唯一の4人打ちフリー雀荘「シンバル」に決まったのだ。

和歌山県か……。
私の記憶が正しければ、これまでに和歌山県には足を踏み入れたことがない。

誰も興味ないかもしれないが、これはzeRoの行ったことある県リストだ。
見ての通り和歌山県は、私の住んでいる愛知県から比較的近いにも関わらず、これまでに通過したことすら無い。なるほど、地図を見ると和歌山県は紀伊半島の先っぽに位置していて通り道にはならない。

今回はそんな心の隙間にひっそりと存在する、和歌山県の良さも伝えていこう。

シンバルのある和歌山市は、大阪から南海電鉄のサザンという特急列車に乗って約1時間で到着する。和歌山市は県の中でも北の方にあり、割とすぐだ。

もっと山道をかいくぐって走るのかと思ったら、割とひらけていたし、住宅街など町並みはそれなりに栄えていた。
和歌山といえば気候の良さだろう。夏は涼しく、冬は温かい。その温暖な気候を活かした、みかんや梅などが有名だろうか。行き交う人々を眺めていたら、あっという間に電車は和歌山市に到着した。

和歌山グルメ グリーンソフト

到着したらまずは腹ごしらえだ。
入ったのは、和歌山では有名なグリーンコーナーというラーメン屋。

「◯◯番のお客様―!」厨房のおばちゃんの声が店内に響く。
一昔前の高速道路のサービスエリアの雰囲気だ。

私が注文したのは「てんかけラーメン」なるもの。天かすが入っていて、とてもシンプルで優しい味なのだが、ぎっとりこてこてのラーメンに慣れてしまった昨今としては、これぞラーメンという、原点を思い出させてくれる一品だ。
名古屋のスガキヤを思い出す。それも今の洗練されたスガキヤではなく、昔の古き良きスガキヤだ。

値段も、最近の日本では考えられないくらい安い。デザートとして、和歌山ではコンビニに入ったら売っているというくらい、ご当地名物の

グリーンソフトを頂いた。
なんと、この抹茶ソフトを食べるために他県からくる人もいるらしい。それくらい隠れた名産なのだ。グリーンコーナーのグリーンソフトは他で食べるものとは違い、きめ細やかで柔らかい。
私はほとんど好き嫌いがなく、実は唯一抹茶だけが苦手と言えば苦手なのだが、このグリーンソフトはあまり抹茶抹茶しておらず、美味しく食べることができた。

まさにアットホーム雀荘 シンバル

お腹を満たしたところで、いよいよシンバルに向かう。
シンバルは和歌山市駅から歩いて20分くらいだろうか。国道沿いにあった。

一見すると、全くもって普通の一軒家だ。
違いは看板があるかどうかでしかない。

ごくごく普通の玄関を開けると……

2階に繋がる階段と、下駄箱があって本当に「家」っぽい。
中では既に

フリーが2卓立っていた。

看板娘がお出迎え。

実戦

早速麻雀を打つことになった。
ルールはごくごく普通の遊びやすい4人打ちルール。

この日は終始調子がよかった。
最初こそダブロンを放銃するなどして飛んでしまったが、その後は2311211と8戦4トップを奪取。

印象的な局があった。

東1局3巡目・南家

 ドラ

私は、この手で上家から出たに反応したのだ。
もちろん狙いはチンイツ。

「10枚チンイツドンジャラ理論」という言葉は有名だろう。
木原浩一プロが考案した1つの基準であり、ようは10枚同じ色があったらチンイツに走って問題ないよ……と、理論という名前の割にはかなりざっくりした内容なのだが。

私はこれを少しだけ細分化して考えている。

3巡目まで→9枚

4巡目~7巡目→10枚

8巡目以降→11枚

つまり早い巡目であれば9枚から発進してもOK!ということだ。
もちろん9枚の繋がりや、他の部分を活かしたメンゼンリーチとの比較によって判断は変わっていくが、上の手牌くらいマンズの並びがよかったらどこからでも仕掛けていくべきだろう。

端にかかるは、すぐにでも鳴けそうだ。実際あっという間に、

   

こんな理想的なテンパイになり、ハネ満をツモった。

アガリを重ねる自分を相手に、全員が楽しそうに麻雀を打っているのが印象的だ。

総評

「アットホーム」

雀荘を紹介するときに、耳にタコができるくらいありふれたフレーズなのだが、この言葉が1番しっくりくるのだから仕方ない。
例えば、今はそうでもないかもしれないが、昔は雀荘に時計は珍しかった。
時計を置くとお客さんの帰ってしまうきっかけをつくってしまうからだ。
シンバルでは……

めちゃくちゃ存在感の大きい時計がある。

5年前。オーナーのSHINさんは、和歌山からわざわざ大阪まで出ていって麻雀を打ったそうで、だったら自分で和歌山にお店を作ったほうがよいのでは……と思ったのがきっかけで開業したのだと言う。
集うようになったお客さんと交流を重ね、いつしか和歌山から4人打ちの灯を消してはいけない……という使命感を強く持つようになった。

その思いが店内からヒシヒシと伝わってくるお店だった。

なお、

ポイントカードによってゲーム券がもらえるし……
今流行りの成績管理もしっかり存在する。お店のHPから見てみると……

しっかり11月のランキングに名前を連ねていた。
名前をクリックすると、

詳細を見ることができる。

お客さんのことを考えて様々な面で試行錯誤するSHINさん。

シンバルで麻雀を打って、グリーンソフトを食べて帰る。
そんな観光名所になってほしいなと思った。

なかなか踏み入れることのない和歌山の地だが、お立ち寄りの際は是非シンバルでの麻雀を楽しんでみてははいかがだろうか。

評価

刺激度 ★★★
清潔感 ★★★★
サービス★★★★
グリーンコーナー★★★★★

(なお「刺激度」は動くお楽しみチップを元に 新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートルールを★…として表現)