zeRoの麻雀ひとり旅
第九回:福岡県福岡県久留米市「チャン太 久留米店」
五月某日――
初夏を感じる暑さの中、zeRoは福岡へ向かう機内にいた。
これまで麻雀ばかりしてきたからか、飛行機に乗るのはとても久しぶりである。
よくこんな「人を乗せた鉄の塊」を飛ばし、さらにそれをビジネスにしようと考えたよな……などと人類の英知に対して余計な事を考えているうちには福岡に着いていた。
名古屋から約1時間のことだ。人類の英知はホントに凄い。
目的はもちろん麻雀だ。
土地 が変われば麻雀も変わる。本州との違いをお届けできれば……と思っている。
今回訪れたのは久留米市にある「チャン太 久留米店」だ。
右にパチンコ屋が写っているが「チャン太久留米店」に限らず、パチンコ屋の隣にある雀荘が、この辺りでは多かった。 相乗効果を狙ってのことか、それとも遊ぶところはひとまとめにするのが福岡流なのか。
外から見るとプレハブ小屋のように見えるが、階段を登り、中に入るとかなり広く印象が変わった。
奥の扉の向こうには個室もある。
「いらっしゃいませ」
スラリとした秘書のような素敵な女性が声をかけてくれた。
この方にルール説明を受けたのだが、尽くしてくれる雰囲気が出ていて、秘書感がますます高まってくるではないか。
なんのレポートかわからなくなってきたので話を戻すと「チャン太」はルールやマナーがしっかりしているし、サービスも充実している印象だ。
HPを見ればその様子がわかる。
店内にはびっしりとマナーに関する貼り紙があり、
かといってギスギスした場かと言うとそうではなく、店員さんは楽しそうな雰囲気 を出しているし、お客様同士も和気あいあいと話しながら麻雀を打っている。
「楽しい」と「厳しい」は相反するようで、実は表裏一体の要素。
楽しむためには最低限のルールを守らないと楽しめないのだ。
知らない人同士が卓を囲むフリー雀荘はなおさらそうで、楽しむためにマナーを覚えましょう……ということなのだろう。
サービスもたくさんあったが、一番驚いたのがこれだ。
28歳以下の方は場代が半額らしい。
若い血を入れたいのだろう。
しかし、ここまで思い切ったサービスは名古屋では見なかったと思う。
28か……。
一瞬、なんとか誤魔化せないだろうか? と思ったがスマホに反射する自身 の顔をみて諦めた(笑)
(それにサービスを受けるにはおそらく身分証明が必要だろう)
さて、平日の昼すぎということもあってお客さんはまばら。
ヨンマだとスリー入りになるということもあり、まずはお客さんのいるサンマを希望した。
サンマほど地域の特色がでるものはない。
チャン太のサンマをざっくり解説すると
5の他に3や7にも色牌が入っている。
何故だろうと考えたその時
なるほど!閃いたぞ!
チャンタだ「チャン太」!
5だけに赤が入っているとどうしてもチャンタは苦労の割に見返りの低い不遇の役となってしまう。
ところが3や7に赤が入っていると「メンチャンピン赤赤!」と言う呪文を唱える事もできるってわけだ!
あとはツモリ損。1000点加符すらない純粋なツモリ損。
子で満貫をツモったら2000・4000で6000の収入にしかならない。要所でダマの選択が大事になってくるだろう。
最後に北の扱い。
北は抜きドラだが、オタ風として手の内に使える。
私は北抜きのルールの中では手の内で使えるこのルールが大好きだ。
チートイ北タンキに構え他の人が抜くのを待ったりすることができるなど、戦略性を感じる。
早速どうするのか問いかけるような配牌がやってきた。
(赤) ドラ
普通にから切り出すのもいいが、私は試しに……とを抜いた。
「ペー」
を抜く際はこう発声するのがルール。
(2枚だから「ぺーぺー」と言うべきなのか?)
などと思いながらリンシャンから持ってきた牌はと。
(赤) 抜きドラ ドラ
さっきとは見違える手になった。
が役牌なら他人が抜いた牌もポンできるのでそのまま抜かない方がいいと思うのだが、所詮はオタ風。先ほどのようなタンヤオの見える手ならなおさらを抜いて変化を求めた方が良いと思ういい。
その後
(赤) 抜きドラ ドラ
テンパイしたものの、すでに11巡目と時間がかかった。
自分の捨て牌が派手になってしまったのと、他家がを数枚切っている事もあり、ダマに構えた。
ここからアガリ確率を削って倍満を目指すより、確実にハネマンを拾うのが「ツモリ損」の基本だ。
この後に赤牌やドラなどを入れ替えたり北を抜いたりで、さらに高くなったりする事もある。
すると次巡、そんなを切っている親からリーチがかかった。
(赤) 抜きドラ ドラ
追っかけるかどうかの判断。
は不要なはずなので高打点出アガリのチャンスとも言える。
しかし、やはり正着はダマ続行だろう。
現状打点は十分であり、現物待ちでもう1人から出るかもしれないのにその可能性を削るのは愚の骨頂だ。また牌を入れ替える事により放銃回避できるかもしれない。
とにかくハネマン以上の手はアガリ率最大に構えておくのが吉である。
出ていく牌が目立たないならなおさらだ。
もくろみ通り脇からを拾って、ハネマンをゲットした。
そんなこんなでサンマを楽しんでいると、4人打ちのお客さんが揃ったということで移動となった。
さて、ヨンマのルールを解説していきたいところだが、みなさんは初めてのお店に行った時、ルールを全部頭に入れるだろうか?
いくつもお店を回っている私から言わせると
「国士のアンカンは当たれるか――」
などは一切覚える必要がない。
いや、しっかり全部覚えられるならいいが、1年に1度あるかどうかすらわからないレア現象に頭のリソースは割かず、ゲームに大きく関わり、そして「出現頻度の高い重要な項目」だけを覚える方が、効率がいいのだ。
その重要な項目とは
- 祝儀チップの対象、枚数
- アガリ連荘かテンパイ連荘か
- 途中流局があるか
- ウマ
極論するとこの4つだけを把握しておけば事足りる。
オーラスの2着ヤメができるかどうかなんて、その時に聞けばよいではないか。
そんな感じで「チャン太」のルールを見ると…
赤3に金1の鳴き祝儀。そしてマンズに2枚入っていることはしっかり覚えておこう。
- テンパイ連チャン
- 途中流局なし
- ウマ10000点20000点
そして重要なのは「条件付き東南戦」だということ。
東4局終了時点で32000点以上持っている人がいるとそこでゲーム終了。
いわゆる「新宿ルール 」というやつだ。
西家で迎えた手牌。
(赤)
南家から打たれたを鳴くかどうか?
「ポン」
新宿ルール の役牌は基本ポンだ。
よほど面前リーチが見込めるくらいの速度がない限り鳴いた方が良い。
鳴き祝儀ならなおさらだろう。
ただここまでバラバラだと、2つ目の仕掛けは形が整うまで控える。
(赤)
ここで南家に打たれたをスルー。
カンチャンを2つ残したまま手を短くすると、アガリが見込めない上に危険だけが広がる。
これを鳴くことは、知らない女に「一目惚れした!」と言われ、いきなりホテルに行くようなモノだ。
きっとクローゼットに怖いお兄さんが隠れている。
(赤)
ここまで進んだが、他家にアガリを拾われた。
そんなこんなで時は進み、東4局となっていた。
東家 40000
南家 18000
西家 16000
北家 26000 ←自分
ドラ
役牌は基本ポン、と言ったばかりだが、私はこのを鳴かなかった。
トップ目の親がをポンしており、ここに満貫を振り込むとたちまちラス目になってしまう。その一方で鳴いて上がってもトップになれない。
門前で親に放銃しないように手を進め、ハネマンリーチが見込めない限りオリる……という戦略がベターだろう。
そして
ドラ
ここまで手が進んだが親にあがられて終局となった。
このように終盤はいろんな条件が発生する。
南入りの条件なども絡むと、より戦略的になるだろう。
新宿ルール というと一見インフレルールのように感じるかもしれないが「条件に合わせた立ち回りをする」ことが大切であり、それは赤ナシの競技麻雀にも通じる部分がある。
密度が濃くなって、ある意味それは麻雀の醍醐味とも言えるだろう。
結果、サンマで少しマイナスした分をヨンマで大きく取り戻し、プラスで終えた私は待ち席で気分よくご飯を注文した。
待ち席の横には大きなモニターがあって、飽きさせない。
この時は音楽チャンネルが流れていたが、時には麻雀番組も流しているのだろう。
そしていよいよご飯が到着した。
ご飯の上にじゃがいもとほうれん草、そしてマヨネーズをぶっかけたチャン太名物「ポパイ丼」だ。
とても美味しい上、満足感があった。
まとめ
「チャンタ久留米店」はマナーとサービスが共にしっかりしていて、店員さんも感じよく(特に秘書)店内も広いので、とても安心して麻雀に没頭できる場所だった。
また、新規のお客様には、フリー・セットを問わず手厚いサービスがある。
フリーならば最大で8500円相当のプレゼント。
セットならば最大で40000円相当のプレゼント。
ともに初回来店から来れば来るほどサービスの内容が良くなっていき、ポイントカードのポイントを貯めると、「ゲーム代無料」や「卓代無料」などの激熱サービスの恩恵が受けられて、実にお得だ。
久留米に立ち寄る際には、ぜひともチャン太に足を運んでみてほしい。
評価
刺激度 ★★★☆
清潔感 ★★★★☆
サービス★★★★★
秘書の色気★★★★★
(なお「刺激度」は動くお楽しみチップを元に 新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートールを★…として表現