福岡 | 雀荘特集


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第十三回:北九州市小倉駅前「M-7(エムセブン)」

リーチ麻雀M-7レポート

福岡に来てよかった。
ゲスト来店(旅打ちはゲストとは少し違うのだが)自体が珍しいこともあり、多くの人が会いに来てくれたし、遠方の麻雀文化に触れる事により麻雀の原点を感じる事ができた。

そんな大団円を迎えようとしている福岡紀行の最後に訪れたのは……

北九州市は小倉である!

振り向くと小倉の街並みがあり、すぐそこには、

下町の情緒を感じさせるような、商店街があった。
小倉駅から徒歩数分といったところだろうか。

目的のお店、M-7はあった。
早速入店しようとした矢先、我が目を疑ってしまった。

35歳以下半額!? さらに女性無料!?
「チャン太」の28歳以下半額でも「ありえないサービス」と表現したのに、その遥か上をいく35歳である。
目一杯広げてくれたレンジにも自分は入らないが(笑)そんなことよりも衝撃が大きかった。

階段を登ると明るい店内が見えてきた。

入ると平日の昼間だというのに、既に複数の卓が立っており、とても賑わっていた。

煤けた壁色、そしてその壁に張られている役満の貼り紙、チョッキをきたベテラン店員さん。決して綺麗とは言えないが、掃除などは行き届いているようで、 それでいて古き良き昭和の雀荘を感じさせるには十分だった。

そういえば、先日亡くなられた小島武夫プロも福岡出身だっけ。
小島プロも、このような活気のあるお店で麻雀を覚えてきたのだろうか。

「いらっしゃい!」

そんなノスタルジックな気分になっていると、威勢のよい店員さんに声を掛けられ、ルール説明の運びとなった。

ルールは普通のアリアリルールのヨンマ。
ウマがちょっと特殊で、

  • 同じ2着でも3万点あるとプラス500pt、ないとマイナス500pt
  • 同様に、3万点ある3着は0、ないとマイナス1000pt
  • ラスは一律マイナス1500pt

と、順位ウマと沈みウマがミックスしたシステムになっていた。
3人沈めてトップをとると大きくなるという沈みウマの醍醐味をそのままに、順位ウマの競技性もあるという絶妙なウマ設定だと思う。

あとはテンパイ連チャン、途中流局アリ、形テンなし……くらいを覚えておけば困る事はなさそう。

最後に「M-7」の目玉となるのがこれである。

の赤が1枚ずつ、そしての金が1枚 ……の計3枚が入っている。
赤はリーチアガリした時にボーナスでゲームチップが300ptもらえ、金は仕掛けても500ptもらえるという特別な牌だ。

福岡では7に特殊牌が入ることは多々あったし、色によって条件が変わるのも珍しくない。
しかし面白いのがここからだ。
ルール表の最後にこう書かれていた。

「この3枚を全部使ってリーチをかけてツモアガった場合は役満になります」

や、役満!? 
2度見してしまった。
正直最初の印象はバランスを壊しすぎではないかと感じていた。
しかし打った後の感想は180°変わっていた。

早速そんな実戦をみていこう。

案内されて座った卓は、両脇に打ち慣れた若い方、対面が商店街の人だろうか私より一回りも上といった常連さんだった。

西家でもらった配牌がこれだ。

 ドラ

さて、何を切るか。
他の店ならいざ知らず、ここ「M-7」では確固たる正解がある。

そうなのだ、赤や金が7という事があり、2と8には明確な優劣が存在する。
ましてや金の存在するペンはそうそう嫌う事はできない。

白をポンした私の2000点のアガリで開幕した。

東2局、親の若者のリーチに対し、対面の常連さんがベチベチと独特な音をさせながら無筋を押していく。
今でこそ戦術本が氾濫し、押し引きに関しても多くのデータが公開されているが、昔はこの常連さんのようにひたすら打つ事によって自分の体でどこまで押していいのかを感じるしかなかった。

体で覚えた事は一生モノだし、何より無機質に並んでいる数字よりもよほど信頼できる。

あれだけ無筋を押していたようにみえた常連さんは、さすがにこれは…・…といった表情で現物を抜いた。
直後に親がツモ、4000オール。

「やっぱこれあたりかー」

常連さんが止めた牌をみせる。

こういう感覚派の打ち手は決して上手いわけではない。
でもこれまでに培ってきた経験からギリギリまで押してくるので、打っていてかなり強く感じるのだ。

――それにしても、このお店のお客さんは楽しそうに打つナ。
この対面さんと両脇の若者、親子くらい年齢は離れているだろうというのに、そういう隔たりを感じさせないような空気があった。
放銃してもアガっても「M-7」は笑顔で溢れかえっていたのだ。
小難しい事を考えていた自分が恥ずかしいくらいだ。

さて、ジリ貧で迎えた南場の親もマンガンを被り、オーラスを迎えて14000点持ちのラス目になっていた。トップは上家の若者で40000点以上持っている。

諦観の面持ちでむかえた配牌がこれだった

 ドラ

……きた!
そうなのだ。このルールで打っていると、赤が2枚きただけで役満がチラつき、ドキドキすることができる。
赤入りの麻雀を打っている皆さんならわかると思うが、赤2枚なら結構な頻度でくる。
その度にドキドキできるのだ。

門前で仕上げないといけないため、と切り飛ばす。

 ドラ

こんなをずっと引っ張っているあたりいびつな牌進行だが(笑)次のツモに心臓が高鳴った。

喉から手が出るほどほしかったである。

なお、最後にをツモってアガリとなっても役満になるルール(最終的に赤赤金になればよい)だったので受けができればよいと思っていた。
それなのに先に金そのものが到着するとは。よし、形はできた。

が1枚見えていたので、を切った。

 ドラ

うおおお! この景色を見よ! 目の前にある材料だけで興奮は高まっていく。
こんなダンラスでもこれだけ盛り上がれるのだから、このルールすげーよ!

しかしここからが長かった。
なかなかテンパイができぬまま、有効牌はバタバタ切られ、そしてトップの若者は役牌をポンし、対面の常連さんからリーチがかかる。

無理かな……と思ったところへ、スッとタテに抜ける盲牌。

 ツモドラ

キタ――(゚∀゚)――!!

は既に2枚打たれているが構わない。
を切って元気よくリーチ宣言した。

が、そのに常連さんからお声がかかった。
メンタンピンドラ1の満貫への放銃。
6000点持ちのラスになり、マイナス2400ptに1500ptの順位ウマを加え3900ptの支払いとなった。

赤が2枚くることなど、半荘に1度はあるだろう。
その度に役満がチラつくのだが、そこからが意外と厳しい。

「3つ使って門前でテンパイしてリーチを打つ」⇒「ツモ上がり」

というさらに複数の条件を満たさないといけないからだ。
ドキドキする頻度の割に、意外と条件が厳しいのだ。
何個も役満を入れるとインフレ化してしまうが、こうやって1つ目玉的な特殊役を入れるだけで、よいスパイスとなって非常に面白いな……と感じた。

さて2半荘目の親番でのこと。

 ツモ ドラ

これが5巡目。
ツモってきたは不要なのだが、問題は対面がリーチをかけていてその一発であることである。

しかし私はあまり深く考えずにを切った。

5巡目のリーチなんてまだまだ通ってないところだらけで何が当たるかわかったものではない。
それならば自分の都合でまっすぐ打つべき。そう打つ事で相手のアガリを最大限阻止できるし、ひいては放銃率も下がるはずなのだ。

次に安目となるがを持ってきてリーチ。
一発でをツモってハネマンの600ptオールとなった。

 ツモ ドラ

このハネマンが効いてトップ。
その後も一進一退あったが、定期的に大きいトップをとり、15半荘ほど打ち終わった頃には大きくプラスになっていた。

結局15半荘も打ったのに、例の役満は一度も出なかった。
自身で3回ほどテンパイしたのだが、やはりなかなかハードルが高い。
出る時は簡単に出るのだとか。

お客さんは入れ替わり何度も変わったが、全員気さくに話しかけてくれ、とても楽しい時間を過ごせた。
福岡の雀荘はどこも特色があって面白く、いい思い出になった。
気持ち良く名古屋に帰る事ができたzeRoさんなのでした。
(今日のわんこ風)

まとめ

「リーチ麻雀M-7」は大手チェーン店のように特別マナーに厳しいわけではない。お客さんの中には、強めの牌の扱いをする人もいた。 お店も古いし、広いわけでもない。

しかしそこにはずーっと麻雀を愛しているお客さんがいて、世話をやいてくれる明るい店員さんがいて、和気あいあいとした会話があり、そしてちょっとだけ刺激的な役満がある、そんな古き良き雀荘だった。
私は本当に昭和の時代にタイムスリップしたような感覚になった。

特に35歳以下の方は半額という破格の料金で麻雀が打てるので、小倉にお越しの際は是非立ち寄ってみてほしいと思う。

評価

刺激度 ★★★★
清潔感 ★★★
サービス★★★(35歳以下は★★★★★)
幻のオールスター役満!★★★★★
満ち溢れる麻雀愛★★★★★★★

(なお「刺激度」は動くお楽しみチップを元に 新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートルールを★…として表現

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第十二回:福岡県大野城市「フォーラム」

※2019年4月に住所移転しています。レポートは移転前時のものです。

私は焦っていた。

天鳳に没頭し、ブログを始めた事により、ゲスト依頼などたくさんの仕事が増えた。
昨年(2017年)には麻雀の戦術本を出すこともできた。そしてすぐに増刷されるほどに売れたのだ。

早いものであれからもうすぐ1年が経とうとしている。
あの時は連日忙しく、必要とされている実感を覚え、とても充実していたように思う。

しかしあれがピークだったようだ。
あと3トップというところまで迫った天鳳位を獲り逃し、ずるずると八段まで降段しその後は長く低迷。プロアマリーグなどの大会に積極的に参加するも結果を出せず、いつからか華々しい舞台から遠ざかっているように感じた。

今ですら齢40を数え、若者からすると距離を置かれる年齢だ。
柔らかく言うといいオッサンである。
それがあと10年経つと50になる。記憶力や瞬発力は大きく衰えてくるだろう。
私には時間がない。実働的にはあと数年。この麻雀界に何を残せるだろうか。

――そんな思いを抱えながらも、この日は「フォーラム」という雀荘を探していた。

おかしい。
JR春日駅より徒歩15分とのことで、その住所に着いたハズなのだが

パチンコ屋しか見当たらない。
何度地図アプリで確認してもこの場所のはずなのだが、周辺をぐるぐる回ってもみつからない。
ん、HPをよくみると「5F」と書いてあるな。もしやと思ってパチンコ屋の中のエレベーターに入ってみる。

あった(笑)
5階で降りると、すぐ隣が入り口だった。
もう少し、外部から存在がわかるようにするとよいと思うのだが。。

気を取り直して入ってみると、

平日にも関わらず縦長の店内にフリーが2卓、セットが1卓たっており、活気を感じる。

「いらっしゃいませー!」

元気のよい女性スタッフが迎えてくれた。初めての旨を告げると、待ち席に案内される。

待ち席では、福岡で定番となった大型モニターから日本プロ麻雀連盟のタイトル戦がライブで流れていた。

何やらこの雀荘は、私のイケメン仲間である滝沢和典プロがプロデュースする店らしい。

……ごめん、イケメンでも仲間でもないわ(笑)
20年前は同じ期待の新人だったはずなのだが、彼はスターダムの道を登りつめ、一方で私はドロップアウトした。あの時のことを自分は今でも鮮明に思い出せるが、滝沢プロが私を覚えているかはかなり怪しいところだ。

多くの大物ゲストが定期的に来店しているようで、所せましとサインが並べてあった。

さて、一通りルール説明を受けたが、オーソドックスなアリアリルールの4人打ちのようだ。
これなら初めてでも戸惑うことなく打てるだろう。

「zeRoさんが来るという事で楽しみにしていました!」

待ち席のお客さんに話しかけられる。
何やら天鳳をやっているということで、天鳳トークに花を咲かす。

そのお客さんと今来たお客さん2人で卓を立てる運びとなった。

「よろしくお願いします!」

元気な挨拶とは裏腹に、手が入らない。
まさに地蔵。先手を取る事ができず、1半荘目はぶら下がりの3着となった。

「フォーラム」では、ゲームが始まる前にこのようなボックスに各自ゲーム代(350円)を入れる仕組みだ。

トップ者がまとめて支払うシステムが全盛の時代で、私はこうやって各々から徴収する昔ながらのシステムを推す。

理由としては、全員分まとめて払うとえらい高いように感じてしまうのが大きい。
また無料ゲーム券や半額ゲーム券などのサービスも、その場で得を実感できるのが良いと感じる。そうそう、フォーラムでは11枚つづりのゲーム券を常時販売しており、これを使う事によって1ゲームオトクに遊べる。新規の方や女性の方はさらに安くこのゲーム券を購入できるようだ。

また、新規様にもれなくゲーム券がもらえるほか、ポイントカードも発行していて、サービスはとても充実している印象だ。

さて、気を取り直して2半荘目に入ったが、なかなか配牌もツモも呼応してくれない。
この、努力がすぐに結果に直結するわけでもなく思うようにいかない麻雀というゲームにおいて、自分はこれから何を残せるのだろうか。

再び心に闇が訪れていた、そんな矢先だった。

ツモられ貧乏で迎えた南1局の事。
私はがむしゃらにホンイツ仕掛けをしていた。

  ドラ

見切り発車で仕掛けてみたはいいものの、字牌は重ねる前に他家からだだ切られ、マンズも同様に被せられていた。

(少しでもいいところを見せたいけど、テンパイすら厳しそうだな……)

そう半ば諦めかけた時だった。上家からが打たれた。
すぐにツモ山に手を伸ばしたが、

(あれ、これって)

体が反応するように声が出ていた。

「チー」

  

何もなかったはずの空間からメンツを作る鳴き。
通常の発想の外にあるこのチーは、ボーっとしているだけではできないし、知識と経験がないと反応できない。

――何かが、代わった気がした。

丁寧に3枚切れているを切る。
次巡、他もほとんど出枯れていた字牌だが、その中の1枚を重ねる事に成功した。

   ツモ

次にを仕入れ、横に曲がっていた対面のを捉える事ができた。

   ロン

間一髪、ギリギリの満貫。
そしてこれがきっかけとなったのか、次局。

四暗刻のツモアガリ。
特に華麗な手筋があったわけでもない。手なりの四暗刻だった。

あれだけ欲しかった結果は、わけのわからないところに潜んでいるものだ。
あのカンチャンで鳴いたもそうだが、心から欲しかったモノは想定外のところにあり、普段はなかなか気付けないのであろう。
結果を出せず、焦っていた自分だが、麻雀の性質上、欲しい時に欲しいモノが手に入るわけではなく、ただひたすら正着打を打とうと努力を続けることによって、ときおり神様がご褒美をくれる……そんなものなのかもしれない。

その後
311121
3連勝もし、終わってみれば大きく勝って「フォーラム」での実戦を終了した。

遠く離れた地で

「一緒に打てて嬉しい」

と言ってくれる人がいるだけで、どれくらい幸せだろうか。
福岡にきてそれを実感した。

華々しく活躍する滝沢プロと違い、一度は諦め「ZERO」からやり直したこの麻雀道。
焦ることなく、やれることからやっていこうではないか。

何かふっきれたような、そんな麻雀だった。

まとめ

「フォーラム」は特徴あるルールや、目をひくようなシステムがあるわけではない。
しかし、低料金でテンパイ連チャンの麻雀がゆったりと遊べること、サービスやゲストイベントが充実していること、スタッフさんが丁寧で明るいことから、とても安心して麻雀を楽しめるお店のように感じた。

パチンコ屋の上にあるのはみつかりにくいが、パチンコ屋の駐車場は使っていいそうなので、車で来るお客さんにとっては非常に便利であろう。
私も地元名古屋では基本的に車で行動しているので、そのへんの気持ちはとてもわかるのだ。

さすが私のイケメン仲間である滝沢プロがプロデュースする店である。

評価

刺激度 ★★★
清潔感 ★★★★
サービス★★★★
イケメン仲間による安心感★★★★★

(なお「刺激度」は動くお楽しみチップを元に 新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートルールを★…として表現

※2019年4月に住所移転しています。レポートは移転前時のものです。

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第十一回:福岡県福岡県福岡市南区「チャン太 大橋店」

いわゆる「バブル」と言われた二十年前。
学生時代のzeRoが足しげく通った名古屋の雀荘は、地下に存在した。

ポケベルが全盛で、携帯電話が普及しだした昭和の時代だ。
地下ということで電波が入り辛かったのが致命的だし、狭くて暗い階段を下っていくのは怪しさ満点。お店のイメージとしてはマイナスの側面が大きかったと思う。

それでも私は、365日中350日はそのお店で麻雀を打ち込んだし、後にメンバーとなることで仕事や接客を学んだ。

イメージの悪い「地下」も、私としては隠れ家的な雰囲気で好きだった。
あそこにいけば誰かいる。あそこにいけば楽しく麻雀ができる。
麻雀も恋愛も仕事も常識も、すべてそこで覚えた。

――その地下にある雀荘は、私の青春そのものだった。

という背景があり、私にとって「地下」にあるお店は、ワクワク感が5割増しになる。
そう、本日紹介する「チャン太大橋店」は「地下」にあったのだ。

西鉄大橋駅から降りて徒歩1分。
麻雀と書かれた派手な看板があり、すぐにみつかった。

ここも隣にパチンコ屋がある…・・・という福岡雀荘の謎の伝統を守っている。

青春の中の狭くて暗い階段と違い、おしゃれな洋食屋さんにつながっていそうな、明るくてとても入りやすい階段だ。
思い出を噛みしめるように一歩ずつ降りていくと入り口についた。
店内もかなり明るそうだ。

「いらっしゃいませー!」

平日の昼間だというのに、すでに5、6卓立っていて、とても活気がある。

待ち席も広くて、人をダメにしそうな大きなソファーがある。
そしてこれも福岡の伝統か? 大きなモニターがあった。

また、久留米店同様28歳以下が半額と言う「ありえないサービス」をやっている。
ちょっと前ならギリギリ誤魔化せたと思うが、やはり40となった今ブラフをかますのはさすがに苦しいか。
(だからおそらく身分証明いるって)

そしてそして、この「わせりん」君↓にルール説明をしてもらった。

彼は天鳳プレイヤーであり、私と同じで十段を経験しており、とても強い。
それでいて店の中ではムードメーカー的な存在なのか、常に喋っている。
そんな彼の存在のおかげで、完全アウェイの私もかなりリラックスできたと思う。

「久留米店」同様、ここも「マナーに厳しいからこそ楽しく打てる麻雀」がコンセプトになっている。

特に目を引くのは一番下に書いてある

「七・当店は日本一お客様をお待たせしない麻雀店を目指します」

とあることだろう。

フリーに来るお客様は基本的に今すぐ麻雀を打ちたい人が多い。
十分な人数のスタッフで構え、その要望に応える事はシンプルながら重要なことだろう。

さて、ルール説明を受けて、「大橋店」には3つのルールがある事がわかった。
「サンマ」「ヨンマ」は「久留米店」とほぼ同じルールを採用していると思うのだが、ひときわ異彩を放っているのが「大橋店」独自の「RUSH」なるルール。

通常の麻雀とはかなり違うということで尻込みしていたが、わせりん君のススメと、せっかく福岡まで来たということもあり「RUSH」を打つ事にした。

結果的にこれが鬼のように面白かった!

鬼って面白いのか?
自分のあまりの語彙力のなさに辟易としてしまったが、そんなことよりも、今回この「RUSH」の面白さだけはどうしても伝えたいので、わかりやすいようにざっくりと解説していこう。

まず「RUSH」「一局勝負 のサンマ」である。
3人で60分を1クールとし、ひらすらサンマを打つ。
この「60分間の共有」が妙に卓内3人の連帯感を生むのだ。
いや、通常の半荘でも同じことなのだが、時間で区切られると一緒にカラオケボックスに入ったような、そんな謎の感覚を覚えた。

「今から『RUSH』を始めまーす!」

わせりん君の掛け声と共に50分のタイマーが押される。
アガった人が親になるのだが、この50分のタイマーが鳴った後に親が移動したらそこで終了となる。

メンツはわせりん君と常連らしき若者。
始めてであることを告げ、いろいろ教えてくださいと頭を下げる。

最初の親は私だ。
何もわからないまま、手なりで進めていくと、すぐにテンパイした。

(赤) 抜きドラ ドラ

まず、メンゼンでテンパイしたらリーチをかけないとあがれない、というルールだ。
迷わずリーチを打つが、リーチにも3種類ある。

通常のリーチと倍の供託を払うオープンリーチ、ここまではなんとなくわかるが、特殊なのが供託のいらないサービスリーチというやつだ。

サービスリーチでアガると、一発や本場、裏ドラは放棄となる。
どういう時に使うかというと、1人が「流し」など役満(大物手)気配の時に「お安くしとくよ!」という意志とともにサービスリーチを打って差し込んでもらうのだ。

さて、を切って通常のリーチを打ったら、あっさりと若者からが出た。

「RUSH」では通常のハン数による計算とは違い、独自の計算方法を使う。

これを初日で全部網羅するのは不可能だと思うが、リーチ・ピンフなどの頻出する通常の1ハン役はほとんど「2点」だ。

「リーチ・ピンフ・二色・RUSH……」

牌を2枚ずつ集めながら数える。
あとはドラの4枚を足す。
ここまでで12点だ。

そして熱いのがここから。
裏ドラをめくる。
が乗った。

裏ドラが乗ると5点付加され、さらに隣をめくっていく、いわゆる「アリス方式」だ。
アリスはマンガなどで見たことあるが、実際にフリーでやっているのははじめてみた。

次はがめくれて、抜いている北がダブルで乗った。
や赤牌が乗ると10点加点される、つまり2枚を抜いている今回は20点、加算される。

こうやって途切れるまでめくり続け、結局4枚連続で乗った。
12点に35点が加算され47点のアガリになった。

「早速『RUSH』の醍醐味を味わいましたね」

若者が笑顔で47点分のゲームチップを支払いながら言った。
この若者の打ち方が凄かった。

リーチに対してほとんどオリる事なく突っ込んでくるし、追っかけは全部オープンしてきた。
極端だなぁ……と感じたが、これが「RUSH」の1つの答えだとも思った。

なにせツモられても同額を払うのだ。
さきほどの手、ロンアガリだったので47点にしかならなかったが、ツモっていたら2人からもらえていたという事。
また、親だからといって基本的には得点が優遇される事はない。

それならば多少不利な手であっても、押し得となるのは自明の理。
オープンリーチに関しても、供託は倍払うことになるが、アガった時に5点となる上(通常のリーチは2点)ツモ上がり率が高くなる。

ここまででかなり通常の麻雀と違うことがわかったと思うが、難しいだろうか?

人は知らないモノに対して、腰が引けるものだ。
難解な得点表を見たり、今までの常識が通じない麻雀だと思うと、どうしても避けたくなる心理が働く。

しかし、一回でいい。
騙されたと思ってこの「RUSH」を体験してほしい。

通常の麻雀は競技と言うか、なるべく放銃しないよう我慢すべき場面がどうしても多くなるが、「RUSH」はガンガン前に出てアガっただの打っただのワイワイみんなで楽しむ麻雀である。刺激的な一方、あまり腕の差は出づらいと言え「娯楽の原点」がそこにあるように感じた。

また数え方にもコツがあって、「リーチツモ⇒役⇒ドラ⇒裏ドラ⇒アリス」など、数える順番や数えるために集める牌の場所(手牌やアリスとして使いそうなところは残す)など、それらを覚えて流れるように数える事ができると、一種の様式美のような美しさを感じるのだ。
私もその様式美を60分ではモノに出来なかったが、初めての旨を告げればスタッフさんが優しく教えてくれる。

さて、展開の方はというと、ビギナーズラックの私がツイていて、たくさんアガることができた。
若者もカンチャンでもなんでもオープンで追っかけてきて、もちろん返り討ちに合う事もあり何度も放銃していたが、時には奇跡的な太いアガリをモノにしてプラス圏だった。
2人に離される形だったのがわせりん君だ。

しかし後半に入ってわせりん君が親で連チャンしだした。
さきほど、基本的に親に優遇措置はない、と言ったが、少しだけある。
3本場から親だけ積み棒による加点が倍になるのだ。
3本場なら6点、5本場なら10点。
はじめは大したことないな…と思っていたが、これがボディーブローのように効いてくる。特にツモアガリは大きい。

8点のロンアガリからはじまり
16点オール
18点のロン
26点オール
40点オール

アガリを重ね連チャンしていくわせりん君。

これが「RUSH」と呼ばれるゆえん。
積み棒ブーストにより、確変に入ったようにゲームチップをかき集める。
ひとりへこみだったわせりん君は親の5連荘であっという間にプラスに戻してしまった。

そこでタイマーが鳴って試合終了。

私は結果的に少しマイナスになってしまったが、若者も優しく「RUSH」を教えてくれたし、時には一緒にわせりん君をからかったりして、非常に楽しい時間を過ごすことができた。

私は麻雀が好きだ。
これまで20年間ずっとそうだったように、これからもそれは変わらないだろう。

しかしあの青春を過ごした地下の雀荘で、貪るように打った麻雀の面白さはまた別物。
もう二度とあの時の魅力は戻ってこないのかもしれない。
そう思っていた。

しかし、奇しくも同じ地下にあるこの「チャン太大橋店」で、「麻雀の面白さの原点」を垣間見たような気がする。
それくらい衝撃的な魅力を持った「RUSH」の体験であった。

本当にもう一回福岡にいって打ちたいくらい面白かった。
是非本州でも流行って欲しい。

まとめ

全編「RUSH」の紹介となってしまったが(笑)「チャン太大橋店」は「久留米店」同様、サービスと接客がしっかりしていて、活気のあるお店だった。

久留米店同様、次回以降キャッシュバックをゲットできるカードをもらったし、

やっぱり個室もあった。
HPをみてもらうとわかるが、各種イベントを常に行っており、文句のつけようのない雀荘と言えるだろう。

また、久留米店同様、ご新規サービスにかなりの力を入れているようで、

フリー・セット、ともに、新規客には、キャッシュバックを含めて破格のサービスが用意されている。
フリーは最大で8500円相当のプレゼント、セットは最大で40000円相当のプレゼントに加え、ポイントカードのポイントを貯めることで、ゲーム代・卓代無料の激熱サービスまで付いてくる。

チャン太大橋店は、「麻雀の楽しさの原点をみた」、そんなお店だった。

評価

刺激度 ★★★~★★★★
清潔感 ★★★★★
サービス★★★★
わせりん君の騒がしさ★★★★★
RUSHの魅力★★★★★★★★★★★

(なお「刺激度」は動くお楽しみチップを元に 新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートルールを★…として表現

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第十回:福岡県福岡県久留米市「ドリーム」

突然だが、各地を旅しているzeRoが旅をする上でこれだけは手放せない、というアイテムがある。それは、

アイマスクである。
zeRoはインターネットカフェやカプセルホテルを利用する事が多いが、アイマスクを装着する事によって、熟睡度が違う。
何もないとなんだかんだで光が入ってくるからだ。
しかし、これさえあれば電車の中だろうと一瞬で夢の世界。

あまり使った事がないという方は騙されたと思って是非試してみて欲しい。

さて福岡ではビジネスホテルを予約している。
そのホテルへのチェックインを済ませたzeRoは、腹ごなしに福岡名物のとんこつらーめんを食していた。

ギトギトのこってり味ではなく、あっさりとしたタイプで食べやすい。
ご飯が欲しいところだが絶賛ダイエット中なので我慢することにしよう。

店を後にしたzeRoが、どっぷりとした腹をさすりながらむかったのが今回紹介する「アミューズメント麻雀ドリーム」(以下ドリーム)である。

マスターに車で迎えにきてもらったのだが、道中お店や麻雀のよもやま話、そしてここでは書けない業界の話などをたくさんさせてもらった。年齢は私より少し上なのに麻雀にとても熱く、そしてお店を大事にしているのが伝わってきた。自分も頑張らないとな……と思わせる方だった。

そんな「ドリーム」に着いた。
やはりというか、パチンコ屋が隣にあった。
入ると……、

たしかに大手チェーン店と比較するとこじんまりとしているかもしれない、しかし「ドリーム」は活気に満ち溢れていた。

所狭しと並べられたPOP

大きなソファーの脇にはたくさんの本とテレビがあり、家にいるかのようにくつろげる。

さて、そんな「ドリーム」での麻雀だが、ヨンマ・サンマともに多彩なルールが用意されている中、東南の四人打ちを打つ事になった。
この時は来店する旨を告げていたので、対局を楽しみにしていたファンが待っていてくれたのだ。

名古屋から遠く離れた場所でこのように温かく迎え入れられるとは、なんてありがたいのだろう。天鳳に、そして麻雀に感謝しながらの対局となった。

恒例、「簡易ルールチェック」をしていこう。

  • 5に1枚ずつ赤アリ、鳴き祝儀2000点相当
  • テンパイ連チャン
  • 途中流局ナシ
  • ウマは10000点20000点

とてもオーソドックスなルールで安心した。
三人打ちを打つとどうしても地域色がでて、それはそれでとても面白いのだが、ルールにアジャストするころには帰る時間になったりする(笑)
この日も4時間くらいしか打てなかったので、ファンに対して麻雀の腕を見せるにはベストなルールだと安心したのである。

1半荘目を3着で終えた2半荘目。
東場の親番で次のような手を迎えていた。

3巡目

 ドラ

ターツ選択での場面である。
どれを選ぶかは場の状況次第といったところだが、私は悠然とを落としていった。
3巡目ならこの一手である。
タンヤオに向かうことにより、打点面だけでなく仕掛けも効く。
アガリトップの局面でもこう打った方がいいだろう。

 ツモ

メンタンピン一発ツモドラ1。
リーのみの手が6000オールとなるのだからたまらない。

これをトップでまとめた。

対面はサラリーマン風の方だった。
牌を触らなくなってかなりの時が経つが、同僚に誘われて打った「ドリーム」での麻雀がとても面白かったらしく、それ以来は定期的に顔を出しているらしい。
何が起きてもニコニコしていてこちらまで穏やかな気持ちになる。

三回戦目、そんな対面さんからの親リーチを受けた私の手牌。

 ツモ ドラ

リーチ者の捨て牌はこれだ。


手牌の形は絶好だが、入り目次第では安すぎて、親リーの一発に赤を切るのはちょっときつい。
どうしたのものかと悩んでいると、本当に麻雀を楽しんでいる対面さんのニコニコとした顔が視界に入った。

(慌てる事はないか……)

私は静かにを河に置いた。
勝負を一旦保留しておいて、次に危険牌を持ってきたら再度西を切って迂回、リャンメンを引いてテンパイしたらそこで勝負にいくかを考えればいい。
勝負に行ける高いルートだけを残して一旦勝負を保留。これがベターな選択だろう。

次にツモってきたのは
これでリスクを負わずに回る事ができた。

そして次巡。

を3つ並べた私が満を持して追っかける。
共通の安牌に窮したのか、上家の若者から親の現物のが放たれる。

 ロン

一発で満貫を召し取った。
精神状態によっては、えいやっとを勝負していたかもしれない。
もっと余裕を持って楽しみなよ、と対面さんの笑顔に何かを学んだ一局だった。

結果的にこの半荘もトップで終え、その後も調子良く4連勝した。
終わりに2着3着とまとめ、大きく勝って実戦を終えた。

まとめ

「ドリーム」はマスターの人柄が伝わってくるような、熱くて優しいアットホームな雀荘だった。
そして一番のセールスポイントは、久留米で一番安い! と豪語するゲーム料金だろう。
1卓1400円……と言うと、最初はそれほどでもないように感じたが、何しろテンパイ連チャンである。時には1半荘1時間を超えるだってあるだろう。
結果的に安い料金でゆっくりと麻雀を楽しむ事ができる。
また貸し卓も1時間800円とありえないくらい安い。

 また、今回は「東南戦四人打ち」を実践したが、そのほかにも、歌舞伎町ルールの「新宿ルール」、九州ならではの「リャンシバサンマ」、鳳凰杯ルールの「大阪サンマ」さらには裏メニュー的なモノもあるらしく、その日の気分によっていろんなルールが打てるのが面白い。次回来た時は、九州独特のサンマを打ってみたいと思った。

成績管理も行っていて、月間や通算でのランキングもHPから見る事ができる。

そして低料金でありながら、各種サービスもある。この時もらったのが行くたびにキャッシュバックがもらえる新規カードだ。

ただでさえ安いので、こんなに出していいのかと心配になるほどだ。

決して広いわけでも、刺激的なルールを採用しているわけでもない。
しかし、店内はマスターの麻雀愛に満ちあふれる 温かい雀荘だった。
久留米にお越しの際は是非のぞいてみてほしい。

【評価】

刺激度 ★★★
清潔感 ★★★
サービス★★★★
料金の安さ★★★★★
マスターの面白さ★★★★★

(なお「刺激度」は動くお楽しみチップを元に 新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートルールを★…として表現

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zeRoの麻雀ひとり旅

第九回:福岡県福岡県久留米市「チャン太 久留米店」

五月某日――
初夏を感じる暑さの中、zeRoは福岡へ向かう機内にいた。
これまで麻雀ばかりしてきたからか、飛行機に乗るのはとても久しぶりである。

よくこんな「人を乗せた鉄の塊」を飛ばし、さらにそれをビジネスにしようと考えたよな……などと人類の英知に対して余計な事を考えているうちには福岡に着いていた。
名古屋から約1時間のことだ。人類の英知はホントに凄い。

目的はもちろん麻雀だ。
土地 が変われば麻雀も変わる。本州との違いをお届けできれば……と思っている。

今回訪れたのは久留米市にある「チャン太 久留米店」だ。

右にパチンコ屋が写っているが「チャン太久留米店」に限らず、パチンコ屋の隣にある雀荘が、この辺りでは多かった。 相乗効果を狙ってのことか、それとも遊ぶところはひとまとめにするのが福岡流なのか。

外から見るとプレハブ小屋のように見えるが、階段を登り、中に入るとかなり広く印象が変わった。

奥の扉の向こうには個室もある。

「いらっしゃいませ」

スラリとした秘書のような素敵な女性が声をかけてくれた。
この方にルール説明を受けたのだが、尽くしてくれる雰囲気が出ていて、秘書感がますます高まってくるではないか。

なんのレポートかわからなくなってきたので話を戻すと「チャン太」はルールやマナーがしっかりしているし、サービスも充実している印象だ。

HPを見ればその様子がわかる。

店内にはびっしりとマナーに関する貼り紙があり、

かといってギスギスした場かと言うとそうではなく、店員さんは楽しそうな雰囲気 を出しているし、お客様同士も和気あいあいと話しながら麻雀を打っている。

「楽しい」と「厳しい」は相反するようで、実は表裏一体の要素。
楽しむためには最低限のルールを守らないと楽しめないのだ。
知らない人同士が卓を囲むフリー雀荘はなおさらそうで、楽しむためにマナーを覚えましょう……ということなのだろう。

サービスもたくさんあったが、一番驚いたのがこれだ。

28歳以下の方は場代が半額らしい。
若い血を入れたいのだろう。
しかし、ここまで思い切ったサービスは名古屋では見なかったと思う。

28か……。
一瞬、なんとか誤魔化せないだろうか? と思ったがスマホに反射する自身 の顔をみて諦めた(笑)
(それにサービスを受けるにはおそらく身分証明が必要だろう)

さて、平日の昼すぎということもあってお客さんはまばら。
ヨンマだとスリー入りになるということもあり、まずはお客さんのいるサンマを希望した。
サンマほど地域の特色がでるものはない。
チャン太のサンマをざっくり解説すると

5の他に3や7にも色牌が入っている。
何故だろうと考えたその時
なるほど!閃いたぞ!
チャンタだ「チャン太」!
5だけに赤が入っているとどうしてもチャンタは苦労の割に見返りの低い不遇の役となってしまう。
ところが3や7に赤が入っていると「メンチャンピン赤赤!」と言う呪文を唱える事もできるってわけだ!

あとはツモリ損。1000点加符すらない純粋なツモリ損。
子で満貫をツモったら2000・4000で6000の収入にしかならない。要所でダマの選択が大事になってくるだろう。

最後に北の扱い。
北は抜きドラだが、オタ風として手の内に使える。
私は北抜きのルールの中では手の内で使えるこのルールが大好きだ。
チートイ北タンキに構え他の人が抜くのを待ったりすることができるなど、戦略性を感じる。

早速どうするのか問いかけるような配牌がやってきた。

(赤) ドラ

普通にから切り出すのもいいが、私は試しに……とを抜いた。

「ペー」

を抜く際はこう発声するのがルール。

(2枚だから「ぺーぺー」と言うべきなのか?)

などと思いながらリンシャンから持ってきた牌は

(赤) 抜きドラ ドラ

さっきとは見違える手になった。
が役牌なら他人が抜いた牌もポンできるのでそのまま抜かない方がいいと思うのだが、所詮はオタ風。先ほどのようなタンヤオの見える手ならなおさらを抜いて変化を求めた方が良いと思ういい。

その後

(赤) 抜きドラ ドラ

テンパイしたものの、すでに11巡目と時間がかかった。
自分の捨て牌が派手になってしまったのと、他家がを数枚切っている事もあり、ダマに構えた。

ここからアガリ確率を削って倍満を目指すより、確実にハネマンを拾うのが「ツモリ損」の基本だ。
この後に赤牌やドラなどを入れ替えたり北を抜いたりで、さらに高くなったりする事もある。

すると次巡、そんなを切っている親からリーチがかかった。

(赤) 抜きドラ ドラ

追っかけるかどうかの判断。
は不要なはずなので高打点出アガリのチャンスとも言える。
しかし、やはり正着はダマ続行だろう。

現状打点は十分であり、現物待ちでもう1人から出るかもしれないのにその可能性を削るのは愚の骨頂だ。また牌を入れ替える事により放銃回避できるかもしれない。
とにかくハネマン以上の手はアガリ率最大に構えておくのが吉である。
出ていく牌が目立たないならなおさらだ。

もくろみ通り脇からを拾って、ハネマンをゲットした。
そんなこんなでサンマを楽しんでいると、4人打ちのお客さんが揃ったということで移動となった。

さて、ヨンマのルールを解説していきたいところだが、みなさんは初めてのお店に行った時、ルールを全部頭に入れるだろうか?

いくつもお店を回っている私から言わせると

「国士のアンカンは当たれるか――」

などは一切覚える必要がない。

いや、しっかり全部覚えられるならいいが、1年に1度あるかどうかすらわからないレア現象に頭のリソースは割かず、ゲームに大きく関わり、そして「出現頻度の高い重要な項目」だけを覚える方が、効率がいいのだ。

その重要な項目とは

  • 祝儀チップの対象、枚数
  • アガリ連荘かテンパイ連荘か
  • 途中流局があるか
  • ウマ

極論するとこの4つだけを把握しておけば事足りる。

オーラスの2着ヤメができるかどうかなんて、その時に聞けばよいではないか。

そんな感じで「チャン太」のルールを見ると…

赤3に金1の鳴き祝儀。そしてマンズに2枚入っていることはしっかり覚えておこう。

  • テンパイ連チャン
  • 途中流局なし
  • ウマ10000点20000点

そして重要なのは「条件付き東南戦」だということ。
東4局終了時点で32000点以上持っている人がいるとそこでゲーム終了。
いわゆる「新宿ルール 」というやつだ。

西家で迎えた手牌。

(赤)

南家から打たれたを鳴くかどうか?

「ポン」

新宿ルール の役牌は基本ポンだ。
よほど面前リーチが見込めるくらいの速度がない限り鳴いた方が良い。
鳴き祝儀ならなおさらだろう。

ただここまでバラバラだと、2つ目の仕掛けは形が整うまで控える。

(赤) 

ここで南家に打たれたをスルー。
カンチャンを2つ残したまま手を短くすると、アガリが見込めない上に危険だけが広がる。

これを鳴くことは、知らない女に「一目惚れした!」と言われ、いきなりホテルに行くようなモノだ。
きっとクローゼットに怖いお兄さんが隠れている。

(赤) 

ここまで進んだが、他家にアガリを拾われた。

そんなこんなで時は進み、東4局となっていた。

東家 40000
南家 18000
西家 16000
北家 26000 ←自分

 ドラ

役牌は基本ポン、と言ったばかりだが、私はこのを鳴かなかった。
トップ目の親がをポンしており、ここに満貫を振り込むとたちまちラス目になってしまう。その一方で鳴いて上がってもトップになれない。

門前で親に放銃しないように手を進め、ハネマンリーチが見込めない限りオリる……という戦略がベターだろう。

そして

 ドラ

ここまで手が進んだが親にあがられて終局となった。

このように終盤はいろんな条件が発生する。
南入りの条件なども絡むと、より戦略的になるだろう。
新宿ルール というと一見インフレルールのように感じるかもしれないが「条件に合わせた立ち回りをする」ことが大切であり、それは赤ナシの競技麻雀にも通じる部分がある。

密度が濃くなって、ある意味それは麻雀の醍醐味とも言えるだろう。

結果、サンマで少しマイナスした分をヨンマで大きく取り戻し、プラスで終えた私は待ち席で気分よくご飯を注文した。

待ち席の横には大きなモニターがあって、飽きさせない。

この時は音楽チャンネルが流れていたが、時には麻雀番組も流しているのだろう。

そしていよいよご飯が到着した。

ご飯の上にじゃがいもとほうれん草、そしてマヨネーズをぶっかけたチャン太名物「ポパイ丼」だ。

カロリーの味しかしないが、カロリーは裏切らない(名言)

とても美味しい上、満足感があった。

まとめ

「チャンタ久留米店」はマナーとサービスが共にしっかりしていて、店員さんも感じよく(特に秘書)店内も広いので、とても安心して麻雀に没頭できる場所だった。

また、新規のお客様には、フリー・セットを問わず手厚いサービスがある。

 フリーならば最大で8500円相当のプレゼント。
 セットならば最大で40000円相当のプレゼント。
 ともに初回来店から来れば来るほどサービスの内容が良くなっていき、ポイントカードのポイントを貯めると、「ゲーム代無料」「卓代無料」などの激熱サービスの恩恵が受けられて、実にお得だ。
 久留米に立ち寄る際には、ぜひともチャン太に足を運んでみてほしい。

評価

刺激度 ★★★☆
清潔感 ★★★★☆
サービス★★★★★
秘書の色気★★★★★

(なお「刺激度」は動くお楽しみチップを元に 新宿ルールを★★★★★、学生でも安心して遊べるルールを★★★、ノーレートールを★…として表現

フリー麻雀 実践レポート, 【南区】麻雀好きが集まるお勧め雀荘【大橋駅】三人打ち, 三麻, 福岡, 大橋, 雀荘

九州に出向いた際は福岡天神、博多といった地域で麻雀をする事が多いんですが、福岡在住の麻雀打ちからの情報や編集さんからの情報では、西鉄大橋駅界隈の麻雀店が最近盛り上がっていると聞いたので早速足を運んでみました!

 


大橋駅には天神から2駅で10分かからないくらいで到着。今回は情報者からのイチオシ店、まーじゃんチャン太へ向かう。まーじゃんチャン太は福岡の中でも大型な店舗の一つで、フリー麻雀は3人打ち4人打ち、一局戦と全国の麻雀打ちが好きな種目で遊べるように多種目で営業しているとの事。

大橋駅は2つの出口があり、まーじゃんチャン太は西出口を出て徒歩1分、駅前だ。すぐに発見できたのでさっそく階段を降りて店内へ!

『いっらっしゃいませ!』

元気な声で迎えられ、店内を観察すると既に3麻、4麻、一局戦と全ての種目と、地域の方であろう年配の方々がセット麻雀を楽しんでおり店内に活気あふれていました!

入店した時間が10時過ぎだった事を考えるとかなり賑やかだなぁ!

ゆったりした待ち席スペースに案内されドリンクを注文し、ルール説明をうける。

偶然だが訪問日はチャン太8周年のイベント期間中との事で、この日は3人打ちが1ゲーム100円!

で遊戯できるサービスを行っているとの説明を受け、迷わず3麻を選択!

 

チャン太の3人打ちは、東南戦の福岡サンマ。

福岡サンマは関西サンマ、名古屋サンマとはまたゲーム性も点数計算も違うので改めて3人打ちのルールの多様性を感じながら、ルールの多様性も麻雀を打つ際の楽しみの一つだと思う。

簡単にチャン太の福岡サンマを説明すると

・1ハン完全先付け

・35000持ち40000返し

・順位馬が10-30(返し点以上で+10)

・5に各1枚の青牌、3、7に各1枚の赤牌
→青は鳴いても祝儀対象、赤はリーチ時のみ祝儀対象となる。
・点数計算は4人打ちに準じるが全て1000点単位で切り上げ(例 1300/2600→2000/3000、300/500→1000/1000)

・北は常時ドラ、手中でも抜きでも使用可、一発は消せる。役牌ではない

・フリテン一切なし

福岡ではオーソドックスなサンマルール。他地域でサンマをたしなんでいるプレイヤーは細かな面での相違点を留意してください!

 

ルール説明を終え、イベント期間と重なっていた事が幸いしたのか待ち時間無く案内して貰える事に!

 

対戦者は60代くらいのお父さん&30代くらいのお兄さん。

『福岡でのサンマは初めてなのでわからない所とかあるかもしれないですが宜しくお願い致します』

開局前に自分が初心者である事を宣言し警戒心を解く事を忘れない。

一戦目は開局親番から調子よく連荘を重ねられた。積み棒が1000点(ツモは両者から1000点ずつ)なのはサンマ全国変わらない。

赤青牌が手中にある和了の祝儀計算が不慣れで和了するたびに同卓の二人が教えてくれた。

4人打ちフリーと比べ、3人打ちフリーはマナーにおおらかな事が多いイメージがあったが、チャン太サンマではお店が力を入れているという事もあり、びっくりするくらいスムーズでスピーディな麻雀が楽しめた。

オーラス2着目のお兄さんがクビである40000点に届く和了し一戦目は運よくTOP。

その後3着(トビ、トビチップ-2枚)TOP、2着、3着と5戦を終えたところで時間もありラス半。最終6戦目のオーラスでTOPを競っていたのだが、ハイ牌に2枚あった北をポン、そのまま北ドラ3で手牌を倒してしまいチョンボ。。。

(・・・しまった、福岡サンマでは北は役牌じゃなかったんだ)

ついつい普段関西サンマルールで打つ事が多かった為のナチュラルチョンボ。これが響いて最終戦もラス。

今日はイベント日ということもありゲーム代100円で遊べた為、びっくりするくらいにお財布に優しく実践終了。

 

実践を終えて感じた事は、関西サンマ、名古屋サンマと違い3.7牌にも懸賞牌がある事や、リーチ祝儀の比率も高いのでリーチ判断は若干前のめりになり、点数計算にツモ損がある事でオリ気味に手を進める局面が多かったように思う。この打ち方が良いかどうかは試行回数が必要だと思うが、ゲーム性は競技よりなサンマ、といった印象でした!

次回は一局戦もチャレンジしてみたいなぁ、と思いました!

帰りにスタッフ皆さんの写真を。

今回の写真撮影や取材に協力して頂きましたチャン太大橋店の皆さん、ありがとうございました!又来ます!

(実践/文責 k)