麻雀業界ニュース
1970年01月01日(木)
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8月29・30日に『第10回野口恭一郎賞』(主催:近代麻雀)が行われた。
野口恭一郎賞(以下野口賞)とは、近代麻雀を発行する出版社である竹書房の創始者である野口恭一郎(故人)の名前を冠して作られた、若手麻雀棋士対象の賞である。
各プロ団体から推薦された男女計16名は以下の通り。
●日本プロ麻雀連盟
小川尚哉
木戸僚之
京平遥
高宮茉莉
トン・ジョユィン
増田隆一
●最高位戦日本プロ麻雀協会
浅井裕介
石井一馬
斉藤敬輔
桜庭史恵
華村実代子
●日本プロ麻雀協会
上田唯
金太賢
綱川隆晃
松嶋桃
吉元彩
【予選(8月29日)】
予選・決勝ともに麻雀博物館で行われた。
予選はまず4半荘行われ、この時点で16名中上位1名が決勝進出、下位3名が敗退となる。次に残った12名で半荘1回のプレーオフ1が行われ、上位1名が決勝進出、下位3名が敗退。そして最後に8名での半荘1回のプレーオフ2が行われ、上位2名が決勝進出となる。
今年から野口賞のルールは一発・裏ドラありのルールに変更され、現代的なトップ重視の麻雀が繰り広げられる。(25000点持ち30000点返し。順位点20000・10000)
● 予選4回戦終了時結果
予選1位通過はなんと4連勝のダントツで斉藤敬輔(最高位戦日本プロ麻雀協会)。一足早くこの時点で翌日の決勝へと駒を進めた。
斉藤「勝っても負けてもいい経験になると思います。だけどここまで来たら勝ちたいです!」
● プレーオフ1終了時結果
予選2位通過は綱川隆晃(日本プロ麻雀協会)。予選は2連勝スタート。3回戦で斉藤との直接対決で一歩後退となったが、それでも予選4回戦は2着、そしてこのプレーオフ1でトップを取りきっての2位通過となった。
綱川「野口賞の名に恥じぬよう、全力を尽くして戦いたいと思います」
● プレーオフ2終了時結果
そして予選3・4位通過は金太賢(日本プロ麻雀協会)、桜庭史恵(最高位戦日本プロ麻雀協会)。金は予選最初こそつまづいた形だが、以後は着実に全連帯。唯一の女性で勝ち残った桜庭もプレーオフ1だけラスを甘んじるも他はすべて2着・トップという堅実な麻雀を見せた。
金「協会の先輩方が受賞してきた憧れのタイトル。ついにあと少しで手に届く位置にきました」
桜庭「唯一の女性として自分なりに精一杯頑張ります」
【決勝(8月30日)】
初日の激戦を繰り広げた4名の決勝進出者。見所はやはり予選4トップの斉藤の好調ぶりだが、なんと開局から思わぬ出来事が…。
決勝戦東1局、南家の金が10巡目に異様な捨て牌でリーチ
ドラ
このリーチに全員が慎重に対処。だが安全牌に尽きた斉藤が、4枚見えのからノーチャンスのを切り出すと…
金「ロン」
ロン ドラ 裏ドラ
開局早々の倍満である!
次局、親番・金が先制リーチに対し11巡目に追いついた斉藤が失点を取り戻すべく追っかけリーチ。
ドラ
ドラトイツのリャンメンリーチ。だが無常にも勝ったのは金。
ロン ドラ 裏ドラ
最後の高目のを斉藤が掴んでしまい12000。たった2局で29000点の失点を追ってしまう。
一方金は序盤の大リードを武器にさらに点棒を加点し、最終的には70000点近いトップを取る。
4半荘で2トップ分にもなる大トップを取った金。残る3人は当然金の連勝を阻止すべく必死に食い下がる。金の下家に座る綱川は積極的に仕掛けて金を牽制。
トータル2位の桜庭も失点を極力抑えポイント的にプレッシャーをかける。
だが2回戦こそ3着で終えた金が3回戦目では爆発的なアガリを重ねる。その後金を止める術は他3人には無く、終わってみれば圧勝の結果となった。
金太賢(キム・テヒョン)プロ…自団体ではトップのAリーグに所属。そして今回の野口賞の受賞により今秋放送予定の『第11回モンド杯』、来年開催予定の『第23回最強戦新鋭代表決定戦(仮)』に出場が内定した。今後の金プロの飛躍に期待したい。